2008年06月17日(火) 07時50分19秒

①椰子の花序液で作る砂糖

テーマ:食事・嗜好・飲酒
バンコクは、雨雲が垂れ込めていて、今にも雨が降りそうな状態が続いています。雨具を持ってまで、遺跡巡りをする気持ちにはなれず、かといって、終日、自宅に引き篭もるなんて、考えるだけでも憂鬱になってしまいます。


雨雲が垂れ込めるバンコクの雨季

バンコクの西方63km、タイ湾に面したサムット・ソンクラーム県 สมุทรสงคราม に、椰子(マップラーオ มะพร้าว )の肉穂花序から砂糖 น้ำตานมะพร้าวแท้ を作る工場があると聞き込みました。いつもの如く、工場の住所、電話番号も分からないのですが、行けば何とかなるのがタイの良いところです。工場見学をするだけなら、雨が降ろうと降るまいと、余り関係がありません。早速、35号線を西へと向かいました。

サムット・サーコン県を通過してサムット・ソンクラームに入り、8km進んだ辺りでUターンして左折、チ゛ャルーン・チョム・パリダー通りを入った辺りで、『 砂糖工場は何処にありますか? 』と聞くと、『 325号線の何処かにあるよ! 簡単に分かるよ! 』との返事が戻って来ました。

彼等が親切に教えてくれた、『 1km先にある 』は、“ 4km先 ”でした。『 右側にある 』は、“ 左側 ”でしたが・・・『 工場の看板が教えてくれるよ! 』ป้ายบอกแล้ว だけは、ピッタシ・カンカンでした。


砂糖椰子工場を示す看板 

タイの人々は、距離感を数値に置き換えたり、左側と右側を的確に表現することを、大変苦手とする人が多いようです。以前のBLOGで触れたような気もしますが、僕の友人にタイの東大と称されるチ゛ュラロンゴーン大学卒の英才がいます。

しかし、彼の地理能力に関しては、小学生並みと言っても過言ではありません。地図を読むことは大の苦手ですし、地図を描いても、地図としての体裁を為していません。東西南北の方位感覚もあやふやです。兎に角、義務教育期間中に、地理教育を殆ど受けていないのですから、仕方のないことなのです。

さて、砂糖椰子工場の話に入る前に、僕が勘違いをしていた二つの大きな間違いに触れて置くべきかと思います。一つは、、椰子から作る砂糖は、シュガー・パームの木)から採れるものだと思い込んでいたことです。タイ語では、ターン・タ・ノーツ ตาลโตนด と呼ばれる椰子の木(下左写真)です。


左:シュガー・パーム(タイ語:ターン・タ・ノーツ ตาลโตนด ) 雑誌からのコピー
右:ココナッツ・パーム(タイ語:マプラーオ มะพร้าว )

シュガー・パームから砂糖、お酒、ジュースが採れるのは事実なのですが、サムッツ・ソンクラーム県では、椰子の代表格とされるココナッツ・パームが利用されていました。タイ語では、(マプラーオ มะพร้าว (上右写真)と呼ばれています。

二つ目の勘違いは、椰子殻の実から抽出した樹液で砂糖を作ると思い込んでいたことです。サムッツ・ソンクラーム県内の道路端の彼方此方に、使い捨てのココナッツの固い殻(下写真)が山積みされている光景を見たのが勘違いの原因となりました。


道路端に山積みされたココナッツの固い殻( ガローク・マプラーオ กะโหลกมะพร้าว )

椰子の木の樹液の採集は、椰子殻の樹液を抽出するのではなく、ココナッツの肉穂花序の根元を潰し、滴り出てくる樹液を竹筒や土器で受けるのだそうです。従って、この作業を行うと、ココナッツの実は犠牲になってしまうのだそうです。

肉穂花序は、像の鼻のように長い形状をしているので、タイ語では、ココナッツの像の鼻(グアン・マプラーオ งวงมะพร้าว )と呼ばれています。 下の写真の2枚がココナッツの肉穂花序だろうと思います。


未熟なココヤシの肉穂花序(グアン・マプラーオ) งวงมะพร้าว

ココナッツの肉穂花序の話を聞かされても、今まで見たことが無い上に、工場にもその現物が無かったこともあり、今ひとつ理解することが出来ませんでした。

そこで、バンコクへ戻る途中に見かけたココナッツの果樹園で、肉穂花序らしきものをじっくりと観察して見ました(上の写真と下の写真)。上の写真の肉穂花序は未熟で柔らかく、下の写真はココナッツの実の形状が出来上がりつつあります。肉穂花序の樹液を採集する適切な時期がいつ頃なのか、残念ながら、確認することが出来ませんでした。


