2007-12-21 01:19:46

イギリスのサイエンスコミュニケーション一覧

テーマ:大学
イギリスのサイエンスコミュニケーション関連機関や活動がウィキ大学(Wikiversity)というところにまとめられている。イギリスにいても把握できないくらいよくまとまっている。
http://en.wikiversity.org/wiki/Topic:Science_Communication_in_the_UK

この一覧のなかで、私が注目したのが、third streaming activity。それは、大学の二つの大きな活動である研究と教育に加えて、第三の活動として、地域貢献や社会貢献をしていくべきだという考え。研究者は、パブリックな活動、社会事業、文化芸術活動に関わりなさいね、ということを高等教育にお金をだす大元のところが6年前から言っているらしい。それも、ただ地域貢献だといっているわけではなく、大学のお金の流れ、地域への貢献度、そういうことをしっかり調査した上で、第三の活動をもっとしていきましょうといっているらしい。
http://www.u-kokusen.jp/foreign/london-h1903-2.html


ちなみに、高等教育政策研究所で第三の活動についてレポートしているのははたけやまさんという方。
http://www.hepi.ac.uk/pubdetail.asp?ID=203&DOC=reports

カズオイシグロみたいな日系の方だろうか。

そういうトリビアはいいとして、私もサイエンスコミュニケーションは地域貢献や社会事業として考えていくのがまともな道だと思っている。でも、地域貢献や社会貢献とかはわかりやすい指標もインセンティブもつくりずらいので、いきおい消極的になりがちだ。だから、お金の出元のところで、そういうことをしっかり言っていくのだろう。サイエンスコミュニケーションというと(狭義の)科学リテラシーだとか理系進学支援とか研究推進とか、短期的なスパンの活動を考えてしまいがちだけど、大学や研究に関する地域や社会の理解を深めていくという長期的な戦略もともなってはじめて、うまくまわっていくのだろう。大学も、意識的な制度作り、ディレクションが必要になってくる。なんか、前のエントリーのジャーナリズムの話みたいだ。
2006-07-26 00:36:25

サステナビリティ学ってなに?

テーマ:大学

北大も絡んでいるらしいのですが、よくわからないので、ググってみると、

http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/top.html


おお、なんかすごいフラッシュ。

しかも、定員1000人のシンポジウムだって。


サステナビリティ学じゃなくって、正確にはサバイバル学でしょう・・・・。



とういうことで、前言撤回。

2006-06-04 02:00:50

産学連携と科学の堕落

テーマ:大学

生協書店のKさんに紹介していただいた本。ネタが豊富で、主張もはっきりしているので、読みやすかったです。現代における知識や科学について、そしてなによりも大学について考えるには、必読の本だと思います。ちなみに原題はもう少したんたんとしていて、内容もたんたんとしています。たんたんとしたなかに、力がこもる、といった感じでしょうか。


その原題は

Science in the private interest: Has the lure of profits corrupted biomedical research?


著者のシェルドン・クリムスキーは、タフツ大学(マサチューセッツにある名門大学のひとつ)の都市・環境政策計画学科の教授だそうです。本書で延々と議論されているのは、研究者(とくにバイオ系)、あるいは大学の「利益相反」の問題です。簡単に言ってしまえば、研究者や大学が企業などと関わりがある場合に、その企業の利益に反し、かつ社会的にも重要な研究結果がでてしまったらどうするのか?という問題です。本書でも例にあげられているように、しばしば軋轢が生じてしまうのですが、研究するためには外部資金の調達はますます重要なものになっているだけに、研究者や大学の経営陣にとっては、とても頭のいたい問題なのです。


クリムスキーの主張は明快です。それは、大学は利益相反の問題をあいまいにしながらうやむやにするのではなく、断固として排除し、「公共の利益」のための科学、大学という特殊な組織の自立性、学問の自由を守らなければ、社会がより大きな損失をこうむると主張しています。「アメリカの研究機関の高潔さを守るということは、グランドキャニオンのような自然資源を、そこに眠っているかもしれない資源を求めての乱掘から守ることである」とまで言い切ります。


「話はわかるけど、もう手遅れじゃないか」と思ってしまう人が多いなかで、ある意味正攻法の主張をしています。彼が本のなかで言っているように、さすが批判精神を担保するためにはじまったテニュア(大学における終身雇用)を持っている先生です。「公共の利益」とか、「批判精神」とか、「学問の自由」とか、机上の空論になりがちな言葉を、現実と結びつけながら魅力的に語っているとおもうし、大学の問題の核心をついていると思います。


日本語タイトルをみただけでは、科学が堕落するから産学連携はやめろ、みたいな乱暴なことを言っているように思ってしまいますが、そうまではいっていません(大きくとらえるとそういうことだと思いますが)。それよりも、大学や知識の社会的役割を考えると現実的にprivate interestに近いところで研究するのは、あまりいい戦略ではないから、違う方法を考えたほうがいいのではないか、という提言だと思います。(それにしても「公共の利益」って感覚として理解することが難しい輸入言葉ですねぇ。)


そして、この本は今後の考察にもつながってきそうです。たとえば、それぞれの事例の歴史的検証をもっと深めていくことや、彼の示している論拠を確認していくこと、そして「学問の自由」について考えを深めていくこと、などです。近場の大学を事例にして考察をすすめていくことも大切かもしれませんね・・・。

2005-11-24 22:22:07

大学ポッドキャスティング

テーマ:大学
最近は、中途半端な英語圏情報しかエントリーできなくなっている気もするが。。。なにもアップしないよりはましだ、ということで、大学ポッドキャスティングについて紹介。

