ワン・デイ 23年のラブストーリー [DVD]/アン・ハサウェイ,ジム・スタージェス,パトリシア・クラークソン
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1988年7月15日、真面目なエマと自由奔放なデクスターは、大学の卒業式で初めて言葉を交わします。すぐに意気投合した2人はお互い惹かれ合いながらも、そのまま恋愛に発展することはありませんでした。1989年には、エマはロンドンで暮らし始めていました。1990年、デクスターはパリでの生活を謳歌していました。1992年、2人きりで旅行に出かけました。1994年、家族とのトラブルに頭を悩ましたデクスターはエマに電話をしますが、その時エマは別の男性と会っていました。1996年、久しぶりに会ったものの、2人の気持ちはすれ違っていきます。2000年、友人の結婚式で2人は再会。エマとデクスターは、すれ違いながらそれぞれの人生を歩んでいき...。


1988年から23回の7月15日が描かれます。23年という年月。初めて出会ったのが大学の卒業式ですから、1回目が22歳、23回目が44歳くらいということになるのでしょう。


出会い、恋しあい、スレ違い、愛もあり、裏切りもあり...、まぁ、どこかで観たようなラブストーリーではあります。もっとも、多くの人にとって普遍的な人生の課題である恋愛をテーマにした作品は多く、様々な切り口で語られ続けてきたテーマに今更新しい味わいを出すのも難しいのでしょうけれど...。


本作の場合、観せ方は巧かったと思います。特定の日付を取り上げていくことで、大した成長も変化もないような1年も積み重ねていけば大きな変化になっていく様子が2時間弱の時間に無理なく纏められていると思います。1つ1つのエピソードが薄味になった感は否めませんが、こうした構成であれば、その点もほとんど気にはなりません。


デクスターのロマンスの顛末がしっかり描写されていたのに比べ、エマのロマンスの描写が薄かった辺り、ややバランスが欠けた感じがして残念。


そして、デクスターが、娘とともにエマとの想い出の丘に登るシーン。エマへの想いと娘への愛が感じられるシーンで胸に沁みるものがありました。ここでラスト...だった方が良かったような...。


何よりも残念だったのは、何故、エマがそれほどまでにデクスターに惹かれたのか、その点が分かりにくかったこと。デクスターもコメディアンもかなりダメダメで...。エマはダメな男性に惹かれるタイプだったってことなのでしょうか...。


そこそこ楽しめる作品ではありますが、レンタルのDVDで1度観れば十分だと思います。