2015年11月9、10日の2日間、ドイツ・ミュンスター市でバイクフィッティングのシンポジウム『ISCO 2015』が開催されました。これに私(伏見)は今回出席しておりました。

『NEXT LEVEL BIKEFITTER』
出席者は各自のスペースにサインしていきます。


ISCO(通称:イスコ)というのはInternational Symposium On Cycling Optimizationの略で、ドイツに拠点を置くGebioMized(ジェビオマイズド)社が中心となって開催されたバイクフィッティングのシンポジウムです。



今回はシンポジウムに参加した出席者の中にも何名かのUCIプロライダーが含まれていたのには驚きでした。オフシーズンでもあり多くの知識を得、貪欲にレベルアップを目指す選手の姿には尊敬します。

今回のシンポジウムにおける講演者は以下の通りでした。
・Phil Cavell (Cyclefit, UK) 
シンポジウムのイントロダクション、近代バイクフィッティングの歴史について

・Andy Froncioni (Alphamantis, Canada)
風洞実験施設でのデータ開示。エアロポジションと評価方法。チームカナダの成功にあたっての苦労やデータ解析方法について

・Dennis Sandig(Coach, IQ, Athetik, De)
身体の可動パターンとバイクフィッティングの関係について

・Paraic MacGlynn (Cycling Analysis Instructor, Cyclogic US)
バイクフィッティングを行うための理想の施設の提案、マーケティング。
余談ですが、Trek Factory Racing Team 所属の別府史之選手は現チームで同氏にバイクフィッティングを受けております。

・Aimee Alber(Saddle Expert, Netherlands)
サドル・・・乗馬用のサドルフィッター。馬術など従来の非常に閉鎖的な業界にある経験測によるサドルと人間とのマッチング方法論を見直し、馬の解剖学的見地による理想的なサドルのフィッティング方法について解説。理想的なフィッティングが出たサドルは馬との良い調和を生み出し、多くのメダリストの輩出に成功する。直接自転車のサドルとは関係が無いのですが、フィティングをする上で様々なヒントがありました。

・Dr.Mark Timmerman(Medical Advisor, Trek Bicycle, US)
スポーツサイクルによる典型的な故障部位を列挙し、医学的アプローチから解決方法を提案。骨盤の形状によるサドル選択、脚長差補正の重要性、ショートクランクの有
効性を解説。


・Sebastian Weber (Sports Scientist, Team Cannondale-Garmin, De)
トニー・マルティンのタイムトライアルパフォーマンスについて解説。過去にもT-mobile、HTC Highroad、Katushaなどのコーチを歴任した実績を持つ。グライペルなどのパーソナルコーチも務める。アスリートの綿密な調整方法、ミリ単位の調整によるパフォーマンスの変化について詳しく解説。



・Dr. Jorg Natrup (Gebiomized Research Team)
ドイツ・ジェビオマイズド社の責任者。同社の歴史の説明。サドルマッピングとポジショニングの相関関係について解説。インソールのたわみ、素材による優劣について説明。

・Dr. Borut Fonda (Sports Scientist, Cycling Science, SVN)
トレーニング理論、トライアスリートvs.ロードサイクリストのサドルハイトについて説明。

このシンポジウム参加者は4つのグループ分けされ、毎日2時間をワークショップを受講することとなりました。

私のグループは以下のワークショップに参加。
・ポージングの変化によるパフォーマンスの変化について
・ペダル・クリートの関係についての講座(BIKE FITと同内容)
・サドルプレッシャーマッピング装置を使用したリアルタイム計測によるポジションの評価
・女性サイクリストについてのバイクフィッティング講座
・エアロポジションについて

バイクフィッティングではBIKE FIT SYSTEMS社の製品も当然使用されます。

ファビアン・ウェグマン選手も同シンポジウムに協力してくれました。

ワークショップの一コマ。非力な小柄な女性サイクリストにたいするフィッティングとは?
機材面から見直していきます。

ドイツ開催のため、ドイツ語の講演者へは英語の同時通訳が行われます。
出席者は無線トランスミッター装置とヘッドホンが貸し与えられます。

ワークショップの一コマ アセスメント方法について

ワークショップの一コマ 筋トレなど

アレキサンドル・クロブネフ選手の姿も。


証明書と参加者バッジなど

国際的なバイクフィッティングのシンポジウムは年々ト ピックや内容も高度になっており、過去に参加した2013年のCyclefit社が開催したシンポジウム、2014年にRetul社が開催したシンポジウ ムよりも遥かに内容も高度になっており、バイクフィッティングに携わる自身にとっても今回のシンポジウムは知識のアップデートという意味でも役立ったと思 います。

世界で何が議論され新しい事を学ぶことは非常に重要で、日本など単一言語内で渦巻く、持論や偏った知識、情報を修正へ導く上でも大切です。
ファンライドから競技まであらゆるサイクルスポーツにおいてバイクフィッティングは基本ですし、国内のレベルアップに貢献できればと考えております。

現在はインターネットで簡単に情報が入る時代ですが、誤った情報も多く、コンテンツを精査する能力も問われる時代です。このような世界をリードする理論を実際に学ぶ機会は貴 重で、私は出来る限り参加するようにしています。
またここで多くの知り合いのバイクフィッター合ったり、新しい人脈や友人が作れるのも楽しみの一つですね。

帰国後フランス・パリでは悲しいテロ事件が起りました。ツールドフランスなど業界の柱となるイベント中止の可能性も考えられるため、自転車業界の発展を妨げないためにも、安全な世の中になって欲しいと願うばかりです。

株式会社サンメリット
伏見 真希門(ふしみ まきと)
米国BIKE FIT SYSTEMS 公認プロバイクフィットインストラクター

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