津軽百年食堂

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津軽百年食堂 [DVD]/藤森慎吾,中田敦彦,福田沙紀
¥3,990
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森沢明夫の同名小説を映画化した作品。原作は未読です。


明治時代、苦労して津軽ソバの店、大森食堂を始めた賢治。その曾孫となる陽一は、家業を継ぐことを拒み東京で暮らしていました。ところが、ある日、父親が交通事故に遭い怪我をして入院したため一時帰郷。父親が復帰するまで店を切り盛りすることとなります。最初は、継ぐ気がなかった陽一も店の仕事にきちんと向き合うようになり...。


まぁ、よくあるおハナシです。


家業を継ぐことを期待されているけれどそれを拒否している長男。そんな中、父が思わぬトラブルに見舞われ家業の存続が危うくなり、継ぐことを嫌がっていた長男が家業の再建に奮闘し、やがて、そこに生きがいを見出すようになる。


ありきたりの物語で、観る者をひきつけるには、それなりの工夫が必要...なワケで、それが、創業した初代と現代の四代目の青春を工作させるという点にあったのでしょうけれど、そこが成功しているかとなると微妙な感じです。


原作がある作品なので、原作の設定なら、映画に文句言っても仕方ないのですが、食堂を再会した陽一が、ソバの味について東京から来た客に指摘されて逆切れする場面。仮にも、料理人として食べていこうというのですから、客から指摘される前に自分で気付けよ...と思いますが...。


大森食堂のメインである津軽ソバなのですから、そこは、もっと大切にして欲しかったです。折角なのですから、この津軽ソバの薀蓄をしっかり語ってくれてもよかったような...。


ラストで咲き乱れる弘前の桜は見事でした。さすがに桜の名所と言われるだけのことはあります。


内容的には、弘前の観光案内映画といったところでしょうか。でも、何だか、いろいろな意味で中途半端な感じが拭えませんでした。



津軽百年食堂@ぴあ映画生活

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ミッション:8ミニッツ

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アメリカ空軍のパイロット、コールターは、列車の座席で目を覚まします。目の前には彼をよく知るらしき女性がいて彼に「ショーン」と呼びかけます。コールターはワケが分からず混乱しますが、やがて、列車は爆発。その後、装置の中で意識を取り戻したコールターは、彼にある任務が与えられていることを知らされます。彼が入っているのは、死者の生前最後の8分間に意識を転送できる装置“ソース・コード“。その後、シカゴで大規模なテロを起こす可能性があると考えられている列車爆破事件の真犯人を探るため、コールターは何度も8分間を体験し、やがて意外な事実に気づき...。


面白かったです。


上映時間が短いということもあり、最初から最後まで作品の世界に浸ることができました。何も知らずに戸惑うコールターとともに、彼の置かれた状況について推理し、今後の展開についてあれこれ考えを巡らせることになります。


そして、サスペンスだけでない人間同士のドラマなところ。コールターとクリスティーナ、コールターと彼が属する組織の人々。


大義名分の中で軽んじられる個の事情。確かに、とんでもなく多くの人間が殺される可能性があるという時に個々の人間の気持ちなど斟酌するゆとりはないのでしょうけれど、"博士"の中にあるのは、大勢の命を尊ぶ気持ちだけではない様子。自身の名誉欲とかね...。その辺りの組織の描き方も面白かったです。






<以下、ネタバレあり>








コールターは、ショーンの記憶の中だけを探った...というのではないのですよね...。ショーンの記憶の中にはなかったことも盛り込まれていますしね。ショーンの記憶+コールターの推理で作り出した世界ということなのでしょうか?でも、コールターが何度も体験する8分間の微妙な違いを考えると単にショーンの記憶の世界の中だけをウロウロしているようには思えません。


パラレルワールドだとしたら、真犯人を割り出すことにどれだけの意味があったのか...。パラレルで、細かい違いはあっても、誰が犯人とか、そういう基本的な部分は変わらないってこと?でも、だとしたら、ラストの展開は?ラストは、彼らがパラレルな世界で新しい人生を歩んでいくってことなのかと思ったのですが...。パラレルな世界でも真犯人などの重要な点に変更がないのだとしたら、ラストの世界は飛躍しすぎですよね...。


ショーンの記憶の中の世界を探りながら、コールターの推理力でその世界を広げていき、最後にパラレルな世界に移り、コールターとしてクリスティーナと生きていくってことなのでしょうか?


