ザ・ファイター
テーマ:DVD- ザ・ファイター コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]/マーク・ウォールバーグ,クリスチャン・ベール,エイミー・アダムス
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実在した兄弟ボクサーの物語。
マサチューセッツ州、労働者の街ローウェルに、性格もファイティングスタイルも全く違うプロボクサーの兄弟がいました。兄のディッキー・エクランドは、かつては実力派ボクサーとして活躍、現在は弟のトレーナーをしていましたが、数年前に手を出した麻薬に溺れていました。ディッキーの影響でボクシングを始めた異父弟ミッキー・ウォードは、ディッキーとマネージャー役の母アリスの言いなりで、彼らが組んだ明らかに不利なカードで一勝もできず、不遇の日々を送っていました。ある日、ミッキーはバーで働くシャーリーンと出会い、恋に落ちます。そんな中、ディッキーが窃盗の現行犯で逮捕され、ミッキーの父は息子の将来を案じ、別のトレーナーに話をつけ、ミッキーは家族と決別、シャーリーンと共に新しい人生へと旅立つ決意をしますが...。
母には母なりの、兄には兄なりの愛があったとことは確か。けれど、家族の愛は愛を注ぐ側に自分の愛への疑いがないだけに、独りよがりなものになることがあるし愛を注がれる側を傷つけることがあるもの。そして、親は子どもたちを等しく愛しているつもりでも、子どもたちが不公平を感じ、不満をため込んでいるということもよくあること。家族だから分かってくれるはず、伝わっているはず、そんな信頼感や甘えが誤解や行き違いをうむのかもしれません。
さらに、家族であるがゆえに、自分のために動いてくれてもよいだろうとの期待をかけてしまうことが問題を複雑にしてしまうのかもしれません。ディッキーや母は、ミッキーにとって不利な対戦相手の変更に際し、ミッキーのためを考えれば、試合を断るべきだったのでしょう。けれど、彼が家族であったから、それでもやってくれるかもしれない、それくらいやってくれてもいいのではないかと期待してしまったのかもしれません。
その点では、シャーリーンの愛は、他人であるが故に、より、ミッキーに寄り添った愛となり得たのかもしれません。最初は、ディッキーや母の愛とシャーリーンの愛はすれ違います。ミッキーの家族とシャーリーンがぶつかり合う場面もありますが、なかなか激しいです。嫁VS姑・小姑は、やはり、万国共通の図式。まぁ、一人の男性を巡るオンナたちの戦いなわけですから...。
それでも、最初はぶつかり合っても、どちらもが本物であれば、いずれ分かりあえる時がくるもの。ミッキーが試合に勝利した要因にディッキーのアドヴァイスがあったことを告げるシーン、にディッキーがシャーリーンを訪ねる場面が印象的です。
すれ違い、やがて受け入れ合うことができた家族の愛が伝わってくる作品になっています。実話をもとにした作品で、エンドロールには、現在のミッキーとディッキーも登場しますが、そこにも、確かな兄弟の愛情を感じることができました。
ただ、映画作品としては、ドキュメンタリー的な味わいが強くなってしまっていて、フィクションとしては、盛り上がりに欠ける作品になってしまったような感じもします。もう少し、映画作品としてのドラマを意識した演出があった方が感動できたような気がします。その点で、少々、物足りなさは感じました。
ベタな感じはするけれど、それなりに楽しめる作品だとは思います。






