ファイヤーフォックス

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1976年のベレンコ中尉亡命事件にヒントを得たクレイグ・トーマスの小説を映画化した作品。原作は未読です。

 

ソ連が開発した新型戦闘機MiG-31"ファイヤーフォックス"。レーダーでは捉えられず、思考制御式火器管制システムを装備。最高速度はマッハ5以上。実戦配備されれば西側にとって重大な脅威となります。それに対し、米CIAと英SASは、ファイヤーフォックス強奪を計画。その任務に白羽の矢をたてられたのが、元空軍パイロットでロシア語に堪能なミッチェル・ガントでした。彼は、ソ連に潜入し...。

 

ベレンコ中尉亡命事件ば、当時のソビエト連邦の将校だったベレンコが、MiG-25迎撃戦闘機で函館に強行着陸し、アメリカへ亡命したというもので、ミグ25事件とも呼ばれています。ベレンコ中尉事件は、偶発的な要素も多い亡命事件ですが、原作小説は、西側から侵入した人物による戦闘機奪取作戦として物語を作っています。

 

で、本作に登場するMiG-31は、MiG-25の大幅な改良型で、高高度・高速の航空機の迎撃に特化したMiG-25に対し、低空進入する巡航ミサイルや攻撃機への対応能力を持つそうです。

 

原作がヒントにした事件が起こったのは1976年。41年前です。1976年の事件で亡命に使われたのはMiG-25で、本作で盗まれるMiG-31は1982年に国土防空軍に配備されたそうです。それから35年が経っているわけで、その間に、冷戦が終わり、ソ連が崩壊し、KGBも表舞台から姿を消し...。意外に短い期間で大きく世界が変わっていることを実感させられます。

 

戦闘機を奪うまでとその後で、ガラッと雰囲気が変わります。ソ連の将校が内輪で会話する場面で英語が使われていたり、ご愛嬌な部分もありますが、ガントが戦闘機で飛び立つ部分までは、結構、緊張感があり、引き込まれました。

 

最後の戦闘シーンは、本作が1982年の作品だということを考えると、かなり頑張っていることは分かります。そして、相当に迫力の出来栄えになっているとは思います。けれど、ちょっと間延びしてしまった感じが否めません。

 

生還するまでをきっちり描くのであればこの戦闘シーンでもよかったと思うのですが、本作の終わり方をするのであれば、基地でMiGに乗り込んで飛び立つところで終わった方が、物語としてはまとまった感じがしたのではないかと思うのですが...。

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