グッドウィンにメールを出すのですが、彼は、何故、彼女のメールアドレスを知っていたのでしょう?元々知り合いでは合った様子ですが、携帯のメールを記憶しているほどの仲には見えませんでしたが...。


さて、"彼"は、この先、コールターとして生きるのか、ショーンとして生きることになるのか、コールターの意識を持ちつつジョーンとして生きるのか...。


あれこれ考えると、ますます分からなくなったり、細かいところでの疑問が出てきたり...。最後まで真相が隠されたままのところもあるので、モヤモヤが残ってしまって、スッキリしない面もあるのですが、印象的な作品でした。


観終えてからも、その内容についてあれこれ考えを巡らせたくなる作品です。また、観たくなる作品です。DVDが出たら、何度か観たくなるかも知れません。



公式サイト

http://disney-studio.jp/movies/mission8/



ミッション:8ミニッツ@ぴあ映画生活

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180°SOUTH/ワンエイティ・サウス

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ワンエイティ・サウス 180°SOUTH [DVD]/イヴォン・シュイナード,ダグ・トンプキンス,ジェフ・ジョンソン
¥4,179
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世界的なアウトドアブランド「パタゴニア」の創業者イヴォン・シュイナードと「ザ・ノースフェイス」の創業者とダグ・トンプキンスの2人は、1960年代後半、パタゴニアを目指して旅に出て、大きく世界観を変えられたといいます。、その旅の記録映像に魅せられたアメリカ人青年、ジェフ・ジョンソンが、ふたりの旅を追体験しようと旅に出るドキュメンタリー。


イヴォンとダグの40年以上前の旅を記録した映像、現在のイヴォンとダグ、そして、彼らの旅を追体験したジェフの旅。目指すはパtゴニアの高峰、コルコバト山。


イヴォンやダグ、そして、ジェフ、彼らが、いかに本気で環境を考えているか、自然を守ろうと必死になっているか、どれだけのものを環境保護にかけているか、その真剣さ、本気度は素晴らしいと思いますし、彼らの熱心さには敬意も感じます。


でも、それでも、どこか、胡散臭さも感じてしまいます。何を言っても、本作で、環境を守ろうと必死になり、その活動の中心的な役割を果たしているのは、そのほとんどが文明に飽きた先進国の人間だから。かつては、アメリカだって、手付かずの自然がいっぱい残された土地でした。現在、"ネイティブ・アメリカン"と称される人々は、そこで、自然と共存して生きていたのです。その営みを破壊したのは、アメリカを"発見"し征服した白人たち。


そして、世界を舞台に富を掻き集め、経済的な発展を極めた今、失ったものの尊さに気付く。それはいいいのです。本当に大切なものの存在に、それを失ってから初めて気づくということはよくあることで、失う前に気付けなかったことを非難することなど誰にもできないでしょう。


でも、その大切なものを破壊してきた自分たちへの反省がきちんとされないままに、人のところにある大切なものについてあれこれ口を出すというのは、何だか、スッキリしません。もちろん、遠く離れた地域とはいえ、同じ地球上にある地域なのわけで、何らかの影響を与え合う関係にあって、全く無関係というわけにいかないのは確かですが...。


イヴォンのやり方に、現地から疑いの目が向けられているというコメントがありましたが、これまでの歴史を考えれば、それも無理のないこと。その彼らの疑いの背景にあるものを思い遣ろうという意識が感じられないところに、先進国の人間の傲慢さが感じられてしまうのです。


手付かずの自然の中での冒険の旅。それも、先進国における商品開発の末に生み出された技術に支えられているわけですし、イヴォンやダグの経営する企業も経済的に発展した先進国の人間により支えられている部分は大きいわけですから、その辺りについて言及せずに大自然を抱いた地域の発展を嘆いて見せられても共感しにくいのですよね...。


人間は、自分たちの都合で、恣意的に自然に手を加えすぎたことは確かだと思います。その傾向を放置しておいて良いとも思えませんし、人間が変わっていかなければならない面があるのは確かです。それでも、やはり、本作で描かれているようなやり方には納得のいきませんでした。


様々な環境保護団体の支援を行なっているパタゴニア社は、"グリーンピース"や日本の捕鯨船を攻撃したことでも名を馳せた"シーシェパード"の支援企業としても有名ですが、そんなこともあって、素直な気持ちで観られないのかもしれません。