成熟したココヤシの肉穂花序(グアン・マプラーオ) งวงมะพร้าว

ココナッツ・パーム(マプラーオ มะพร้าว )は、発芽してから七年目頃に初めて果実(ルーク・マプラーオ ลูกมะพร้าว )を付け、以降70年余りに渡って、年間40個~80個/本の実を付けるのだそうです。

中には、最初に果実を付ける七年~八年目に、狂ったように、異常な数のココヤシの実を付ける木があるのだそうですが、そのような状態(下写真)を、タイ語で、マプラーオ・トゥーン・ドック มะพร้าวตื่นดก と言うのだそうです。


異常に多い椰子の実を付けたココヤシの木

マプラーオ・トゥーン・ドック มะพร้าวตื่นดก の意味は、“ 貧乏人が、小金を手にしたり、小役人になったりして、急に有頂天になり、身の程を忘れてしまう ”ことだとか。

我々にも理解できるタイの諺(スパジット・タイ สุภาษิตไทย )に、ゴップ・ナイ・ガラー・クロープ กบในกะลาครอบ があります。直訳すると、“ 椰子の殻の中の蛙 ”となります。日本の“ 井の中の蛙、大海を知らず ”に該当する諺ですね。

今回も前置きの長いBLOGになってしまい、深く反省しています。
砂糖椰子工場の写真紹介は、次回のBLOGとさせて頂きます。


AD
いいね!した人  |  コメント(15)  |  リブログ(0)

hiro-1さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

15 ■シャンティcoco さん

熱気が冷めて、少しばかり固まった状態のものにタカっていました。本能的に分かるのでしょうね。

14 ■無題

ココナツ自体はさほど甘さを感じないですけど、煮詰めると凄いんですね。ヴェトナムの南部の島、ココナツ島(?)でも、ココナツで煮詰めて砂糖を作ってました。タイと同じですね。
砂糖にたかった蜂が砂糖と一緒に固まっちゃうということはないのでしょうか。^^;

13 ■無題

hiro-1さん
見ていただいて有り難う御座います。
そうですか?
コメント拒否はしていませんが、、、
残念です。

12 ■カオヤイ さん

写真を見ました。素晴らしいですね。火炎木と名づけられた理由が良く分かりました。これでは、鳳凰木も顔負けですね。
カオヤイさんのBLOGのコメントに入れようと思ったのですが、何故か入らず・・・

11 ■mut0623 さん

日本的なきっちりとした工場ではなく、典型的なタイの作業所ですので驚かれるのではないでしょうか。

10 ■kiiさん

コンクリート・ジャングルなので余り好きではないのですが、ついつい便利さに負けてしまいます。

9 ■thaifruitsさん

実は、タイ人が僕の知らない言葉を連発するので、せめて、忘れないようにメモで残して置こうと思っているだけなのです。

8 ■レマさん

日本の工場イメージとは相当にかけ離れていますが、女性だけで切り回しているのが、いかにもタイらしい面だと思います。

7 ■banpayarn さん

こちらこそ、banpayarnさんのBLOGを楽しく読ませて頂いています。

6 ■火炎木見つけました

ご無沙汰しております。
でも、毎日拝見させて頂いております。
今月の初めに、
ペチャブーン県で火炎木見つけました。
hiro-1さんの、写真のおかげです。
大感激です。
今日のブログに写真載せました。
有り難う御座いました。
記事と関係ない内容でごめんなさい。

5 ■無題

へー
おもしろぃ(´ー`)
次の工場編も楽しみにしてますょ♪

4 ■パームシュガー

僕も勘違いしていました。あの濃厚なパームシュガーが、ココナツの果汁から作られていると…
ココナツミルクもそうですが、どうやったらあの果汁からあんなものが出来るのだろうと思っていたのです。なるほど~
それにしても冒頭のご自宅?からの眺めは素晴らしいですね!僕もリタイアしたら…ムリですね。

3 ■椰子の殻の中の蛙

タイ語の標識が分かるとすごく便利ですねー。
僕は恥ずかしながら・・・
言葉の面でも知らない言葉ばかりで勉強になります。

2 ■私の場合は・・・

知らないことだらけで、凄く面白かったです。こういう作られる過程が分かると面白いですね。

タイ、凄く面白いです!!

1 ■砂糖椰子

小生も、つい先ほどまで「砂糖椰子」から作るものだとばかり思っておりました。
レポート、いつもながら、ありがたく拝見させていただいております。

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。