2009年08月27日

違う世界の人達

テーマ:第三道:大人の階段


・・・ 拓哉① ・・・



高3の4月の初め

高校を辞めて喫茶店でバイトしているリツから電話があった

リツは小学校からの友達で、家が近かったのでよく一緒に帰った仲だ


『哉 今彼氏居るの?』


「ううん。居ないよ」


『私、お店に来るお客さんで好きな人出来たんだけどさ。今度一緒にドライブ行かない?』


「え、だってそれって私お邪魔じゃん。二人で行きなよ」


『ちがうの。付き合ってるわけじゃないから、何人かで行けたらいいなって。哉に紹介したい人もいてね。その人の友達なの』


「ぇ。今、誰とも付き合いたくないけど。遊びなら付き合うよ」


『大勢のほうがいいから、誰か誘える?』


「それって、昼間だよね?」


『その人仕事あるから、夜になると思う。泊まりになるかも。哉んちは、泊まり駄目だっけ?』


「泊まりかぁ・・・あ、せっちゃん誘うよ。せっちゃんも一緒なら、うちの親もきっと何も言わないから」


『わかった。哉んちがOK出たら教えてそしたら、私、彼達、誘うから』



親には、せっちゃんちに泊まりに行くと嘘をついた

うちの父は厳しい人で、泊まりに行くにはその家の父親の名前と電話番号を知らせる必要があり

夜に、父はお礼の電話を入れてくる。

でも、せっちゃん家なら小学校の頃から泊まりに行っているので何も言わないし電話も掛けてこなかった

その代わり、母が手作りのお菓子やらちょっとしたおかずをいつも持たせてくれていた

その日は私のリクエストにより、クッキーとサンドイッチを用意してくれた


駅で待ち合わせをする

初めて会う人とうまく話せない私、でもリツとせっちゃんが居るなら楽しくなるかもしれない

みんな少しお化粧してちょっとおしゃれしている

私はタイトなワンピースで出かけた

駅の広い駐車場の隅に三人は寄せ集まるようにして話をしていた

しばらくして三台の車が入ってきた

黒塗りのセドリック

白いソアラ

白いマークⅡ


『きた!』


リツはそう言うとウキウキ駆け出しソアラに近寄った

その少し異様な車達を見ただけで、普通の高校生の私もせっちゃんも言葉が出ない

リツが戻ってくる


『じゃ、行こうか』


「リツ、行こうかじゃないよ。車一台にみんなで乗るんじゃないの?」


『え?この人数じゃ一台に乗れないでしょ。大丈夫だってみんないい人だから、いこ』


私とせっちゃんはお互いに不安で、見詰め合う

どうしよう。この場になって、やっぱやぁーめたなんて言えないし、言う勇気もない。

一歩ずつ私とせっちゃんはそれらの車に近づいた


『哉は、この車に乗って。せっちゃんはそっちね』


コックン・・・私はセドリックのドアを開けた

後ろでせっちゃんもドアを開けた

せっちゃんの車から


『こんばんはーーー。どぞー乗ってー』


と言う 軽いノリのちゃらい声が聞こえてきた。来るんじゃなかったと思う私。

ドン・・・せっちゃんは乗り込んだ

固まっている私にその人は言った


『まだ夜は寒いね。』


「そうですね」


私は乗り込むとドアを閉めた・・・








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