本作に登場するパタゴニアの自然は確かに美しかったです。この美しい環境が失われていくのは、あまりに惜しく、それを何とかしたくなる気持ちは分かるのですが...。



180°SOUTH/ワンエイティ・サウス@ぴあ映画生活

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ビハインド・ザ・レッド・ドア

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ビハインド・ザ・レッド・ドア [DVD]/キーファー・サザーランド,キーラ・セジウィック,ストッカード・チャーニング
¥3,990
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売れない写真家のナタリーは、ある日、大金持ちの兄、ロイに仕事を依頼され、久し振りに再会します。暴君だった父に似て我がままで強引な兄に拒否感を抱くナタリーでしたが、ロイが病気で余命幾許もない状態であることを知り、残された時間をともに過ごすことを決意します。ロイの病気は悪化する一方。ある日、ロイはこれ以上薬は飲まないと宣言し...。


難病、僅かな余命、確執を抱えた家族、兄妹の和解、トラウマからの開放...。ドラマチックな要素満載の作品です。


兄の病をきっかけに、兄を嫌って離れていた妹が兄との絆を取り戻すわけですが、兄と妹との確執やその背景にあるものの描き方が弱いため、ドラマとしても迫力のないものになってしまっています。ナタリーは、暴力的な父を嫌っていて、その父に似た傾向を持つ兄も嫌うという流れなのでしょうけれど、幼い頃の兄との関係は悪くなかった様子。ナタリーにハートの描き方を教えたのもロイで、彼女もそのことを記憶に宿しているのですから...。


何故、ナタリーのロイへの反発がここまで大きくなったのか、その辺りにはもっと言及して欲しかったです。そして、和解の過程も、もっと丁寧に描いて欲しかったです。そこが、本作のキモとなる部分なのですから...。仕事の依頼主が兄だと分かった途端、仕事を投げ出そうとしたナタリーです。それ相応の確執を抱えていたわけですよね。そうそうアッサリと解消されるような問題ではないような...。


ナタリーは、ロイとの関係を取り戻していく中で、母親が殺された事件についての記憶を呼び覚ましていくわけですが、その描き方も中途半端。父親を登場させ、ナタリーと再会までさせるなら、母親の事件についてもきっちりと落とし前をつけるべきだったような...。そして、母親の事件の描き方をそこで止めるのなら父親を登場させるべきではなかったような...。


ドラマチックな仕上げができるはずの題材な割には盛り上がらない作品になってしまっています。残念!



ビハインド・ザ・レッド・ドア@ぴあ映画生活

処刑人ソガの凄まじい人生

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処刑人ソガの凄まじい人生 [DVD]/マニー・ペレス,デニース・キュノネス,ファン・フェルナンデス
¥3,990
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実話に基づいた作品。


ハリウッドで最も知られるラテン系俳優マニー・ペレスが、母国ドミニカ共和国で体験した実話を基に原作のストーリーを書き上げ、主演しています。


ドミニカ共和国は、30年以上の長きにわたるトルヒーヨ将軍の独裁統治下にあり、その後は、クーデターと内戦の繰り返しで、90年代まで混迷を極めていました。幼い頃、父親を麻薬の売人に目の前で殺されたルイシトは、将軍により国家警察の殺し屋に仕立て上げられ、処刑人、ソガとして怖れられていました。彼の処刑の対象は、将軍から渡されるリストに名前が載せられた者。例え、大罪を犯しても将軍に金を払うことでリストへの掲載を免れることができるというシステムへの疑問や殺し屋家業を続けることへの抵抗感、幼馴染への恋から足を洗う決意をしますが...。


確かに凄まじい人生です。でも、その凄まじさが今ひとつ表現し切れていない感じ。これが、実話なのですから、凄いことは確かなのです。ただ、実話であることに甘えてしまっているというか、依存してしまって、作品の表現に工夫が足りないという感じでしょうか。


ルイシトの葛藤、足を洗うことの苦労といったものも、少々、アッサリしすぎていた感じがします。もっと、葛藤や悩みがあってしかるべきだったかと...。ラストへの展開も、かなり、スンナリといってしまっていて拍子抜けでした。これだけの人生の落とし前がこんなんでいいのか...。


もしかしたら、演じている本人の実体験に基づいた作品だというところに問題があるのかもしれません。あまりの体験。第三者に伝わるようにルイシトの想いを表現できるほど、本人の中で、この体験が消化できていないのかもしれませんね...。


