好きだ、
テーマ:映画時間の流れの作り方が特徴的な作品でした。
ユウとヨースケは高校の同級生で、ともに17歳。ヨースケは、いつも放課後に川辺でギターを弾き、それを聞いているユウはメロディーを口ずさみます。ユウには姉がいて、半年前に恋人を亡くしています。そんなユウの姉をヨースケも心配し、ユウにその様子を尋ねたりします。時々、二人で会うようになるヨースケとユウの姉。ヨースケとユウの姉が待ち合わせをしたある日、哀しい出来事が起こります。そして、17年後、偶然に再会したユウとヨースケは...。
高校生だった二人のぎこちなくもどかしい会話。青春の恋の痛々しいほどの切なさが伝わってきます。
時には、まどろっこしい感じのするゆったりとした時間の流れ方なのですが、不思議とイライラせずに観られるのは、本当に伝えたいことを伝えられずにいるもどかしさや、何とか伝えたいと思う息苦しくなるような緊張感を画面に感じられるからかも知れません。語られる言葉は少ないのですが、その裏側にある心の中に溢れんばかりの想いが見えてくるような映像でした。
青春時代のナイフの刃のように時には人を傷つけてしまうようなピュアな想い。そして、社会の波をくぐりながら生きる方法を身につけた大人になったからこそ、できる会話。そして、口に出せる「好きだ」という言葉。そこには、長いときを経たからこそ出た言葉の重みが感じられます。やはり、17年の歳月を経て大人になった二人には、確実に成長の跡が見られます。
未熟でぎこちなかった青春時代を見つめる視点も、大人になってからも二人を見つめる視点も暖かく、その間にある17年の時の流れが無駄なものではなかったことを感じさせてくれます。青春時代から大人の時代への移行が「純粋さが失われる過程」としてではなく「成長の過程」と捉えているような印象を受けました。そこのところが、胸に響きました。
少々、クセのある作品ではありますが、良質な青春映画になっていると思います。
[以下、ネタバレあり]
ヨースケがユウの姉を想っていたのか、ユウを想っていたのか、前半部分では、その辺りが、ちょっと微妙な感じがしました。ヨースケとユウの姉の関係が、ちょっと分かりにくかったのですが、高校時代、ヨースケがユウの姉の話題をよく持ち出していたのは、単に、他に話題を見つけることができず、話題として考え付きやすいからだった、ということなのでしょうか。
ユースケが自動販売機に雑誌を買いに行くところとか、それを見てしまったユウの表情とか、青春の描写が心憎かったです。
公式HP





1 ■ヨースケと姉の関係
TBありがとうございます。
ヨースケと姉の関係、わたしも微妙だなーと思いました。でもやっぱり、あれはヨースケの話題作りだと思います。そこのところがユウも捉えることができず、姉との約束を取り付けてしまったりしたんでしょうね。健気だ・・・。そのなんともいえないまどろっこしさが、まさに青春って感じでいいですね。
年月が経って初めて、あれは話題作りだったんだ、と気付くものなのでしょう。