「政治騎手」キーワード解説 | 「政治騎手」のブログ by ヒノ

「政治騎手」キーワード解説

「レースを左右しているのは、政治力である」という考えから(実際にそう)、「騎手の政治的側面」を読み解き、予想に利用する馬券術。ここでは、騎手の力を次の3つに分類する。
●①「技術力」……騎乗技術、馬術、馬を乗りこなす能力。騎手はみんな一応「プロ」なので、実は思われているいるほど差はない。武豊騎手も「普通レベル」。
●②「戦略力」……レースの流れや相手の出方を読む「展開推理力」や、戦法を決めたり状況に対応する「判断力」「ペース判断」や「コース取り」の能力のこと。世間でいわれる「騎手の巧拙」は、実はほとんどの場合この「戦略力」。武豊の「戦略力」はズバ抜けている。
●③「政治力」……馬の乗る以外の騎手の能力のことで、人間関係や生き様を含んだ、総合的な能力のこと。「乗り馬集めの政治力」と「騎手間の政治力」が2本の柱だが、これ以外にもさまざまな要素を含んでいる。武豊騎手の「政治力」は、もちろん日本ナンバー1。
●④「乗り馬集めの政治力」・・・・・・「政治力」には実にさまざまな側面があるが、「乗り馬を集めるための政治力」がもっとも重要。いわばこの馬券術の“心臓部”。
●⑤「エージェント」…・・・騎手の「乗り馬集め」を代行する記者・TMのこと。「最強の法則」06年8月号で情報公開されて以降、「乗り馬集めの政治力」を知る上重要になってきた。平林氏(武豊)、小原氏(岩田、川田、福永、四位)、植木氏(中舘、藤田、内田博)が有名。
●⑥「小原軍団」「植木軍団」……関西競馬ブックTM小原靖博氏と関東日刊競馬TM・植木靖雄氏はそれぞれエージェントとして複数のトップ騎手を抱えているので、トレセンでの「乗り馬集め」の二大勢力となっている。詳細は本紙連載「ジョッキーとエージェント」を参照。
●⑦「戦略力のアピール」……下っ端騎手が人気薄を上位に持ってくることで、「僕は乗れますよ! 巧いですよ!」と関係者にアピールすること。これによって「乗り馬集めの政治力」が上昇する。
●⑧「売り出し前」「売り出し中」・・・・・・「戦略力のアピール」に成功した下っ端騎手が、大穴をあけて関係者やファンから「穴騎手」と認知される現象を「売り出し」とよぶ。馬券的に肝心なのは「売り出し前」=「多数穴をあけているが、まだそれほど知られていない段階」で見つけること。この時期狙い打つとおいしい。認知度が高まると「売り出し中」で、この頃はそれほどおいしくない。
●⑨「騎手間の政治力」・・・・・・基本的に、格下の騎手が格上の騎手に競りかけたりしてはいけないのがこの世界。なので先輩・後輩や仲がいい・悪いが位置取り、本人の性格が展開に大きく影響するので、馬券的にも重要。
●⑩「シバリ」……騎手は、ただ馬に乗っているように見えても、実はいろんな「政治力」の影響を受けいてて、それが「シバリ」として騎乗を制限している。例えば騎手は、馬主に乗せていただいている高額な馬で無茶なことはできないし、若手騎手が「騎手間の政治力」で先輩に競りかけにくかったり、GⅠなどでは人気も「シバリ」として働くなど。
●⑪「いいわけ」「説明責任」……「シバリ」があるということは、それに対しての「いいわけ」を用意しながら乗っているともいえる。固くいえば「説明責任」。これがあるので、「政治力」が低い騎手は「無難に、今まで通り乗る」ということがしばしば起こる。
●⑫「乗り上がり」「乗り下がり」……「政治力」「戦略力」の馬券活用法のひとつ。基本的には「政治力」「戦略力」の高い騎手から低い騎手へ乗り替わった場合が「乗り下がり」、逆が「乗り上がり」。
●⑬「上げシックス」……この6人の騎手から次走乗り替わったら、それはすべて「乗り上がり」になるので「買い」になる“穴馬製造騎手”もしくは“調教騎手”のこと。ヒノくんが認定して、この連載やHPで随時報告しています。この逆が「下げシックス」。
●⑭「完全お任せ系」騎手・・・・・・調教師、馬主からの信頼が厚く、たとえ負けても「○○で負けるならしょうがない」とまで思わせるほどの「政治力」を持った、超一流騎手のこと。ブランド力があるので、いい乗り馬も集まるし、乗り方もかなりの度合いで「お任せ」になる。現在では、武豊騎手と安藤勝己騎手。
●⑮「決め打ち系」騎手・・・・・「政治力」は中堅レベルなので乗り馬の質はそこそこだが、常に一発を狙うモチベーションの高い騎手のこと。簡単にいえば「穴騎手」。大胆かつファイトあふれる騎乗で大レースで穴をあけることが多く、またそうすることで、「乗り馬集めの政治力」アップを目指す。佐藤哲、池添、吉田豊騎手など。
●⑯「クラッシャー系」・・・・・・騎手のひとつのタイプ。先行馬や差し馬の早仕掛けなどで、レースをぶっ壊すことが多い騎手のこと。アンカツ、ペリエなど「政治力」の高いに騎手に多い。こんなレースをした馬は負ける時は惨敗が多く、次走が狙い。また展開的には、前を潰すから差し馬が来ることが多い。「決め打ち系」ともカブるキャラ。
●⑰「気配り系」・・・・・・「クラッシャー系」の逆で、他人の邪魔をしないことを優先するタイプの騎手のこと。このタイプは、ある程度強引に乗れば勝つチャンスがあっても、それはしない。なので前が壁になる、包まれること多くなる。かつての松永騎手が代表的。
●⑱「がけっぷち騎手」・……「下っ端騎手」の中でもとくに「乗り馬集めの政治力」が低くて、騎乗機会が極端に少ない騎手のことだが、中には「戦略力」「モチベーション」が高い騎手がいて、激走したときはほとんどが大穴。こういう騎手を馬券で引っ掛けるのが、この馬券術の真骨頂でもある。