モディリアーニ~真実の愛

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画家、モディリアーニの晩年(と言っても、36歳の若さでなくなった人なので、33歳以降くらいなのですが)を描いた作品です。ただ、映画の冒頭には「この作品には実在の人物が登場するが、ストーリーは創作であり、遺族や関係団体等とは何の関係もない」旨の断り書きがありました。必ずしも事実を描いていない(あるいは、「事実を描いている」と受け止められては困る)ということなのでしょう。


モディリアーニとモディリアーニが亡くなる2、3年前頃にモデルとなり、後に妻となったジャンヌの愛情物語を軸に、モディリアーニとその周辺の人たち、ピカソ、ユトリロ、キスリング、スーチンといった画家、画商のズボロフスキーとの関係が描かれています。


歴史的な事実としては...

モディリアーニとジャンヌが出会ったのは1917年。生前に一度だけの個展が開かれたのも1917年。モディリアーニの代表的な作品となる絵画のほとんどが描かれたのが1916年から1919年。そして、1920年の1月に死去。そして、ジャンヌは、モディリアーニが亡くなった2日後に妊娠9カ月の身で投身自殺しています。

この辺りの基本的な流れは、概ね実際の流れに沿った形で描かれていました。


ジャンヌを演じたエルザ・ジルベルスタインは、モディリアーニの描く女性のイメージにぴったりでした。ただ、ジャンヌがモディリアーニを、何故、それほどまでに愛したのか、今ひとつ、理解しにくかったです。


ピカソとの間の愛憎混じり合った、ライバル関係とか友人関係とか単純には言い現せないような微妙な関係も、なかなか興味深かったです。(この辺りは虚実混ざっているところかも知れませんが。)


モディリアーニの破綻した生活振りについても、若く、なかなか社会に認められない芸術家の苦悩、といったものがあったことは想像できますが、その背景にあるものについては、あまり描かれておらず、そのために、荒れた生活振りに共感を持ち難い面もあったような気がします。一方、モディリアーニの少年時代と思しき少年が登場し、その幻の少年とモディリアーニのやり取りする場面が、ところどころに挟まれていたのは、モディリアーニの内面の表現として成功していたと思います。


「彼と一緒でなくては生きていけない」と言い切ったジャンヌの愛情の深さについても、今ひとつ、感情移入しにくかったです。私が本当の愛を知らないということでしょうか?


全体としては、少々、消化不良な感じでした。


最後、ジャンヌは自殺し、赤ん坊だった長女が取り残されるわけですが、後に、父親であるモディリアーニの伝記を書いています。母親に捨てられた形となってしまった彼女が、父親への愛情を感じられる伝記を書いているところを見ると、なるほどその両親の間にあったのは真実の愛かも知れないとも思うのですが...。


ジャンヌ・モディリアニ, 矢内原 伊作

モディリアニ 新装版―人と神話



公式HP

http://www.albatros-film.com/movie/modi-movie/index.html



モディリアーニ~真実の愛~@映画生活

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