ペット

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舞台はニューヨーク。犬のマックスは、大好きな飼い主のケイティと最高に幸せに暮らしていました。ところが、ケイティが大型犬デュークを新たに連れてきたことから、マックスの生活環境は一変。マックスとデュークが何とか自分が優位に立とうと頑張っていたある日、ひょんなことから彼らは迷子になってしまい...。

 

冒頭、飼い主が出かける時のペットとの別れの場面。ここは引き込まれました。置き去りにされるペットの寂しさ、心許なさ、帰ってきたと思ったら忘れ物を取りに来ただけですぐにまた独りにされていまう切なさ...。

 

ペットたちの仕草や動作、気持ちの変化は、実にそれっぽく可愛らしくて心を掴まれました。

 

ただ、どっかで観たことある感は拭えません。そう、持ち主が寝静まってから、オモチャたちが起き出してとか、持ち主(飼い主)とラブラブだったのにライバルが現れて地位が脅かされてとか...。「トイ・ストーリー」のペット版といったところでしょうか。

 

そして、ほとんどドタバタなだけな展開で、特に長い作品ではないのですが、可愛いと思いながらも、途中で満腹感が...。

 

可愛いけれど、ペットの可愛さを楽しむなら、いろいろと映像を観ることはできるワケで...。もっとストーリーや展開に工夫が欲しかったです。

 

観るにしても、最初を観て、途中は流して、最後を観れば、それで十分かと...。

 

 

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Re:LIFE~リライフ~

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アカデミー賞を受賞したものの、その後、15年間鳴かず飛ばず状態の脚本家キースは、破産寸前で妻子にも逃げられるます。彼は、嫌々ながらも、収入を得るために郊外の大学のシナリオコースの講師を引き受けますが、意欲がわきません。しかし、子育てしながら復学したホリーたち、真剣な生徒たちの情熱に接し...。

 

キースを演じるヒュー・グラントのダメダメ振りが暗くなり過ぎず、程々に人生に悲哀を感じさせていて印象的です。どん底まで落ち、そこから様々な葛藤を乗り越えての再生という重いテーマが軽快に描かれていて、暗い気持ちにならずに観ることができました。

 

一度は成功した人が転落し、嫌々ながら全く違った環境に置かれ、そこでの新しい出会いや経験を通して再生の道を拓いていく...。という物語自体には特に目新しさもありませんし、そこにロマンスが絡められるのも常套手段。予定調和的になるようになっていく展開も、特別に面白いとは思えませんでしたが、それでも、安定の演技陣に支えられ、楽しめる映画作品になっています。

 

様々な映画作品が登場するのも嬉しいところ。オースティンの「エマ」のパロディ「クルーレス」とか、ロビン・ウイリアムズが教師を演じ「教科書なんか破り捨てろ」と教えた「いまを生きる」とか、「過去ばかりを振り返らずに前へすすめ」という「トワイライトゾーン」のセリフとか、「スターウォーズ」とか...。

 

他にも映画のことや文学作品のこと、映画監督や作家のことがあれこれと語られていて、映画に関心がある人の興味を引く要素が散りばめられています。

 

レンタルで十分かとは思いますが、観ておいて損はないと思います。

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作家、スティーヴン・エリオットの回想録を元にした作品。

 

幼少期に父親から虐待を受けた体験記を発表し、成功を収めた作家のスティーヴンは、死んでいるはずの父親が現れたことで信頼を失ってしまいます。一方、その頃、天才プログラマー、ハンス・ライザーが遺体が発見されないまま妻殺しで起訴された事件が話題になっていました。この事件に興味を持ち、起死回生の次回作のネタにしようと考えたスティーヴンは、初公判を傍聴するため裁判所を訪れます。そして、女性記者のラナと出会い、ともに事件を追うようになりますが...。

 

人の記憶は曖昧なもの。本作で描かれているほど、大きなものではなくても、多くの人は大なり小なり、記憶の曖昧さというものを感じたことはあるでしょう。同じ体験をした相手と思い出話をしていても、そこに様々な記憶の違いがあることが分かったりします。何気ない出来事においても、そんなことがあるワケで、大きな心の傷を負うような出来事であれば尚のこと。けれど、それにもかかわらず、意外に、自分の記憶について根拠なく自信を持ってしまったりするものです。

 

