マイ・ボディガード [DVD]/クリス・メイクピース,アダム・ボールドウィン,マット・ディロン
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シカゴのハイスクールに転校してきたクリフォードは、ムーディの脅しに屈しなかったことから、彼が率いる不良少年グループのいじめの対象になってしまいます。一計を案じたクリフォードは、しばらく休校していたため、年齢が上で大柄で、人を殺したことがあると噂されて恐れられていたリンダーマンにボディガードになってくれるよう頼みます。ボディガードの件は断られますが、徐々に、2人は、親しくなり、ムーディたちは、クリフォードに近付かなくなります。クリフォードはリンダーマンが中古部品を集めてオートバイを作っているのを知り、部品集めを助け、2人の仲は急速に深まりますが...。


銃社会、アメリカの悲劇的な面や、公立高校の問題点も取り入れられたりしていますが、あくまで、正統派青春映画。予定調和的な結末に収束していきますし、まぁ、どこかで観た感ありありですが、清々しく爽やかな後味を残す佳作だと思います。


クリフォードの家族が、一癖、二癖あってユニークです。特に、お祖母ちゃん。かなりやんちゃでぶっ飛んでいて、それでいて、出会ったばかりのリンダーマンの痛みを感じ取る辺り、さすがの年の功。人間的な深みを感じさせてくれます。お父さんも、女性の宿泊客を口説いたり、クリフォードの覗き見を咎めるどころか一緒になって楽しんでいたり、この母にして、この息子アリな感じです。それでも、それぞれの間に、本物の愛情があることは感じられ、このはみ出し感も嫌味にはなっていません。


リンダーマン役のアダム・ボールドウィンも、そして、本作ではあまり目立たない存在ですが、クリフォードの友人を演じたジェニファー・ビールスも、ジョニー・キューザックも、本作がデビュー作とのこと。アダム・ボールドウィンが、最初、ヌーボーとした感じで登場し、徐々に、感情を見せるようになり、少年らしい面も覗かせ、魅力的になっていきます。そして、敵役、ムーディを演じた若き日のマット・ディロンも印象的。嫌らしく憎たらしい不良を見事に存在させています。


そう、多少体は大きくても、子どもは子ども。少々、ナイーブで、お坊ちゃまでも、意外に、生き抜く知恵を養えるもの。若々しい友情を築いていく高校生たちの姿には、瑞々しさが感じられ、青春時代の随分先に来てしまった身としては、観ていて嬉しくなります。


一度は観ておきたい作品です。