オペラ座の怪人 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]/ジェラルド・バトラー,エミー・ロッサム,パトリック・ウィルソン
¥3,990
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がストン・ルルーの同名小説を元にしたアンドリュー・ロイド=ウェバーの同名ミュージカルを映画化した作品。がストン・ルルーの小説は、1916年(ドイツ、日本未公開)、1925年(アメリカ)、1943年(アメリカ)、1962年(イギリス、日本未公開)、1988年(アメリカ、日本未公開)、1989年(アメリカ)、1991年(アメリカ)、1998年(翻案映画化 イタリア/ハンガリー)と8回映画化されています。2004年制作の本作は、原作小説というよりは、ミュージカルの映画版。
小説は未読、ミュージカルも、過去の映画作品も未見です。

1919年、パリ。かつて栄華を誇ったオペラ座も廃墟同然。僅かに残った備品や装飾品のオークションが行われようとしていました。当時のパトロンだったラウル・シャニュイ子爵とバレエ教師のマダム・ジリがペルシャの衣装を纏ったサルのオルゴールを競いましたが、ラウルの思い入れの強さが伝わったのか、マダム・ジリはあきらめ、オルゴールはラウルの手に渡ります。やがてオークションは、昔、天井から落下して大参事を引き起こしたシャンデリアへと移ります。道具方が修復したシャンデリアを天井へ吊り上げると、ラウルの記憶の中でシャンデリアは当時の輝きを取り戻し、劇場の天井に燦然と輝き、当時の記憶が甦ります。1870年、パリのオペラ座。プリマドンナが事故に巻き込まれて役を降ります。新人のバレエダンサーのクリスティーヌが代役をこなし舞台は成功を収めます。実は、オペラ座の地下には、音楽の才能豊かな怪人が住み着いていて、クリスティーヌに恋をした怪人は彼女に歌を教え、彼女を主役にするために劇場側を脅迫していたのです。ところが、クリスティーヌは、幼馴染で、新しくオペラ座のスポンサーとなったラウル子爵と再会し、恋に落ちてしまいます。怪人は、クリスティーヌを地下に隠れ家に連れ込みます。クリスティーヌは、そこで怪人のマスクに隠された醜い顔を見てしまい、怪人は怒り狂いますが、クリスティーヌは、そんな怪人に孤独にあえぐ哀れな魂を感じ取ります。幼くして親を失い孤独だったクリスティーヌは、姿を見せずに歌を教えてくれた怪人を"音楽の天使"と慕っていました。彼女を妻としようとする怪人を恐れながらも、彼の音楽には魅力を感じており、怪人とラウルの間で心が揺れ...。

豪華な舞台、大道具、小道具、衣装は、眼を楽しませてくれます。そして、耳に残る数々の名曲が心に響きます。クリスティーヌ、ラウル、怪人、この中心となる3人の中で、怪人の歌唱力に他の2人との明らかな差が感じられてしまうのは難点だったと思います。何たって、この怪人さん"音楽の天使"なのですから...。歌っていない時の怪人の存在感は良かったと思うのですが...。(見世物されていたという過去がしっくりこないイケメン振りとか、キャラクターから想像される姿より若すぎることも気にはなりますが...。)もっと重みのある力が感じられる歌声が欲しかったです。歌は無理に本人の歌唱にしなくても、吹き替えで良かったと思うのですが...。

そして、怪人については、見世物にされていたという生い立ちでどうやって音楽の知識を身に着けたのかという疑問も感じてしまいました。ここは原作の問題かもしれないですし、大人の対応をすべきところかもしれませんが...。

ミュージカル映画で、歌と映像に重きを置きすぎたのかもしれませんが、人物描写は物足りない感じもしますし、物語自体は単純で平凡な感じがしました。まぁ、オペラ座という舞台そのものと豪華絢爛で美しい映像と、何より、見事な音楽を楽しむための作品と言えるでしょう。家でDVDで観るより、音響設備の良い映画館で観たい作品です。

何かと"字幕問題"が取りざたされている作品でもあり、確かに、それ程、英語力があるわけでもない私でも違和感を覚える部分があり、引っかかりました。字幕で"ファントム・オブ・オペラ"って変ですよね。"ジ・オペラ"でないと"オペラ座"ではなく、ただの"オペラ"だし...。時にファントム、時に怪人というのも気になりますし...。

と、何だかんだと気になる部分はありましたが、それでも、これだけお金がかかっていそうな映像を気軽に楽しめるというのは有難いことです。

自分でも歌ってみたい曲もいくつかありました。まずは、クリスティーヌが父親のお墓の前で歌う"もう一度姿を現して"に挑戦したいと思います。


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