医療、介護事業に強い税理士・公認会計士-大阪市西成区、住之江区

これは大阪市西成区の公認会計士、税理士ヒラリーが、2009年の独立開業後、事務所内で検討した事象を書き記したマル秘メモです。
弊事務所は、医科歯科事業、介護事業と海外関連事業に特化した専門的な公認会計士、税理士事務所です。


テーマ:

税理士のヒラリーです。

 

今日は、米国法人が日本で活動をすると日本で納税することになるのかどうか検討しました。

 

まず、2国間で企業活動を行う上で、どちらに課税権があるかどうかなどを決定する場合、各国間租税条約と国内税法に基づくこととなりますが、基本的には、租税条約の規定が国内税法の規定に優先されます(憲法982項、法人税法1391項)。

 

そのため日米租税条約の規定からまず解説します。

 

日米租税条約7条においては、「一方の締結国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締結国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締結国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。」とされており、5条において、「恒久的施設とは、事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部又は一部を行っている場所」とされています。

その恒久的施設の例として、52項以降にて、「事業の管理の場所、支店、事業所、工場、作業場、鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所」や、「建築工事現場、工事又は探査が12箇月を超える期間存続する場合」や、「企業に代わって行動する者が、一方の締結国内で当該企業の名において契約を締結する権限を有し、かつ、この権限を反復して行使する場合」(代理人がいる場合)が挙げられています。

ただし、下記の場合は、恒久的施設に膨れまれないとされています。

  1. 企業に属する物品又は商品の保管、展示又は引渡しのためにのみ施設を使用する場合

  2. 企業に属する物品又は商品の在庫を保管、展示又は引渡しのためにのみ保有する場合

  3. 企業に属する物品又は商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有する場合

  4. 企業のために物品もしくは商品を購入し又は情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合

  5. 企業のためにその他の準備的又は補助的な活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合

 

よって、日米租税条約において、日本国内に恒久的施設に該当する一定の場所で企業活動を行わなければ、日本国内では課税されないという取り決めがあるため、営業をせず、契約締結権限もないような状況では日本では課税されないと思われます。

しかし、そのためには、恒久的施設と認定されないため、不動産物件の保有、賃借や企業行動を制限する必要がありと思います。

 

 

また、日本内法の規定として法人税法がありますが、その法人税法にて、「外国法人は、法人税法1381項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を有するときは法人税を納める義務があり」(法人税法43項)、日本で課税されることとなっています。

その国内源泉所得は、外国法人が恒久的施設を通じて行ったもので恒久的施設に帰せされるべき所得に限定されており(法人税法13811号)、結局、租税条約と同様に恒久的施設を保有している場合に国内源泉所得に対して課税されることとなっています。

ただし、この恒久的施設の範囲は租税条約のものと少し異なり、下記のとおりとなっています(法人税法2112号の18、法人税法施行令4条の4)。

 

  1. 外国法人の国内にある支店、工場その他事業を行う一定の場所で政令で定めるもの(支店、出張所その他事業所若しくは事業所、工場又は倉庫業者が事業に供する倉庫)

    ただし、次の場所は含まないものとされています。

    A)外国法人がその資産を購入する業務のためにのみ使用する一定の場所

    B)外国法人がその資産を保管するためにのみ使用する一定の場所

    C)外国法人が広告、宣伝、情報の提供、市場調査、基礎的研究その他その事業の遂行にとつて補助的な機能を有する事業上の活動を行うためにのみ使用する一定の場所

ロ)外国法人の国内にある建設作業場(外国法人が国内において建設作業等(建設、据付け、組立てその他の作業又はその作業の指揮監督の役務の提供で一年を超えて行われるものをいう。)を行う場所をいい、当該外国法人の国内における当該建設作業等を含む。)

ハ)外国法人が国内に置く自己のために契約を締結する権限のある者その他これに準ずる者で政令で定めるもの

 

なお、国内源泉所得に該当しない限り、源泉所得税の納税義務もないので、外国法人が享受する利益に源泉徴収されることもありません(所得税法161条212条)。

 

よって、日本国内での課税リスクを下げるためには、租税条約、国内法人税法両方における恒久的施設の範囲に該当しないように、不動産物件の保有、賃借や企業行動を制限する必要があります。

 

 

()外国法人とは、国内に本店又は主たる事務所を有する法人以外の法人を言う(法人税法212号)。

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