それにしても、独裁国家の恐ろしさは伝わってきます。一人の絶対権力者がいて、その人物の気持ち一つで様々なことが大きく動いていく。そこでは、一人ひとりの人間の生活や想い、都合など考慮されるわけもなく、生きるためには権力者の顔色を窺わざるを得なくなり、そうした人々の"支え"を得て、権力はますます肥大化していく...。そして、いつの間にか、人々の生活は、様々な面で制約を受けるようになり...。


どんな権力でも、周囲の"支え"なくしては長続きはしないもの。本作でも、将軍に失脚の時が訪れます。新聞記者の頑張りが一筋の希望になっています。まぁ、この辺りの描き方も、やや表層的で物足りなさはありましたが...。


折角の題材を生かしきれていないのが残念。表現の仕方、全体の構成のしかたにもう一工夫欲しかったです。

桃色のジャンヌ・ダルク

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桃色のジャンヌ・ダルク [DVD]/増山麗奈
¥3,990
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2003年に起きたイラク戦争の時に結成された"桃色ゲリラ"の主催で、貧困と格差をテーマにしたオピニオン雑誌「ロスジェネ」の編集委員も務める過激なエロティック・パフォーマンスで注目を集めている女流画家、増山麗奈を追ったドキュメンタリー作品。


2003年3月、ピンク色のビキニを身につけた5人の女性が日比谷公園に集結し、反戦デモを行います。彼女たちの名は「桃色ゲリラ」。その後、彼女たちは反原発デモにもセクシーな姿で現れ注目を浴びていきます。様々な批判にも晒されますが、そのユニークな存在から新聞やテレビ等のマスコミを賑わせ、CNNのニュースにも登場します。リーダーは増山麗奈という新進気鋭の若手女流画家。「戦争よりエロス」を掲げ、自らの母乳を使った「母乳アート」、自らのパンティをアート化して公開するなど過激なパフォーマンスでたくさんのファンから支持されています。


一言でいうなら、凄い!に尽きます。感情的で衝動的なように見えて、実はいろいろと考えられていて、過激なパフォーマンスを繰り広げる自分自身の姿を冷静に捉えている自分がある。決して、無謀に突進するのではなく、逮捕されない工夫もきちんとしている。


正直、理解できない言動も、かなり受け入れにくい部分もありましたが、過激な外見の裏にある真っ当さに気付かされもしました。


そして、その行動力!何もせず安穏としていてる無責任な傍観者の非難など、どこ吹く風。あの自分の存在の全てを賭けるようなパフォーマンスには、圧倒されます。


新潟、柏崎刈原原発を訪れ抗議文を手渡す彼女。もし大きな爆発でも起きたらと事故があった場合のリスクを説く彼女に対応する職員は、「絶対にあり得ない。何、バカなことを言っているのだろう。」とでも思っていたことでしょう。けれど、あの時点で、もう少し、原発事故の可能性について考えることができていれば、現在、福島で起きている悲劇を防げたかもしれないのです。


特典映像に原発事故の際に原発から漏れた放射能から身を守る方法についての解説があります。この時の彼女の危機感の何分の一かでも、東京電力の原発関係者が共有できれいれば、現在の状況は随分違ったものになったはず。


何故、彼女に見えたものが原発を取り巻く人々には見えなかったのか。原発に絡む利益が人の目を曇らせるのでしょうか...。


面白かったです。一見の価値ありです。



桃色のジャンヌ・ダルク@ぴあ映画生活

シャッフル

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御剣町の銀行に5人組の強盗が入り、3億円が奪われるという事件が起きます。一方、戸辺は1週間前から記憶、とあるアパートの一室で目を覚ましましたが、それまで記憶をなくしていました。そこへ謎の招待状が届きます。「拘束期間はわずかに1日で報酬は200万円。」記憶を取り戻せるかもしれないと期待した戸辺が指定の場所に行くと、そこには、他にも3人の男が集められていて...。


つまらなくはなかったです。スピーディに物語が展開し、あちこちに転がっていくので、それなりに作品の世界に浸れます。勢いに乗って、細かいところに目を瞑って、あれこれ考えずに観れば、結構、楽しめると思います。


まぁ、とは言え、サスペンスとしても、コメディとしても中途半端な印象は拭えません。ハラハラドキドキ感にも欠けますし、笑えるようでもうひとつスッキリ笑えない感じで、消化不良でした。


