天使

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外交官の妻、マリアは、多忙な夫の目を盗み遊びに行ったパリで魅力的な紳士、アンソニーと出会います。けれど、彼は夫の知り合いで...。

 

大人な物語でした。あからさまに感情を波立たせることはないけれど、密やかに想いを伝え合い、スリリングに物語が進行していきます。

 

アンソニーが花束を渡せなかったことが花屋の反応で伝えられたり、観る者にとって気になる3人の昼食会の雰囲気がその場面を映さず、下げられた皿で表現したり、不倫を確信するきっかけが、棚に放置された電話機から聞こえてくるピアノの音だったり、唸らされるような印象的な描写が多く、そんなところも大人な感じでした。

 

そして、何と言っても、マレーネ・ディートリヒの美しさが印象的です。

 

1937年の作品だということを考えると、不倫を悪として切り捨てる感じのない本作が、公開当時、どう受け取られたのか、気になったりもしますが...。

 

誰かを責めることもなく、しっとりとした、けれど、うじうじしない大人の恋。こんな不倫だったら、“文化”と言えるのかもしれません。

 

一度は観ておきたい作品だと思います。

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デビル

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8歳の時にIRAシンパだった父を眼前で殺されたフランシス・マグワイヤーはアイルランド独立運動に身を投じます。SI5(英国秘密調査局)に襲撃され、仲間の大半を失った彼はローリー・ディヴァニーという偽名でNYに渡ります。IRAシンパのフィッツシモンズ判事の手引きで、NY市警察官トム・オミーラの家に下宿することになります。トムは勤続24年、正義感に厚く真面目一筋。優しい妻シェイラ(マーガレット・コリン)と3人の娘に囲まれ、幸せな生活を送っていました。トムはローリーを祖国から来た純朴な青年として、家族同様に迎えます。けれど、ローリーは同志ショーンと共に英国軍への大規模な反撃のための武器の調達に動いていて...。

 

フランシスとトムは同じアイルランド人で、2人の間には、基本的には、故郷を離れた同郷の者同士としての連帯感があります。けれど、一方で、立場は真逆。IRAの闘士として戦いの準備を進めるフランシスと警察官として正義を守る立場にいるトム。

 

物語の中心となる2人、フランシスをブラッド・ピット、トムをハリソン・フォードが演じていて、まさに豪華共演です。その点においては見応えありますし、若き日のブラッド・ピットの姿は輝いていて、やはり、惹かれるものがあります。けれど、残念ながら、それだけな感じが否めません。

 

幼い頃に目の前で父親を殺された子どもの痛み、どうしようもなく泥沼化した独立に向けての戦い、殺し合いの中に身を投じるしかなかったフランシスの遣る瀬無さが今一つ伝わってきません。フランシスの二面性という部分を強調するなら、"天使"な面と"悪魔"な面の両面を丁寧に描く必要があったと思うのですが、そこも薄かったです。父が殺される場面に居合わせたことについても、戦わざるを得ない事情についても、ほぼセリフで簡単に語られるのみで、丁寧な心情の描写がされていないからかもしれません。

 

フランシスとトムとの関係性についても描き方が弱く、2人の敵対する立場が明確になってからの"悲劇"が今一つ心に響いてきません。

 

フランシスの仲間が安易に絶滅してしまったりというのも本作全体の印象を薄くしてしまっていると思います。

 

折角の"豪華共演"が勿体ない感じがしました。

 

 

 

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シティヒート

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1933年のアメリカ、カンサス・シティー。禁酒法のために、かえってギャングが街にのさばっていました。頑固なスゴ腕のスピア警部と元警察官で私立探偵のマイク・マーフィーは、同期だった警官時代から犬猿の仲。マーフィーの相棒で、以前から探偵家業から足を洗う機会を狙っていたデールは、暗黒街の大物、コルから秘密の帳簿を盗み、もう一方の大物、ピットに売りつけると脅迫して、それぞれから大金を巻き上げることを計画しますが...。

 

残念ながら、クリント・イーストウッドとバート・レイノルズという当時、最も稼いでいた俳優の2人が共演したということが話題となった、そして、それ以外にはどうということもない作品...という感じでした。

 

よくあるような、反発する2人がいがみ合いながらも協力してことを解決し和解するとか、何だかんだ言って信頼しあっている2人の友情物語というよくあるパターンのパロディを狙った感じはするのですが、笑える感じでもなく...。

 

イーストウッドはクールでカッコいいのですが、いくら何でも無敵すぎるし...。少し、隙や弱点のようなものが見えてこないと、物語としての面白みは出ないような...。まぁ、銃撃戦で、銃弾がヒーローを避けるのはお約束事だとしても、当たらなすぎ。そんなに長く撃ち合わなくてもよいでしょうし、もっとそれっぽくしてもらいたかったような...。