本作でも、その"記憶の曖昧さ"、"自身の記憶に対する絶対的な自信"といったものが描かれています。その視点は、それなりに面白かったのですが、作品全体としては今一つインパクトに欠ける感じがしました。

 

スティーヴンの記憶が書き換えられた原因も、心の傷というよりは、薬物が原因という部分が大きいような...。原題の「The Adderall Diaries」は「アデロール(服用者)の日記」("アデロール"は、注意欠陥多動性障害(ADHD)やナルコレプシーの治療に用いられる薬物。日本では覚醒剤に相当するという理由で使用が禁止されている。)なので、薬物が原因で記憶が書き換えられたという描き方で正解なのかもしれませんが、その辺りの描写が中途半端な感じもしました。まぁ、これは、邦題によるミスリードで、作品そのものの問題ではないのですが...。

 

ライザーの事件とスティーヴンの物語の絡みがちょっとギクシャクした感じで違和感ありました。

 

豪華出演陣で、演技という点では見応えのある作品となっています。特にスティーヴンのお父さんとして登場するエド・ハリスは、良い年齢の重ね方をしている感じで印象的でした。

 

けれど、"記憶を書き換えるほどの心の傷とそこからの回復"という面については描き方が薄く、今一つ、迫り切れていない感じがして残念でした。

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とうもろこしの島

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ジョージアとジョージアからの独立を求めるアブハジア自治共和国の間では1992年以降、争いが続いていました。そのジョージアとアブハジアの間を流れるエングリ川は、春の雪解けとともにコーカサス山脈から肥沃な土を運び、中州を作ります。両岸で敵同士がにらみ合い、銃弾が飛び交う中、今年も、アブハズ人の老人は孫娘をともなって、昔からの風習のとおり、中州に小舟で渡り、小屋を建てて、土を耕し、とうもろこしの種を蒔いて、苗を育てます。しかし戦闘が激しくなり、ある日、彼らはとうもろこし畑で傷を負った若いジョージア兵を発見し...。

 

静かな日常が営まれている中に、戦争が入り込んでくる様子が描かれます。生命を支えるための食糧を得るために、黙々と土地を耕し、種を蒔き、育て、収穫し...。

 

種だったとうもろこしはやがて実りの時を迎え、孫娘は少女から大人の女性になろうとしていて...。兵士たちが殺しあう傍らで人も植物も確実に成長をしていきます。

 

戦争という人間の愚かな行為と自然の中での地に足をつけた堅実な営み。声高に何かを主張するわけではありませんが、静かな映像の中に、殺しあうことの愚かさ無意味さと地道な営みの尊さが浮かび上がってきます。

 

ラスト。2人と同じように中州を耕す人物が登場します。それは、老人でもなく、娘でもありません。同じ営みが、受け継がれ、繰り返されていっているということなのでしょう。

 

悠久の時の中で、短い人の生を包み込む大自然の中で、私たちは、愚行と快挙を、戦いと平和を繰り返していくのかもしれません。

 

極限まで抑えられたセリフと抑制のきいた演技ですが、老人と娘の関係性、老人の娘に対する心配、娘の成長、年頃の娘ならではの老人への反発、"女"を武器にしつつ兵士を翻弄する若い娘の残酷さ...、登場人物たちの心の動きがしみじみと伝わってきます。繊細で静謐で、深い味わいを感じさせる作品です。

 

一度は観ておきたい作品です。そして、本作同様、ジョージアとアブハジアの争いをテーマにした映画作品「みかんの丘」も併せて観ることをお勧めします。できれば、本作を先に。その後、「みかんの丘」を。

断食芸人

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カフカの「断食芸人」をベースにした作品。原作は随分前ですが読んでいます。

 

寂れた商店街に1人の男(山本浩司)が現れ、片隅に座り込みます。男に興味を持った少年が男の写真をSNSに投稿すると、翌日から投稿を見た人々が男の周りに集まってきます。何の反応も示さず、虚空を見つめているだけの男の存在について人々はそれぞれに持論を展開し始め、いつしか男は「断食芸人」に仕立て上げられ...。

 

男は、本人の意思とは別のところで、「断食芸人」にされてしまいます。そして、男の"断食"という行為について、様々な人が、様々な立場からあれこれ意見を述べ、評価し、そこに何らかの意味を見つけようとします。

 

