ブラッド・ダイヤモンド

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ディカプリオが、見事な演技で光っています。


アフリカのシエラレオネ共和国では、闇でのダイヤモンドの取引が盛んに行われていました。反政府軍組織であるRUFに襲われて連れ去られ、闇ダイヤの採掘場で強制労働を強いられていたソロモンは、作業中に大粒のピンクダイヤを発見します。ソロモンは、家族との生活を取り戻すため、命をかける危険が待っていることを知りながら、それを自分のものにしようとしますが、その、直後に政府軍によって捕らえられてしまいます。一方、刑務所でそのピンクダイヤの話を聞いたダイヤ密売人、アーチャーは、そのありかを聞き出すために、ソロモンとの接触を図り...。


富を生み出す物があれば、そこに、様々な思惑や欲望を抱えた人々が集まります。そして、多くの血が流され、悲劇が生まれ...。富の輝きの裏には、暗い闇が潜むもの。そして、アフリカの大地は、多くの物を生み出してきました。象牙、金、石油、ダイヤ...。


そして、それらを、より安価で手に入れようとする時、武器を売ることを思いつく人々がいる。いくらでも作れる武器を、軍にとって古くなり廃棄したいような武器を有効活用することもできて、高価な資源をてい入れるための財源ともなる武器。そして、大量の武器がばら撒かれ、使われる...。


闇で行われる取引は、特定の人々に莫大な富をもたらします。その富の一部でも自分のものにするために、そこに、群がる人々...。その動機は、富であったり、名誉であったり、正義であったり、愛であったり、憎しみであったり...。人間の欲の深さ、業の深さといったものを実感させられます。


この問題は、「ダイヤを買わない」ということだけで解決できるものではないでしょう。国によっては、このダイヤこそ、外貨を得る最大の手段だったりするわけで、ダイヤが売れなければ、ますます貧しくなる国も少なくないはず。けれど、ダイヤが魅力的な富である限り、それを不正な手段で手に入れ売買しようという動きも止まらない...。


そして、問題はダイヤだけではありません。コーヒーも、低賃金で酷使される労働力の犠牲の元に我々の元に届いているものがほとんどなわけですし...。世界には、莫大な富を元に、さらなる富を手に入れようとする人々がいて、その一方に、一粒の小さなダイヤよりも、いや、一杯のコーヒーよりも、その命が安く扱われている人々がいるわけです。ダイヤは高く売れ、安い労働力は簡単にいくらでも手に入る。だから、ダイヤを掘り出す側は、ダイヤをくすねようとした者の命を奪うことに、何の躊躇もない...。


アフリカの抱える闇を描き出したというところは評価できる作品だと思います。けれど、ストーリーとしては、アーチャーとソロモン、アーチャーと女性記者の接点、あれだけの弾丸の雨あられの中を主人公たちがほぼ無傷で生き残ることなど、ご都合主義な面も目立ちました。


それと...。ソロモンの「息子を助けられないなら、死んだほうがマシ」というセリフ。娘だったら、どうだったのでしょう?多分、ソロモンがあそこまで頑張ったのは、たった一人の息子だったからなんですよね...。と思ってしまったりして...。


派手なアクションの娯楽作品という部分とシリアスな社会派作品という部分のバランスが悪かったような気もします。


そして、ラストは、綺麗にまとまりすぎている感は否めませんでした。まぁ、こうでもしないと、救いがないということなのかもしれませんが...。


題材は良かったと思いますし、ダイヤを巡る人間模様も設定としては上手かったと思います。ディカプリオも良かった。もっと、傑作に仕上がった可能性がある作品だと思います。それだけに、展開のご都合主義とラストの安易さは残念でした。


ダイヤの密輸で名を挙げた主人公が、改心(?)し、ダイヤのために苦しんだソロモンを救うために自分の命を犠牲にする...。アフリカ大陸を傷め続けてきた白人たちの贖罪の映画、といったところでしょうか?



公式HP

http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/



ブラッド・ダイヤモンド@映画生活
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