 

流石に2人の演技は見応えあるのですが、イーストウッドのクールな雰囲気とレイノルズのコミカルな味わいのバランスが巧くとれておらず、作品全体が中途半端な感じになってしまっています。折角の大物2人のキャラクターが物語の中に生かし切れていなくて、勿体ないです。

 

この後、俳優としても監督としても着実にキャリアを積み、押しも押されぬ存在になっていくイーストウッドと、定期的に映画に出演はしているものの本作の14年後、1997年の「ブギーナイツ」以外はぱっとしないレイノルズ。この後に2人の道が分かれていくのかと思うと感慨深いものがありますが...。

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タイトロープ

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ニューオリンズ警察の刑事ブロックはフレンチ・クォーター街の連続娼婦殺害事件の聞き込みのため、毎晩、街に行き様々な女たちから事情を聴きます。それだけではなく、彼女たちと異常な行為で関係を持っていきます。ところが、ブロックが聞き込みをした娼婦たちが次々と殺されていき...。

 

ブロックの身辺に危機が迫ってくる辺り、ハラハラさせられるものはあったのですが、全体としては、特に印象に残らなそうな作品でした。

 

けれど、犯人に辿り着くまでの過程には無理矢理感も漂い、今一つ、作品の世界に入り込めません。

 

かなりピンク系のイーストウッドですが、それが似合っているかどうかとなると微妙...、というより、違和感ありました。

 

こうした特定の対象を執拗に狙う犯罪の場合、犯人の側にそれなりの理屈が欲しいところで、そこが十分に伝わってこなかった点も本作の弱さなのではないかと思います。

 

刑事(鑑識?)が、素手で証拠品を扱うのは気になりましたが、当時はそんなものだったのでしょうか?

 

いかにもニューオリンズな音楽は良かったし、作品全体を包み込むじっとりした湿度の高い感じもそれっぽくて良かったのですが、映画作品としては残念でした。

美しい星

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三島由紀夫の同名小説を基にした映画。原作は未読です。

 

平凡な家族、大杉家。ある日、当たらないと評判の気象予報士の父、重一郎は火星人、フリーターの長男、一雄は水星人、美人であることにコンプレックスを持つ女子大生の長女、暁子は金星人として覚醒します。彼らは、地球を救う使命があると信じ、それぞれに行動を起こしていきます。母の伊余子は地球人のままで、"美しい水"を売るネットワークビジネスにはまっていきます。そんな一家の前に黒木という男が現れ...。

 

原作からかなり大胆に翻案された部分もあるようです。

 

原作は1962年に発表された作品で、55年も前のSF小説。正直、三島由紀夫原作のSF小説と聞いた時は意外な感じがしたのですが、1955年に設立された日本初のUFO研究談大である"日本空飛ぶ円盤研究会"にも参加していたとのこと。今回の映画化で初めて知りました。

 

原作は、核戦争による地球滅亡の危機を扱ったようですが、本作では、地球温暖化に変更されています。一瞬にして多くの命が奪われる核戦争が長い年月をかけて人類が生存しにくくなる環境に変わってしまうかもしれない地球温暖化に変更されたことで、切迫感が薄れたのかもしれません。余命僅かという重大な病気ではなく、生活習慣病で死に至る人の闘病の物語を見せられているような感じ...でしょうか...。

 

それはそれで悪くはなかったと思うのですが、結局、最終的には、"ボタン"を押すかどうかで地球を滅ぼすかどうかというハナシになって、"余命僅か路線"に行ってしまった辺りは中途半端な感じもしました。

 

使命には目覚めても特殊な能力を発揮出来るようになるワケでもなかった大杉さんたちが本当に"宇宙人"だったのか否かは明確には示されません。何だかよく分からないようなところもあったり、あちこちに放置されたまま終わってしまう伏線もあったり、無理矢理なところもあったりするのですが、全体としては不思議と惹かれるものがあります。

 

しょうもないことを信じてしまったり、信じたことに裏切られたり、現実からずれてしまったりする人間の愚かさや哀しさ滑稽さに対して注がれる視線の温かさに心地よさを感じるのかも知れません。

 

バラバラだった家族が、"覚醒"後に家族として再生していくあたりも皮肉と言うかなんというか...。

 

何が本物で何が偽物なのか、何が正義で何が悪なのか、何を信じるべきで何を疑うべきなのか...。確かなことなど誰にもわからないかもしれませんが、それでも、いえ、それだからこそ、人生は愛おしいものなのかもしれません。

 

重一郎役のリリー・フランキーが、しょうもないオジサンを奇妙に可愛らしくコミカルに描き出していて、黒木役の佐々木蔵之介はあまり表情を動かさず、ほとんど瞬きさえせず、静かに強烈に不気味さを漂わせていて、それぞれ、特に印象的でした。

