ジャマイカ 楽園の真実
テーマ:映画ジャマイカの現状を追ったドキュメンタリー作品。原題は「Life and Debt」、つまり、生と借金です。ここでの「借金」とは、国が国際機関から借りた開発のための資金のこと。
南国の楽園ジャマイカ。燦々と降り注ぐ陽の光。どこまでも青く美しい海。夢のような豪華なホテル。そんな中で過ごす夢のようなひと時を求めて欧米からバカンスのためにやって来る観光客たち...。
しかし、地上の天国のようなジャマイカには、貧しさに押しつぶされそうになってる人々が数多くいます。国は、世界銀行やIMF(国際通貨基金)などの国際機関から多額の借金を抱え、その借金のために、国際機関から要求される輸入品への関税の撤廃や市場の自由化などを受け入れざるを得なくなります。国自体も小さく、国際的な競争力をもてない国内の産業は廃れ、ますます輸入に頼らざるを得なくなり、さらに国内の産業が廃れ...。悪循環が止まらず、膨大な利息の支払いに国家財政は圧迫され、教育や福祉にかける予算は削らざるを得ず...。
豊かな国々がいかにして、貧しい国々から富を吸い上げているか、その一端を見せ付けられました。この貧しい国から富を吸い上げるシステムは、「貧しい国の国民のため」という名目で美化されますが、結局、富を得るのかアメリカ。
映画の中でインタビューをされているIMFの担当者は「ジャマイカで真面目に働く労働者が、他の国々の労働者と同じようにマクドナルドなどの商品を食べる権利がある。」と言います。しかし、そうしたアメリカ資本の大企業は、地元で生産される食材を利用しようとはせず、すべてをアメリカから輸入します。結局、アメリカの農家、アメリカの企業が収益を増やすだけ...。
雇用の場を増やすために国際機関から借金をして建設した工場でも、外国資本の企業が、材料も機器類もすべて、自国からの持込み。ジャマイカ人の労働者は、単純な加工作業をするだけ。厳しい労働条件の下、搾取されていきます。
地球規模で進められているグローバリゼーションの暗部が描かれている作品で、かなり重いのですが、一方で、ジャマイカの人たちのたくましさを感じられる場面もありました。アメリカ発のアメリカの側から見た情報ばかりが流れてくる私たちの社会。別の方向から見ると全く違う世界が見えてくると言うことを実感した作品でもありました。
この映画を観ると、日本が如何に金持ちで、私たちの生活が豊富な物質に囲まれているかを実感させられます。何だかんだいっても、豊かな国である日本にいて、豊かさを享受している者として、是非、見ておくべき一本だと思います。
公式サイト
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