キャピタルゲインはどこに消えていくのか? | コンテナ・トランクルーム・大家・タイムマシン投資
私にとってキャピタルゲインを抱えている投資は売却以外の選択肢がありません。

やる気の源、ブログランキングに参加しています。

人気ブログランキングへ

キャピタルゲインとはそもそも何者なのか?

キャピタルゲインというのは売却益のことです。
買った値段より売った値段の方が高ければ利益が出ます。これをキャピタルゲインと呼びます。
キャピタルゲインの本質はそもそも何なのかというと、高い利回りで買って低い利回りで売るということです。
例えば16%で購入したものが直後に12%で売れるのなら、(16%/12%)倍儲かる。これがキャピタルゲインの本質だということです。

キャピタルゲインはどうなっていくのか?

時間の経過とともにキャピタルゲインはどうなっていくのでしょうか?
これは買った時の利回りは変わらないのですから、売却の利回りがどうなっていくのか?によります。
当然物件によりけりなのですが、一般的には時間と共に価値は下がり、その分高い利回りでないと売れなくなっていきます。
例えば買った年に12%で売れたとしても、1年ごとに1%ずつ安くなっていくとするなら、5年でキャピタルゲインは消えることになります。

買い  売り  キャピタルゲイン
16% 12% 142
16% 13% 103
16% 14%  66
16% 15%  32
16% 16%   0

インカムゲインはどうなっていくのか?

収益物件の場合、実際にはインカムゲイン(月々の収入)も影響してきます。
しかしこのインカムゲインもキャピタルゲインと同じで、年々下がっていきます。
例えば1千万円の物件を16%で買ったなら買った年は160万円のインカムゲインです。
ここでは毎年10万円ずつインカムゲインが減っていくとします。
累積の家賃は以下になります。

家賃  累積
160 160
150 310
140 450
130 580
120 700

インカムゲイン+キャピタルゲインはどうなっていくのか?

1000万円で購入したことを前提に、インカムゲインとキャピタルゲインの合計を出してみましょう。

家賃累計 キャピタル 合計
160  142  302
310  103  413
450   66  516
580   32  612
700    0  700

確かに毎年伸びてはいるのですが、インカムゲインだけの時より前年比が小さいです。
これは、キャピタルゲインがどんどんなくなっていくために、インカムゲインが削られているからです。
下手すると殆ど変わらない年が続く、という期間もシミュレーションするとよく出てきます。

実際の動き

実際には、不動産を購入するのに現金買いは珍しいですから、ローンの支払いがあり、元金の返済が進み、キャピタルゲインとは残債と売り値の差額という計算になります。
しかし利息を毎年払うだけで、基本的な数値の動きに変化はありません。
すなわち、キャピタルゲインもインカムゲインも毎年老朽化と共に減っていき、伸び率は鈍化していきます。
さらに、キャピタルゲインの下落率は毎年一定というわけではなく、下がりにくい時期、一気に下がっていく時期が想定されますが、傾向に変化はありません。
中には年を追うごとに価値が上がるような物件もありますが、それは今回例外として考えないようにします。

キャピタルゲインが大きい場合どうなるか?

もし買った瞬間に大きなキャピタルゲインを得ていた場合どうなってしまうのかというと、後続年のキャピタルゲインの縮まりが早く、インカムゲイン+キャピタルゲインという儲けの合計は減りこそしないまでも少しずつしか増えていかなくなります。
例えば、以下は実際に私が計算したインカムゲイン+キャピタルゲイン、それに仲介手数料、銀行への違約金などを加味した、1年毎の収入予想です。
見てもらればわかるように、10年かけても1.5倍にもなっていません。

1 1,980
2 2,059
3 2,186
4 2,318
5 2,455
6 2,596
7 2,661
8 2,725
9 2,790
10 2,854

初めからキャピタルロスがある場合はどうなのか?

逆にもしはじめからキャピタルロスを抱えていた場合、往々にして通常はこういう物件が普通ですが、その場合キャピタルロスは毎年増え続け、インカムゲインを削っていくことになります。
この場合、実はあまり持ち続けていてもトータルでの収入は増えません。
インカムゲインはキャピタルロスで毎年食いつぶされていきます。

結論

キャピタルゲインはこのように年々下がっていくものです。
インカムゲインも同じです。
さすがに持っていれば持っているほど損をするというのはほぼないですが、逆に持っていれば持っているほど収入が増加していく(累積ではなく単年で)物件もほぼありません。
最初のキャピタルゲインが大きければ大きいほど、後続の伸びは鈍化してしまいます。
キャピタルゲインは、収益還元法の中に消えていくのです。
次回、このことから、インカムゲインとキャピタルゲインの正しい扱い方について考えてみます。
「本当にインカムゲインを得ることは良いことなのか?」



ブログには書けない情報をメルマガ配信しています。
以下からお問い合わせ下さい。
お問い合わせ
(http://my.formman.com/form/pc/uwRVvdMMyJx87jHN/)