2005-03-30 08:16:15
大学の資金集めと大学の価値
テーマ:知識政治
The Guardianなどの新聞は,新聞本体とは別にG2とかT2(Timesの)とかの読み物中心の新聞がついている.とりたてて面白そうなニュースがない場合は,そちらの方をまず手にとることになる.
●First, find your millionaire :Universities are taking lessons from America on raising money from former students. By Harriet Swain
http://education.guardian.co.uk/egweekly/story/0,,1446887,00.html
今日も,一面の写真になっていたインドネシアの地震に驚かなかったわけではないが,なんとなくG2をパラパラめくっていた.すると,なにやら見慣れた風景が目に飛び込んできた.うちの大学のキャンパスの写真であった.記事の要旨は,イギリスの各大学が資金集めに力を入れ始めたことを伝える記事.国庫からの資金が細りつつあるなか,卒業生からの資金援助が重要視され始めているのだ.そこで何故うちの大学かというと,ここWarwick大学はアメリカナイズされた大学のさきがけであり(学長もアメリカ人らしい),資金集めのプロとしてアメリカのトップ大学で活躍してきた人を雇っていることがフューチャーされていたのである.その担当者の弁で興味深かったのは,「お金はあるところにはある」ということ.「でもねぇ,おいそれとこんな中途半端に田舎な大学に寄付なんて」と思って読み進めていると,イギリスの資産の半分をを5パーセントの人が持っているという数字にでくわす.たしかにあるところにはあるのかもしれなんなぁという気がしてくる.LSEとかOxbridgeとかの有名どころにはは,かなりの額の寄付があるみたいだ.
しかし,そうしたお金持ちの人たちからどうやってお金をひきだしているんだろうか.彼らは,大学の価値をどうプレゼンしているのだろうか.この大学の研究と教育の評価は低くはないのだが,対外的にはアーツセンターとかカンファレンス施設とかビジネススクールとかサイエンス・パークとかが「売り」になっているような気がしてならない.実際,ビジネススクールは立派な建物だったりするし...
タイトルにしたものの,ここでは大学の価値についての議論には立ち入らないことにして,資金集めということで思い出したニューヨーク市立図書館について触れるにとどめる.この巨大な図書館コンプレックスの一つには,わたしも昔潜入したことがあるのだが(そのときはユダヤ系文書のところにはいりこんで,黒ずくめにあごひげというジューイッシュのかたたちの一群に出くわすという貴重な経験をした),その本当の凄さを知ったのは,この岩波新書を読んでからである.
菅谷明子著「未来をつくる図書館 -ニューヨークからの報告-」
この本で報告されているニューヨークの公立図書館(4つの専門図書館と85の分館の複合体をさす)は,数字だけをみても年間予算2億8000万ドル,スタッフ3700人,来館者年間約1500万人といった具合だ.とくに驚いたのは,その集金能力.円にすると億単位で寄付が集まるのは,図書館側のマーケティング能力や企画力,メディアのたくみな利用もさることながら,図書館が地域の文化や経済にとって重要な存在であるという理解が社会に浸透しているからなのだと思い至る.しかし,こんな図書館の近くに住んでみたいと切に思う.そして,万が一お金持ちになったなら,多くの寄付をしてみたいと思う.
そんな,幸福のサイクルに大学もはいれたらいいのだけど,そのためには,おそらく,このニューヨークの例はあんまり役にたたなくて(あそこは,もともとモノと金に溢れているところ),地道にひとを育て,地域にアピールしていくことが肝要な気がする.うちの大学はなんか見失っている気がする.すくなくとも自分が,宝くじとかが当たってお金持ちになったとしても寄付したいなんて思わないなぁ.
●First, find your millionaire :Universities are taking lessons from America on raising money from former students. By Harriet Swain
http://education.guardian.co.uk/egweekly/story/0,,1446887,00.html
今日も,一面の写真になっていたインドネシアの地震に驚かなかったわけではないが,なんとなくG2をパラパラめくっていた.すると,なにやら見慣れた風景が目に飛び込んできた.うちの大学のキャンパスの写真であった.記事の要旨は,イギリスの各大学が資金集めに力を入れ始めたことを伝える記事.国庫からの資金が細りつつあるなか,卒業生からの資金援助が重要視され始めているのだ.そこで何故うちの大学かというと,ここWarwick大学はアメリカナイズされた大学のさきがけであり(学長もアメリカ人らしい),資金集めのプロとしてアメリカのトップ大学で活躍してきた人を雇っていることがフューチャーされていたのである.その担当者の弁で興味深かったのは,「お金はあるところにはある」ということ.「でもねぇ,おいそれとこんな中途半端に田舎な大学に寄付なんて」と思って読み進めていると,イギリスの資産の半分をを5パーセントの人が持っているという数字にでくわす.たしかにあるところにはあるのかもしれなんなぁという気がしてくる.LSEとかOxbridgeとかの有名どころにはは,かなりの額の寄付があるみたいだ.
しかし,そうしたお金持ちの人たちからどうやってお金をひきだしているんだろうか.彼らは,大学の価値をどうプレゼンしているのだろうか.この大学の研究と教育の評価は低くはないのだが,対外的にはアーツセンターとかカンファレンス施設とかビジネススクールとかサイエンス・パークとかが「売り」になっているような気がしてならない.実際,ビジネススクールは立派な建物だったりするし...
タイトルにしたものの,ここでは大学の価値についての議論には立ち入らないことにして,資金集めということで思い出したニューヨーク市立図書館について触れるにとどめる.この巨大な図書館コンプレックスの一つには,わたしも昔潜入したことがあるのだが(そのときはユダヤ系文書のところにはいりこんで,黒ずくめにあごひげというジューイッシュのかたたちの一群に出くわすという貴重な経験をした),その本当の凄さを知ったのは,この岩波新書を読んでからである.
菅谷明子著「未来をつくる図書館 -ニューヨークからの報告-」
この本で報告されているニューヨークの公立図書館(4つの専門図書館と85の分館の複合体をさす)は,数字だけをみても年間予算2億8000万ドル,スタッフ3700人,来館者年間約1500万人といった具合だ.とくに驚いたのは,その集金能力.円にすると億単位で寄付が集まるのは,図書館側のマーケティング能力や企画力,メディアのたくみな利用もさることながら,図書館が地域の文化や経済にとって重要な存在であるという理解が社会に浸透しているからなのだと思い至る.しかし,こんな図書館の近くに住んでみたいと切に思う.そして,万が一お金持ちになったなら,多くの寄付をしてみたいと思う.
そんな,幸福のサイクルに大学もはいれたらいいのだけど,そのためには,おそらく,このニューヨークの例はあんまり役にたたなくて(あそこは,もともとモノと金に溢れているところ),地道にひとを育て,地域にアピールしていくことが肝要な気がする.うちの大学はなんか見失っている気がする.すくなくとも自分が,宝くじとかが当たってお金持ちになったとしても寄付したいなんて思わないなぁ.