「予想を裏切る」展開を求めるあまりに無理をしてしまったのかもしれません。観客をミスリードするためだけに挿入されたとしいか思えない映像もいろいろありましたし...。何度も繰り返される○○の頭の中を表現したらしき映像、あれは、観客をミスリードする以外に何か意味があったのでしょうか...。


ラストで登場する人物については、その人物についての他の登場人物たちのコメントから、どんでん返し要員だということがすぐに察せられるので、これも、意外性には欠けてしまいます。まぁ、その後にも一ひねりあるので、そう悪くはないのですが、この人物のストーリーにも無理があるんですよね...。


大体、冒頭の銀行強盗。あれが、何で成功してしまうのか。そこからしてよく分かりませんでした。大量の紙幣が入ったケースを抱えながら、大勢の警官を振り切って逃げおおせるなんて...。フツ~に走っているだけなのに...。あれだけの紙幣...相当な重量になるはずですが...。


その後、二転三転するシナリオを書く人たちなのですから、強盗の段階でもそれなりの頭脳を見せて欲しかったです。強盗は行き当たりばったりで強引な感じなのに、事件後になって急に用意周到に計画的になったというのも変な感じですよね...。


出演陣が、それぞれに熱演で良かっただけに残念でした。



公式サイト

http://bitters.co.jp/shuffle/



シャッフル@ぴあ映画生活

東京オアシス

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コンビニで買い物をし終えたナガノは、喪服の女と出会い、彼女を車に乗せることになります。高速を降りると女は車を降り、2人は別れます。その女性は、女優、トウコ。彼女は小さな映画館に向かいます。そこの映画館ではかつてシナリオライターをしていたキクチが働いていました。翌日、トウコは、動物園で、アルバイトの面接に失敗したヤスコと出会い...。


う~んっ...。


ボヤ~ッとした感じの作品でした。それが、"癒し"だということなのかもしれませんが、あまり癒される感じはしませんでした。フワフワと漂っているだけな登場人物たち。会話もどこか上滑りな感じがあって...。


かもめ食堂 」、「めがね 」、「トイレット 」、「プール 」、「マザー・ウォーター 」といった同じグループ(?)の作品群でも、独特の雰囲気の会話が繰り広げられていますが、そのフワフワした感じの背景が描かれていて、本作よりは地に足着いた感じがしていたのですが...。


海辺でトウコは「こんなに晴れている」と空を見上げるのですが、晴れているようには見えなかったのも不思議な感じでした。


でも、映画館のシーンは良かったです。都内に古くからある某名画座をロケ地にした映像。この雰囲気は良かったです。ここだけは、確かに"オアシス"だったかもしれません。


動物園も都内でロケして欲しかったですね...。何ていっても"東京オアシス"なのですから、東京にはこだわって欲しかったです。



公式サイト

http://www.tokyo-oasis-movie.com/



東京オアシス@ぴあ映画生活

一命

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1962年製作の「切腹」のリメイク。原作は滝口康彦の小説、「異聞浪人記」。


寛永7年。井伊家の屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れます。切腹をしたいので玄関先を貸して欲しいと言う半四郎に、家老の斎藤勘解由(かげゆ)はかつて同じことを願い出た浪人の話をします。その話を聞いた半四郎は、自分が切腹に至るまでの境遇を語り始め...。


原作のある作品なので、ストーリーについてあれこれ言っても仕方ないのですが、ラストで半四郎が振り回すのが竹光というのは???でした。武士としてのプライドを捨てた証?でも、それなら、そもそも"討ち入り"などしないですよね...。これは、やはり、"武士の面目"だったわけでしょう?それなら、武士の魂である真剣で戦うべきかと...。


そもそも、井伊家に文句言いに行くこと自体どうかと思いますが...。いくら馬鹿げていても、無理をしても武士としての体面を保つのが武士というもの。半四郎と家老の遣り取りも、半四郎の逆恨みにしか思えません。


求女も妻子のために武士としてのプライドを捨てるというなら、最後まであがくべきだったのでしょうし、竹光で切腹するくらいなら、最初から武士としてカッコつけるべきだったでしょう。妻子を守ること最優先なら、庭先に畑を作ったり鶏を飼ったりして、栄養のあるものを食べさせるとかしてもよかったのではないかと...。


確かに、井伊家の対応は冷たかった。けれど、求女の側に甘えがあったのも事実。狂言をするなら、せめて、過去に誰かが成功している屋敷に行くべきではなかったかと...。妻子のために命を賭けるなら、それくらいのリサーチはしないとね...。