原作では、主人公の"断食"という芸に対する想い入れが描かれ、周囲の無理解に対する苦悩が描かれますが、本作では、主人公その人よりも、周囲の物語が描かれていきます。

 

そして、原発、過剰医療、アイヌ沖縄、天皇制...様々な問題が絡められます。勝手に解釈して勝手に納得したり、熱狂したかと思うとあっという間に忘れ去ったり、理解不能なものに接したときの"世間"と言われるものの反応があれこれ描かれていて、なかなか面白かったりはしましたが、整理されないままに色々と盛り込み過ぎた感じで、全体的に散漫な印象を受けました。

 

2日目でもう"断食"と決めつけたり、動画をアップしてすぐにマスコミが駆けつけるほどまで話題になったりといった展開は、あまりに拙速。長期間の断食にも関わらず、それ程、痩せ衰えることもなく、動けなくなることもないというのもあまりに嘘っぽいです。男自身の行動や断食に対する周囲の反応に不条理さを持たせるのであれば、男に世間が注目するまでの過程はリアルに描いた方が、物語の世界に入りやすいような気がするのですが...。

 

まぁ、私なぞも、こうして誰かが作った映画を観て、勝手なことをあれこれ書き連ねているわけで、作った側からすれば、あまりに浅薄で斜めな内容になってしまっていることもあるでしょう。

 

本当に理解することも、分かりあうことも難しいかもしれないけれど、あれこれ言うことを認め合い、それぞれが自分の頭で考え、自分の言葉で語ることで、少しずつ溝を埋めたり、共存する道を切り開いていくことが大切なのかもしれません。

 

映画として面白かったかというとかなり微妙ですが、色々と考えさせられる作品ではありましたし、今の私たちを取り巻く問題を切り取った物語にはなっていると思います。

ヒトラー 最後の代理人

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アウシュビッツ強制収容所の所長だったルドルフ・ヘスが、処刑される前、1947年2月に書いた手記をもとにした作品。

 

1946年、ポーランドの留置場で裁判を待つ、元アウシュビッツ強制収容所長のルドルフ・ヘス。なかなか取り調べが進まない中、若き検察官、アルバートが尋問を担当することになり...。

 

ヘスと彼を取り調べるアルバートのやり取りがほとんどの部分を占めています。

 

自身の行為について、「命令に従っただけ。命令には絶対に従わなければならないと教え込まれていて、疑問を持つことなど考えもしなかった。」と応えるヘスと、「本当に何も疑問に思わなかったのか?」と繰り返し迫るアルバート。

 

ヘスの答えは、はぐらかしているようでもあり、本心からアルバートに問いかけられていることが理解できていないようでもあり...。

 

バンナ・アーレントが、やはりナチスの戦犯であるアイヒマンの裁判を傍聴し、アイヒマンが極悪人ではなくごく普通の小心者であったことを指摘し、彼の悪行の原因としてその“完全なる無思想性”を挙げていますが、本作のヘスに、そのアイヒマンの姿が重なりました。2人とも、忠実に命令に従い、着実に実行する有能な官僚に過ぎなかったということなのかもしれません。

 

アルバートの質問にヘスが淡々と答えるだけで、それぞれの内面に踏み込めていない感じがして、全体に薄味で、歯痒さを感じました。

 

そもそも、尋問の担当者が、アルバートに代わったことで、何がどう変化したのかもよく分かりませんでしたし...。

 

この尋問が、2人にどのような影響を与えたのかを炙り出し、当たり前の役人たちが、独裁者を支え、冷酷な執行者となること、今、普通の人として生きている私たちに、ヘスになる可能性があることの恐ろしさに迫れていたら、見応えのある作品になったと思うのですが...。

 

題材が良かっただけに残念です。

メニルモンタン 2つの秋と3つの冬

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パリの東側に位置する街、メニルモンタン。ボルドーの美大を卒業したアルマンは定職にも就かず、親友のバンジャマンと冴えない毎日を過ごしていました。33歳の誕生日、アルマンは、「仕事をみつける。運動をはじめる。タバコをやめる。」と3つの決意をします。ある日、アルマンはジョギング中に偶然出会ったアメリに一目惚れし、ある事件をきっかけに急接近しますが...。

 

章立てになっていて、1章から9章まで進み、その後、8章、7章...1章と、全部で17章に分けられているのですが、その度に暗転し章の番号とタイトルが表示されます。90分の短い作品の中で17回もこれがあるのですから、かなりせわしない感じはします。

