物語をカタチに。

ウェルツアニメーションスタジオ代表 平沼正樹
映画が好き。小説も好き。写真も好き。ゲームも好き。物語を感じるコンテンツはなんでも好き。
このブログを通じて「物語」が好きな人たちと繋がれたら嬉しいです。


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上下合わせて2000ページ超えはさすがに長い。

ということで暫くは本棚の肥やしになっていましたが、年末年始の休みを利用してようやく読み終えることができました。

村上春樹作品といえば最近では、『女のいない男たち』と『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んでいます。

どちらも2010年代に出された作品ですがすらすらと読めてしまう文体は健在で、村上春樹の世界を存分に楽しむことができました。

また、著者の最近の作品は視点を敢えてズラすといった実験意欲も感じ取ることができますよね。(映像として例えるならばわざとイマジナリーラインを超えてくるような・・・)

 

『騎士団長殺し』もそんな近年の著者の実験的な流れを汲んでいる作品のようにも受け取ることができたのですが、読み終えた後の率直な感想としては「長かった」という印象だけが残ってしまいました。

 

内容を一言で説明するならば、中年版『不思議の国のアリス』といった感じでしょうか。

都内に住む肖像画家が失恋をきっかけに田舎町に移り住み、そこで現実には起こりえない体験をする。

そしてまた現実の世界へ戻ってくるといった、ファンタジー要素が多分に含まれた作品となっています。

 

難しい言葉もなくすらすらと読めますし、私は著者の作品に深みを求めてはいませんので素直に楽しむことはできました。

しかし、やはり長いという印象は最後まで拭えませんでした。

ページを捲っても捲っても終わらない。そして読み終わってもその達成感がない。ただ長いという印象しか残りませんでした。

 

消化できなかったような感覚です。

これまで著者の作品を読んでこのような感覚になったことは記憶にありません。

近作である『女のいない男たち』と『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』でも自分なりに消化することはできていたと思います。

 

自分が時代に追いつけなくなってしまったのか・・・

それとも、著者が敢えて読者を突き放しているのか・・・

 

そんなモヤモヤした消化不良感を抱えながら年明けにビレッジバンガードを彷徨いていた私は、そこで一冊の本に出会いました。

 

『ドラクエは文学である』という本です。

手に取ってみると帯の裏には「堀井雄二と村上春樹」と書かれており、彼ら二人には共通点がありドラクエの進化と村上春樹作品の進化を、年代ごとに比較し考察するという内容の本でした。

どちらも好きな作品ですが、これまでそんな視点で考えたことはなかったため、もしかすると私が『騎士団長殺し』で感じた消化不良を解消してくれるのではと思わず購入してしまいました。

 

これが、著者のさやわかさんと同年代の私には実に面白く、一気に読んでしまいました。

堀井雄二と村上春樹の作品は通底しているという著者の考察は確かにこじつけに思える部分は多々あるのですが、学生時代にドラクエや『ノルウェイの森』にリアルタイムで親しんだ私には二人の共通点が手に取るように見えてしまいました。

 

騎士団長殺しで消化しきれない感覚をお持ちのかたは、『文学としてのドラゴンクエスト』という本を読んでみることをお勧めします。

村上春樹の作品に対して、また違った理解ができて面白いと思います。

少なくとも私は村上春樹はやっぱりこれで良いのだと消化できたような気がしています。

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