プラダを着た悪魔

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業界にこの人ありと知られた凄腕の一流ファッション雑誌「RUNAWAY」の名物編集長、ミランダ。大学を卒業したばかりで、ジャーナリストを目指しているアンドレアは、就職活動が思うようにいかず、取り敢えずキャリアを作るために応募したファッション雑誌の編集長のアシスタントの職を得ることになります。ファッションに全く興味のなかったアンドレアですが...。


それにしても、ミランダを演じるメリル・ストリープの圧倒的な存在感は見事!公私混同のやりたい放題、傍若無人ぶりも、「これだけの人なら、ここまで我が儘でも仕方ないかも...」と思わせてしまう力技の演技でした。そして、次から次へと着る有名ブランドの服の数々に飲み込まれない迫力。何を着ても、どんなものを身につけてもメリル・ストリープはメリル・ストリープ。プロとしての確かな実力を発揮し続け、妥協を許さないミランダとメリル・ストリープの磨き上げられた演技力が重なります。


アンドレアの姿は、かつて、社会人一年生だった頃の自分自身の姿とも重なる部分があり、懐かしさが感じられる部分もありました。恐らく、多くの人が通った道のハズ。幼い理想と大人の社会の現実の間にあるあまりに深い溝への苛立ち。そして、現実へ立ち向かっても壁を破れない焦燥感。力も未熟で実績もないけれど、一方には、確かな裏づけのないプライドも。


けれど、アンドレアは、周囲の人たちに助けられながら、次第に、プロとしての仕事をこなすようになります。やがて、ミランダに認められるようになり、先輩のアシスタントを追い越すまでになりますが、そこで、アンドレアに転機が訪れます。初心に帰り、当初の目標を思い出したアンドレアは、ミランダの元を去り...。


相当の努力を重ねた結果、ミランダに認められるようにあったアンドレアが、本来の自分を取り戻し、ミランダの元を離れる決意を去る辺り、アンドレアも負けていません。これだけ強烈なミランダに飲み込まれることなく、元来の夢に立ち返ったアンディの強さも清々しかったです。ミランダから、学ぶべきことはしっかり吸収し、自分の道を歩き出します。


自分の地位を守るためには各方面と裏取引も辞さないミランダ。そのために、ミランダに貢献してきた人たちさえも翻弄されます。そんな大変な思いをしながらも、ミランダの元で仕事を続ける人たちの中で、アンドレアは、ミランダにとって、新鮮な存在だったのかもしれません。自分の存在に影響を受けながらも、その中で、自分のすべてを見失いことはなかったアンドレアだからこそ、その実力を認めざるを得なかったのでしょう。


どれだけ自分中心的でも、認めるべきものは認める。評価すべきところは評価する。それが、ミランダのプロたる所以なのでしょう。ミランダがアンドレアに与えた大きな賛辞が爽やかなラストでした。


いや、ちょっと、待て...。考えてみれば、アンドレアも結構、身勝手だったりして...。相手にかなり失礼な理由で「RUNAWAY」の仕事に応募し、きちんと勉強もせず文句タラタラ。それでも、仕事の面白さに目覚め、彼氏や友人たちをないがしろにする。彼氏と別れ、仕事に関して救いの手を差し伸べてくれ、これからもキャリアに役立ちそうな男性との交際を始め、目が醒めて、元彼のところに戻ってくれば、元彼からはすんなりと受け容れられ、希望の仕事も得る。結局、何もかも思い通りに手に入れたのは、アンドレアなワケです。まぁ、現代の働く女性のための御伽噺なのでしょうが、あまりに都合が良すぎる展開ではあります。


それにしても、ベタなストーリーです。特に意外性もなく、先が読める展開ではあります。けれど、ワーキング・ウーマン向けの成長物語として良くできていたと思いますし、特別にファッションに興味のない私も、次から次へ登場する服やバッグや靴などの数々を楽しむことができました。


そして、やはり、出演者たちの演技力。レントで素晴らしい歌声を披露していたトレイシー・トムズもアンドレアの親友役で出演していました。今回は、歌もなく、画面に出ている時間も少なかったのですが、なかなか印象的でした。


ただ、一点。本作の題名は、「プラダを着た悪魔」ですが、ミランダは、プラダを着ていました?それとも、他にプラダを着た悪魔がいました?


そして、最初の方で、「太っている」とバカにされるアンディがどこからどう見ても全く太っていない辺り、「それで、デプなら、私は一体どうすりゃいいの?」って感じなワケで...。あぁ、耳が痛い...。



公式HP

http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/



プラダを着た悪魔@映画生活
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