 

そして、登場人物たちが観る者に向かって語りかけてくるのですが、それが結構、ウザかったりします。

 

そこにある種の可笑しさというか、笑いが生まれてもいるのですが、この手法については、メリットよりまデメリットが大きかったと思います。

 

33歳までダラダラとモラトリアムしていた"ダメンズ"なアルマンですから、そう簡単に大人になれるわけもなく、その辺りは、リアルを感じましたが、だから何?という感じも強く、物語の面白さが感じられませんでした。

 

それでも、アルマンを演じたヴァンサン・マケーニュが、ちょっと気持ちの悪いオジサンのようで、写される角度によっては意外にイケメンだったりして、なかなかイイ味を出していたと思います。

 

もっと、ヴァンサン・マケーニュの味わいを前面に押し出しても良かったような...。

みかんの丘

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ジョージア最西端の黒海北岸に面するアブハジアのエストニア人が多く住む集落。ジョージアとアブハジア間に紛争が勃発し、多くのエストニア人は帰国しましたが、みかん栽培をするマルガスとみかん用の木箱を作るイヴォの2人の老人は残っていました。ある日、イヴォの自宅近くで戦闘が起こり、数人の兵士が命を落としますが、アブハジアを支援するチェチェン兵アハメドとジョージア兵ニカの2人は生き残ります。イヴォとマルガスは、アハメドとニカをイヴォの自宅に運び込み介抱し...。

 

ジョージアとエストニアの共同制作。

 

本作の舞台となったアブハジアは、19世紀後半、ロシアが帝政時代に征服した土地。その際、イスラム教徒だったアブハズ人の半数近くが移住を余儀なくされ、ロシア帝国内からエストニア人が移住し、開墾、集落を築きます。ロシア革命後、アブハジアは文化的、政治的な自治が認められますが、スターリンの時代、ジョージア化が推し進められます。

 

1980年代後半から1990年代前半、ソ連のゴルバチョフ政権によるペレストロイカ、東西冷戦の終結、ソ連の崩壊により、連邦を構成する各共和国で独立の気運が高まりジョージアも1991年に独立。けれど、アブハジアの統合を主張するジョージア人と自治を主張するアブハズ人は対立。元々、イスラエル教徒が多かったアブハズ人たちをやはりイスラエル教徒が多いチェチェン人の義勇兵が支援するという形になりました。1994年に停戦合意します。国際的には独立が認められていませんが、2008年、ロシアがアブハジアの独立を承認し、経済的な支援等を行い、実効支配を強めています。

 

戦争や民族紛争は、一部の特殊な人々だけの問題ではなく、人間の歴史とともにある問題で、普遍的な問題なわけで、アブハジアを巡るあれこれを全く知らずに観ても、十分に味わえる作品だと思います。

 

アハメドもニカも、互いに相手に仲間を殺され、それぞれ傷も負わされています。互いに敵同士で、相手に強い憎しみを抱いています。そして、アハメドもニカも、兵士として敵を傷つけ殺してきました。

 

一方で、2人とも、命を救ってくれたイヴォに対し恩義を感じ、イヴォとの約束を守ろうとする誠実さも持ち合わせています。戦いの場では当たり前のように敵を殺す2人も、日常の場ではごく普通の青年。穏やかな日常の中で、2人とも、"敵"が自分と同じように普通の人間だということに気付いていきます。素朴だけれど美味しそうな料理が並べられる食卓を挟んで向き合う2人の互いに対する気持ちが変心する様子が繊細に描かれます。

 

イヴォの家の中で育まれた奇跡のような友情も、やがて厳しい現実に飲み込まれていきます。

 

戦争の酷さを直視しつつ、その中でも潰されることのない人の強さ、可能性を見せてくれる作品です。

 

87分という短めの作品ですが、実に濃厚な物語でした。是非、観ておきたい作品だと思います。かなりお勧め。

ファイヤーフォックス

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1976年のベレンコ中尉亡命事件にヒントを得たクレイグ・トーマスの小説を映画化した作品。原作は未読です。

 