海老蔵は、さすがの眼力でしたが、あまり映画向きの役者ではないのかもしれませんね。普通に話す場面は特に今ひとつ。そして、真穂の父親としては若すぎますよね。特に老けメイクもしていなかったようですが、それなりの年齢を感じさせて欲しかったです。赤ん坊のおじいちゃんのはずが、父親にしか見えませんでしたから...。


求女を演じた瑛太は好演していたと思いますが、"困窮した貧乏侍"には見えにくいのが難点。美穂を演じた満島ひかりは、薄倖の女を見事に演じていたと思います。


本作は、2Dと同時に3Dでも公開されています。私は2Dで観たのですが、本作を3Dにする意味が分かりませんでした。こういった作品を3Dにして何かいいことがあるのでしょうか?大いに疑問です。


ただ一点。半四郎が床に倒した赤備えの鎧がその後、参勤交代で殿様がやって来た時には綺麗に戻されていて、殿様に「手入れをした」ことを褒められるという場面は良かったと思います。半四郎がいかに頑張ってもそんなことで何も傷つかないのが武士道。武士らしく面目を保とうとした半四郎の願いはあっさりと散らされてしまいます。そこに感じられるやるせなさこそ、武士らしくあることの愚かさから生じるものなのでしょう。ここに焦点が当てられているともっと面白くなったような気がするのですが...。


全体としては残念な作品でした。



公式サイト

http://www.ichimei.jp/



一命@ぴあ映画生活

ビン・ラディンを探せ! ~スパーロックがテロ最前線に突撃!~ : 松嶋×町山 未公開映画を観る.../出演者不明
¥2,940
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日本未公開の海外ドキュメンタリー映画を厳選して紹介する番組、「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」にて紹介された作品。


間もなく子どもを授かろうとしている監督のモーガン・スパーロック。生まれてくる子のために安全や平和を考えるようになった彼は、世界平和を脅かす元凶、オサマ・ビン・ラディンを探す旅に出ますが...。


本作には、イスラム諸国で暮らす人々の姿が描かれます。イスラム教を信じているというだけで、テロリストと決めうけてしまうような傾向があるアメリカの人々にイスラム教を信じながらイスラムの国で生きる人たちの姿を見せる作品にもなっています。


そして、いかに、アメリカが、これらの国の平和を破壊しているかという現実も。大体、そもそも、オサマ・ビン・ラディンに武器を持たせ、テロリストとなれるだけの訓練をしたのはアメリカなワケです。戦いの種を撒きながら、その原因となっている数々の問題に触れることもなく、テロ行為を力で叩き潰そうというアメリカの行為にはかなり無理があるワケで...。


その辺りの"アメリカが原因を作っている"という背景に今ひとつ迫れていないのは残念だし、そこが描かれていないことが物足りなさに繋がっていることは否めないと思います。


それでも、アメリカの攻撃が向けられている先にどんな人々が生きているのか、彼らの目にアメリカはどう映っているのか、そして、彼らがどんなに平和を望んでいるかということが、本作を通してアメリカの人々に伝えられるのだとしたら、意義のある作品であることは間違いないでしょう。


イスラエルの土地について「神に約束された土地なのだから自分たちのもの」と主張するユダヤ人の女性が、現状は違法ではないかと指摘されて言います。「今は違法でも、いずれ合法になる」と。そう言い切る彼女の自信というか、強さというか、逞しさというか、図々しさというか...。唖然としてしまいましたが、こうした譲らなさがある限り、戦いを終えるのは難しいことなのでしょう。


まぁ、聖書の言葉を信じて、2000年もの間、救世主を待ち続け、"約束の地"を求め続けた民族ですから、タダモノではないわけですが、宗教の恐ろしさ、信じるという行為に潜む闇を見せつけられた感じがしました。


ラスト、スパーロック監督は一つの答えを得ます。「オサマ・ビン・ラディンを捕まえても戦いは終わらない」と。そう、それだけでは、何も解決はできないのです。最前線にいる兵士の言葉が印象的です。「必要なのは水と食料。」人が人としてきちんと生活できる条件、それが整わない限り、テロに向う人間はなくならないのでしょう。


突っ込み不足感や、やや上滑りな感じはありましたが、本作で映し出されてるような現状を広く人々が知ることが大切なのだと思います。


一度は観ておきたい作品だと思います。



ビン・ラディンを探せ!~スパーロックがテロ最前線に突撃!~@ぴあ映画生活