エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? | h

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今年、劇場で見た7本目の映画は
「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」
客にオッサン多かったー!
今まで見た映画の中で最もオッサン率高かったかも。

エンロン問題は、よく知らない。
でも、この作品は
そういう人でも興味を持てるように作られていたと思う。
ただエンロンの仕組みを説明するだけでなく
イメージしやすいような比喩なんかも使って。
何度も登場したのはタイタニック号に例えた表現。
エンロンという船がタイタニックと違ったのは
船長が「大丈夫だよ」と言って救命ボートで逃げたこと。
また、冒頭で
「数字の問題でなく人間的なドラマ」と言っている通り
人にスポットを当てたつくりになっていた。
実際、見ていて人間の業について考えさせられた。
人間は愚かだ。権力と金に囚われる。



そうは言ってもやっぱり経済的な問題なわけで
自分には難しいことも沢山。
「"けーざい"って何?」
「"かぶか"って何?」
「"せーじ"って何?」
そんなレベルだから。
勉強した事も興味を持った事も無い。
そんな自分でも面白く見られたのだから凄い。
最近、睡眠不足なこともあり、見に行く前は
全然わかんなくて寝ちゃったらどうしよう?
と少し心配していたのだが
全然そんなことはなかった。エキサイティング!
でも、やはり理解しきれてない部分は多くて
・・・そうだなぁ、しっかり分かったのは1割程だろうか。
経済的な問題に明るい人なら
この映画を十分に理解できて、より楽しいはず。
さらに、自分なりに分析したりできれば
十二分に満喫できるんじゃないかな。



エンロンて会社は、えらいところだ。
最終的に崩壊に向かうわけだけど
うまいこと構成されてる。
社員の管理とかもさぁ。
給料は株で支払われるから
エンロンの株価を上げる事が収入増に繋がる。
社内の至る所に株価を表示し士気を上げる。
社員同士の投票で5段階の評価をつけ
5ならボーナス500万。1なら解雇。
毎年15%の社員が解雇されるサバイバル。

実際には損失が出ていたとしても
儲かっているように見せかければ株価は上がる。
会計事務所や法律事務所は
エンロンから金をもらい不正を見逃す。
金融アナリストでさえも手中に収め株価を上げる。
銀行だって不正を知りながら取引した。
甘い汁を吸わせ周りを固めるやり方。
金の魅力に多くの人が傾いたのだ。

特にカリフォルニアの問題には驚かされた。
金の力でここまでやってしまえるのか!って。
電力供給事業に規制をかけているカリフォルニア州。
エンロンは、そこに参入するために手を回し
わざと電力不足の状態を作ってしまう。
そうすれば高値でエンロンの電気が売れる。
それによって株価も動く。。。
このカリフォルニア問題には
ブッシュもシュワルツェネガーも一枚噛んでた様子。



本当は多額の負債を抱えてるのに、それを隠蔽し
不正(というか詐欺)を重ねて株価を吊り上げてたエンロン。
最終的には破産申請に至るが
トップはその前に保持していた株を売り抜けた。
馬鹿を見るのは残された社員たち。
ある日、突然に破産を知らされ即日解雇。
もはや株は凍結され売る事ができない。
売却できるようになった頃には株価はどん底。
逃げたもん勝ちってのもある意味真理だけど
いくらなんでもコレはないわ。
トップが逮捕されて法の裁きを受けても
社員の損失が回復されるわけじゃない。
悲惨だ。悲惨すぎる。。。

ところで、エンロンのキャッチコピー。
今日はじめて知った。
それは・・・「ask why」 皮肉なことだ。


 

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? デラックス版
Smartest Guys in the Room: The Amazing Rise and Scandalous Fall of Enron