ソ連が開発した新型戦闘機MiG-31"ファイヤーフォックス"。レーダーでは捉えられず、思考制御式火器管制システムを装備。最高速度はマッハ5以上。実戦配備されれば西側にとって重大な脅威となります。それに対し、米CIAと英SASは、ファイヤーフォックス強奪を計画。その任務に白羽の矢をたてられたのが、元空軍パイロットでロシア語に堪能なミッチェル・ガントでした。彼は、ソ連に潜入し...。

 

ベレンコ中尉亡命事件ば、当時のソビエト連邦の将校だったベレンコが、MiG-25迎撃戦闘機で函館に強行着陸し、アメリカへ亡命したというもので、ミグ25事件とも呼ばれています。ベレンコ中尉事件は、偶発的な要素も多い亡命事件ですが、原作小説は、西側から侵入した人物による戦闘機奪取作戦として物語を作っています。

 

で、本作に登場するMiG-31は、MiG-25の大幅な改良型で、高高度・高速の航空機の迎撃に特化したMiG-25に対し、低空進入する巡航ミサイルや攻撃機への対応能力を持つそうです。

 

原作がヒントにした事件が起こったのは1976年。41年前です。1976年の事件で亡命に使われたのはMiG-25で、本作で盗まれるMiG-31は1982年に国土防空軍に配備されたそうです。それから35年が経っているわけで、その間に、冷戦が終わり、ソ連が崩壊し、KGBも表舞台から姿を消し...。意外に短い期間で大きく世界が変わっていることを実感させられます。

 

戦闘機を奪うまでとその後で、ガラッと雰囲気が変わります。ソ連の将校が内輪で会話する場面で英語が使われていたり、ご愛嬌な部分もありますが、ガントが戦闘機で飛び立つ部分までは、結構、緊張感があり、引き込まれました。

 

最後の戦闘シーンは、本作が1982年の作品だということを考えると、かなり頑張っていることは分かります。そして、相当に迫力の出来栄えになっているとは思います。けれど、ちょっと間延びしてしまった感じが否めません。

 

生還するまでをきっちり描くのであればこの戦闘シーンでもよかったと思うのですが、本作の終わり方をするのであれば、基地でMiGに乗り込んで飛び立つところで終わった方が、物語としてはまとまった感じがしたのではないかと思うのですが...。

金メダル男

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秋田泉一は、小学校の運動会での徒競走で一等賞を取った時に褒められ、"一番"になることの魅力に取りつかれます。何についても一番になることにこだわる泉一は、"金メダル男"と呼ばれるようになります。小学生の時は"金メダル"を取りまくりますが、中学生になると途端に一番になれなくなりますが...。
 

団体競技が苦手と言っていた泉一が、部長として後輩をきっちり指導してしまったりとか、女性に気を取られて力を出せない彼が頼子と一緒に挑戦するようになったり、寿司屋に弟子入りしながら他に事に使う時間をたっぷり持っていたりとか、違和感のある部分が多く、なかなか物語の世界に浸れませんでした。

 

泉一の活動を支えた資金についても疑問は残ります。最初に海外に行くための資金はバイトで貯めたようですが、彼が使った金額は、普通にバイトで貯められる金額を遥かに上回っているような...。それに、帰国後の生活と様々な活動を支えう資金の出処は全く不明。

 

とにかく一番を目指すというのも、あまりに安易で、一番を取ることへの切実な気持ちが伝わってきません。行き当たりばったり過ぎて、本気で一番を狙っているのかも疑問。この辺り、シリアスな方向で描くのか、コミカル路線で行くのか、中途半端で笑うに笑えない微妙な雰囲気になってしまっています。

 

挑戦し続けることの大切さは確かにその通りだと思います。けれど、どんな分野でもそう簡単に一番になれるワケもありません。子どもの頃の夢を見続けることも大切ですが、いつまでも大人になれないというのは、それはそれで問題なワケで...。

 

泉一の場合は、妻である頼子の支えがあったわけですが、頼子がどうしてそこまで泉一を支えたのかも今一つ伝わってきませんでした。

 

2011年3月11日を示すカレンダー。ここの描写は良かったです。ワザとらしくなく、過度な演出もなく、それでも印象に残るシーンとなっていますし、その後の物語への繋がりも感じられます。

 

ところどころ今一つな感じ。それでも、監督・脚本・主演をこなした内村光良の一途さは伝わってきました。その熱さは見応えありました。

 

レンタルで十分かと思いますが、観ておいて損はないと思います。