スラムドッグ$ミリオネア

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イギリス発祥で、世界的に人気のあるクイズ番組、「クイズ$ミリオネア」。インドのスラム出身の青年、ジャマールが、出演し、次々と正解を出していきます。そして、あと1問で最高賞金、2000万ルピーを手に出来るというところで、その日の放送は終了、続きは翌日に持ち越されます。しかし、ジャマールの不正を疑った番組の司会者が警察に通報し、詐欺容疑で逮捕されてしまいます。ジャマールは、警察署での厳しい尋問に対し、正答を知っていたわけを話し始め...。


世界各国でローカライズされている人気番組「クイズ$ミリオネア」。クイズに答えることで大金を手に入れる。まさに、一攫千金の世界。2000万ルピーという金額の凄さが今ひとつ実感できない部分はありますが、少なくとも、1000ルピー札を見たことがない彼にしてみれば、相当な大金であることは間違いありません。


ジャマールは、彼の悲惨な過去から、クイズの答えを導き出します。辛く苦しかった幼い頃からの道のり。けれど、その過程は、大金を獲得するための大きな手がかりとなりました。けれど、最後の最後で問われたのは運。まさに、天に運を任せ、回答を口にします。


結局は、運がすべて...ということなのでしょうか。まぁ、元々、ジャマールが答えられる問題が多く出題されたこと自体、運が良かったから、なわけですが...。何事も運命。ジタバタしても始まらない。与えられた運命の中で誠実に生きていれば、いつか、報われる。大きな幸運を手に出来て万歳!メデタシメデタシで、文句なし!といったところでしょう。


インドのスラムやストリートチルドレンの問題、社会的な格差の問題、異なる宗教の間での深刻な争い、警察による暴力...様々な社会問題が描かれますが、そこが深められることなく、あくまで"娯楽"に徹した作りとなっています。"娯楽作品"であることを貫いたことで、詰め込み過ぎな感じになることを避けられたのかもしれません。


大きな社会問題を背景にした過酷な生い立ちの中で、一人の少女への純粋な愛情を貫いた真面目な青年であるジャマールだからこそ、運命の女神が微笑んだ...ということなのかもしれません。


そして、エンドロールの踊りは、「これぞ、インドの映画!」といったところ。突然、沢山の人が出てきて歌って踊るのが、多くのインドの娯楽映画の特徴。製作は「アメリカ、イギリス」なわけですが、この辺り、インドの味をしっかり出していたと思います。


間違いなく面白かったです。期待されるような流れに沿ったストーリーになっていましたし、ご都合主義的な部分も目立ちますし...。けれど、なるようになっていったことを素直に喜ぶことが出来ます。前半は、クイズ番組、ジャマールの子ども時代のエピソード、警察の取調べの三つのストーリーが同時に進行していきますが、上手く整理され、混乱せずに観ることができました。


今後、長く印象に残る作品かというと疑問も残りますし、ちょっと問題が簡単すぎたようにも思いました。けれど、悲惨な状況の中での子どもたちの屈託のない笑顔、逞しさ、そして、ラストまで駆け上がる疾走感。上映時間中を十分に楽しめる娯楽作品となっていると思います。


観ておいて損はない作品だと思います。



公式HP

http://slumdog.gyao.jp/



スラムドッグ$ミリオネア@映画生活

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