まずは友人のSが教えてくれたWarwick大学のpodcasting。超有名(らしい)数学者のイアン・スチュアートのインタビューと、インテリジェント・デザインをめぐるSteve FullerとJack Cohenの対談がきける。さすがに、新しい物好きの大学だけあって、イギリスの大学のなかでは、こういう取り組みは早いほうなのではないだろうか。Warwickblogs なんてこともやっていたし。

ちょっと探してでてきた中では、University Channel がすごいと思った。
アメリカの情報ばかりだけど、かなりの面子の公演を聴くことができる。ライス女史とかアナン総長とか、こういう人たちの演説は、プロのスクリプト・ライターが書いているから、英語の勉強にもなる。周辺知識を勉強して望めば、それでひとつのゼミみたいな感じになるんじゃないだろうか。こうなってくると、ポッドキャスティングをつかった英語の授業とかできるかもしれない。ELP(国際基督教大学の四月生のほぼ全員が受けされられる拷問のような英語教育)よりも断然面白いと思う。

OSU Conversation なんかは、派手さはないけれど大学情報の公開という意味では堅実な仕事のようだ。

新しいものにすぐ飛びつけばいいというわけではないけれど、大学の広報とか、講演とか授業を公開していくのなら、とても使い勝手がいいメディアだろう。
2005-11-15 01:23:27

自宅からMITに通おう

テーマ:大学

数年前に、衝撃的なニュースになったMITのe-learningシステムのOCW。
OCWは、Open Course Wareの略、だそうだ。
その後、中身をチェックしていなかったのだが、なかなかすごいことになっている。
http://ocw.mit.edu/index.html


この間、日本でも断続的に議論されていたようた。

CNET Japan
「2007年の完成を目指して進むMITのオープンコースウェア」
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001322.html


いくつかの大学はちゃっかり、あいのりもしている。
http://www.jocw.jp/


と思ってたら、MITのOCWに大きく関わった日本人の教授がいたらしいことがわかった。

MIT OCW 特別講演会
http://www.titech.ac.jp/publications/j/chronicle/391/391-13.html


しかし、すべての授業がストリーミングされたり、ビデオ学習できたりするわけではない。ほとんどのコースは、せいぜい講義ノートとかシラバスとかアサイメントが垣間見ることができるだけだ。


しかし、MITという威光のせいなのか、それだけでもシラバスがまぶしくてしょうがない。
たとえば、STSの授業。こんなリーディングについていけるやつらがゴロゴロいるのかと思うとゾッとする。知らない本がたくさん・・・。ううぅ。こうなると、怖いものみたさの気持ちがわきおこってくる。だれかが行ってくれれば、遊びにいけるのだけどなぁ。学費高すぎだからなぁ(たしか年間300万円超えだったと思う)。


上の記事によると、数学とか物理学とか、すべての講義映像を見ることができるものもあるらしい。

私は、オーディオを探して、心理学入門にたどりついた。
http://ocw.mit.edu/OcwWeb/Brain-and-Cognitive-Sciences/9-00Fall-2004/CourseHome/index.htm

おもしろい。しゃべりがうまい。とまらない。
だから、公開されているんだろうけど。


そういえば、弟が心理学がどうのこうのとかいってたかな。(→聴いておくように)


OCWで充実したコースと自分の興味とうまくあえば、お手軽MIT留学ができる。
実際、発展途上国の学生たちには、お宝のようだ。


MITがOCWを、崇高な理念でやっているのか、ビジネスとしてやっているのか、という議論はいろいろあるようだが、利用しない手はない。たとえば、ICUの一年生が経験する集中英語プログラムであるELPは、これだったら良かったのに、と思う。


おもしろい講義を見つけた方は教えてください。

私は、たとえば、今、これとかビビっときてます。
The New Constructionist Learning.
http://ocw.mit.edu/OcwWeb/Media-Arts-and-Sciences/MAS-962Spring-2003/Readings/index.htm


ほかにやることいっぱいだけどなぁ。。。

2005-09-19 15:56:20

阪大でラジオ番組「きゃぴきゃぴキャンパス@阪大」

テーマ:大学

おそろしいほどの時の流れ。。。

この連休も身の回りの整理をするだけで精一杯だ。


イギリス科学ニュースもずっとできない状況になっているが、

英語の勉強にはなるので、できる範囲で協力したいと思っています。

(でも、誰か今イギリスに留学中でやってくれたりする人はいないだろうか・・・)

と思いながら眺めていたサイコム・ニュース のなかで阪大でもラジオ番組を作るというニュースが目にとまった。


国立大初のラジオ番組提供

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005091500162&genre=G1&area=O10


番組名は「羽谷直子のきゃぴきゃぴキャンパス@阪大」らしい。かなり砕けた番組名で、中身がどうなるのかワクワクさせる。


同学部で番組の窓口になる河崎善一郎教授は「活動内容を知ってもらうことで『大学は遊ぶところ』というイメージを変えたい。将来的に、阪大を志望する受験生が増えてくれれば」と話している。(共同通信)

らしいが、知識というおもちゃを使って「大学で遊べる」(もちろん従来とは違う意味で)ことを発信していくぐらいが調度いいと思う。そうすれば受験生だけじゃなくて、勉強したい!と思っている社会人にもアピールできて、地域の人にも「なんかおもしろそうなことやってるな」と応援してもらえる・・・なんてことになるかも。


実は、私が関わっている北大の科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)でも、ラジオ番組を開始する予定だ。CoSTEPのものは、もっと手作り感のあるものになる予定だが、お互い刺激しあっていいものを作っていきたい。


本日のBGM(ラジオにちなんで):toe: the book - about my idle plot on a vague anxiety

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