 

観終えて狐につままれたような気分になりますし、観たものを消化しきれない時のような落ち着かなさが残りますが、それでも、面白く観ることができました。観ておいて損はないと思います。

 

 

公式サイト

http://gaga.ne.jp/hoshi/

 

ペット

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舞台はニューヨーク。犬のマックスは、大好きな飼い主のケイティと最高に幸せに暮らしていました。ところが、ケイティが大型犬デュークを新たに連れてきたことから、マックスの生活環境は一変。マックスとデュークが何とか自分が優位に立とうと頑張っていたある日、ひょんなことから彼らは迷子になってしまい...。

 

冒頭、飼い主が出かける時のペットとの別れの場面。ここは引き込まれました。置き去りにされるペットの寂しさ、心許なさ、帰ってきたと思ったら忘れ物を取りに来ただけですぐにまた独りにされていまう切なさ...。

 

ペットたちの仕草や動作、気持ちの変化は、実にそれっぽく可愛らしくて心を掴まれました。

 

ただ、どっかで観たことある感は拭えません。そう、持ち主が寝静まってから、オモチャたちが起き出してとか、持ち主(飼い主)とラブラブだったのにライバルが現れて地位が脅かされてとか...。「トイ・ストーリー」のペット版といったところでしょうか。

 

そして、ほとんどドタバタなだけな展開で、特に長い作品ではないのですが、可愛いと思いながらも、途中で満腹感が...。

 

可愛いけれど、ペットの可愛さを楽しむなら、いろいろと映像を観ることはできるワケで...。もっとストーリーや展開に工夫が欲しかったです。

 

観るにしても、最初を観て、途中は流して、最後を観れば、それで十分かと...。

 

 

トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡

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大正時代から関東の最東端を走り続けるローカル線、銚子電気鉄道にまつわる吉野翠の小説「トモシビ-銚子電鉄の小さな奇蹟-」を基にした作品。原作は未読です。

 

千葉県を走るローカル線、銚子電気鉄道を盛り上げるため、高校生の杏子は車両と高校生がリレーで競争する「銚子駅DEN」を思いつきます。大会直前にランナーが1人足りない事態に陥り...。 一方、地元の撮り鉄、熊神は写真を撮っているところで、ワケありな様子のキミエと出会い...。

 

映画初主演という杏子役の松野理咲を初め、演技経験の少ない出演者が多いようで、演技の固さは気になりました。脇には、ベテランも配され、その支えを受けながら頑張っているとは思うのですが、それでも気になるレベル。

 

物語は悪くないのですが、少数の高校生だけが、やけに張り切って浮いている感じで、クライマックスの地域を挙げての盛り上がりには唐突感がありますし、物語全体の背景となる銚子電気鉄道と地域の人々との繋がりの描き方も弱くて鉄道の愛され度が今一つ伝わってきません。

 

銚子の風景や古い車輌がゆったりと走る映像は美しかったのですが、本作を観て銚子に行ってみたくなるかというと、微妙なような...。

 

地域の人々の銚子電気鉄道への想いにもっとスポットを当て、鉄道を盛り上げるためのイベントに取り組む姿がもっと見えてくると、杏子の頑張りが、物語の中に自然に溶け込み、観る者もクライマックスに向けて気持ちを盛り上げることができたのではないかと思います。

 

銚子電気鉄道という素材は魅力的で、駅DENのアイディアが面白かっただけに残念でした。

 

 

公式サイト

http://tomoshibi-choshi.jp/

 

Re:LIFE~リライフ~

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アカデミー賞を受賞したものの、その後、15年間鳴かず飛ばず状態の脚本家キースは、破産寸前で妻子にも逃げられるます。彼は、嫌々ながらも、収入を得るために郊外の大学のシナリオコースの講師を引き受けますが、意欲がわきません。しかし、子育てしながら復学したホリーたち、真剣な生徒たちの情熱に接し...。

 

キースを演じるヒュー・グラントのダメダメ振りが暗くなり過ぎず、程々に人生に悲哀を感じさせていて印象的です。どん底まで落ち、そこから様々な葛藤を乗り越えての再生という重いテーマが軽快に描かれていて、暗い気持ちにならずに観ることができました。

 

一度は成功した人が転落し、嫌々ながら全く違った環境に置かれ、そこでの新しい出会いや経験を通して再生の道を拓いていく...。という物語自体には特に目新しさもありませんし、そこにロマンスが絡められるのも常套手段。予定調和的になるようになっていく展開も、特別に面白いとは思えませんでしたが、それでも、安定の演技陣に支えられ、楽しめる映画作品になっています。

 

様々な映画作品が登場するのも嬉しいところ。オースティンの「エマ」のパロディ「クルーレス」とか、ロビン・ウイリアムズが教師を演じ「教科書なんか破り捨てろ」と教えた「いまを生きる」とか、「過去ばかりを振り返らずに前へすすめ」という「トワイライトゾーン」のセリフとか、「スターウォーズ」とか...。

 

他にも映画のことや文学作品のこと、映画監督や作家のことがあれこれと語られていて、映画に関心がある人の興味を引く要素が散りばめられています。

 

レンタルで十分かとは思いますが、観ておいて損はないと思います。

 

 

作家、スティーヴン・エリオットの回想録を元にした作品。

 

幼少期に父親から虐待を受けた体験記を発表し、成功を収めた作家のスティーヴンは、死んでいるはずの父親が現れたことで信頼を失ってしまいます。一方、その頃、天才プログラマー、ハンス・ライザーが遺体が発見されないまま妻殺しで起訴された事件が話題になっていました。この事件に興味を持ち、起死回生の次回作のネタにしようと考えたスティーヴンは、初公判を傍聴するため裁判所を訪れます。そして、女性記者のラナと出会い、ともに事件を追うようになりますが...。

 

人の記憶は曖昧なもの。本作で描かれているほど、大きなものではなくても、多くの人は大なり小なり、記憶の曖昧さというものを感じたことはあるでしょう。同じ体験をした相手と思い出話をしていても、そこに様々な記憶の違いがあることが分かったりします。何気ない出来事においても、そんなことがあるワケで、大きな心の傷を負うような出来事であれば尚のこと。けれど、それにもかかわらず、意外に、自分の記憶について根拠なく自信を持ってしまったりするものです。

 

本作でも、その"記憶の曖昧さ"、"自身の記憶に対する絶対的な自信"といったものが描かれています。その視点は、それなりに面白かったのですが、作品全体としては今一つインパクトに欠ける感じがしました。

 

スティーヴンの記憶が書き換えられた原因も、心の傷というよりは、薬物が原因という部分が大きいような...。原題の「The Adderall Diaries」は「アデロール(服用者)の日記」("アデロール"は、注意欠陥多動性障害(ADHD)やナルコレプシーの治療に用いられる薬物。日本では覚醒剤に相当するという理由で使用が禁止されている。)なので、薬物が原因で記憶が書き換えられたという描き方で正解なのかもしれませんが、その辺りの描写が中途半端な感じもしました。まぁ、これは、邦題によるミスリードで、作品そのものの問題ではないのですが...。

 

ライザーの事件とスティーヴンの物語の絡みがちょっとギクシャクした感じで違和感ありました。

 

豪華出演陣で、演技という点では見応えのある作品となっています。特にスティーヴンのお父さんとして登場するエド・ハリスは、良い年齢の重ね方をしている感じで印象的でした。

 

けれど、"記憶を書き換えるほどの心の傷とそこからの回復"という面については描き方が薄く、今一つ、迫り切れていない感じがして残念でした。

ボストン郊外で便利屋をしているリーは、兄のジョーが急死し、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ります。ジョーの遺言には、16歳になる息子、パトリックの後見人としてリーが指名されていましたが...。

 

リーが何か深い傷を抱えていて、それが、彼の孤独な生活と関係していることは、早い段階から伝わってきます。そして、徐々に、それが何か明らかにされていきます。悪意があったワケではありません。けれど、許されることのない背負い切れない程の罪。

 

リーが、元妻のランディと街で偶然出会って立ち話するシーン。そのチャンスをリーにもたらすことこそが、ジョーがリーを後見人に指名した理由だったようにも思われます。

 

リーが傷を癒すハッピーエンドとはなりません。けれど、過去の傷から立ち直ることはできなくても、精一杯、パトリックに対する責任を果たそうとします。鍋を焦げ付かせた時、リーは、自分には後見人の任は重すぎることを自覚し、最善の道を選択したのだと受け取りました。

救いを求めているというより、罰せられることを求めていたように見受けられるリー。帰りたくなかった故郷に帰ることで罪と向き合えたなら、彼は一歩を踏み出せるはず。

 

それでも、リーは重荷を降ろすことはできないかもしれません。けれど、これまでとは少し違った生き方ができるようになるのでしょう。

 

それぞれの心情が丁寧に描かれ、無駄のない細部まで行き届いた描写が作品に深みを出しています。近しい人に死なれた時の悲しみの訪れ方も実にリアルで胸に迫ってきました。

 

暗く重いだけになりがちな内容ですが、パトリックの若さとチャラさがバランスよく織り込まれ、明るさが加えられています。そのチャラさの奥底に隠された痛みも描かれるのですが、その辺りのバランスも絶妙。

 

後から振り返って、あれがここに繋がるのかと納得させられる部分も多く、繰り返し観たくなります。

 

是非、観ておきたい作品だと思います。お勧めです。

 

 

公式サイト

http://manchesterbythesea.jp/