内省と「成長痛」 | どんどんよくなる光の小道

内省と「成長痛」

あちゃ~~~
じ、自分が、自分が恥ずかしい~~~、あ、相手に申し訳ない~~~
あのときに戻ってやり直したい~~


というモードに久々、ハマっております(^_^;)


ばかもの/絲山 秋子
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走馬灯のように、少し前の自分のしたこと、言ったこと、修正したい過去場面がめぐっております。
これ、ぐぅぅぅ……きゅるる……しゅーん……ううううう……と俯き、うなだれ、地団駄踏みそうになるくらい辛く恥ずかしいけど、ただの落ち込み・縮こまりとは、ちと違う。「そうか、そうだったのか!」という気づき!感動!悔い改め!の爽やかな風が吹き抜ける、例のやつ。


そう、バイブレーションの上昇で少し目線が上がったので、また自分の未熟さ、「ああじゃなくて、こうすればよかったのか!」「ああじゃなくて、こうだった!」のビジョンが鮮やかに見えて、ちょっとだけ新しい自分、過去の自分より少しだけ洗練された自分が生まれてる、そこに至るプロセスの、言わば「成長痛」みたいなものなんですね。


スリーピング・ドール/ジェフリー ディーヴァー
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今回のこれを私にもたらしてくれたのは、この本↑。
いやもう、あれですね。「生徒に準備ができると、先生が現れる」という言葉がありますが、これ、本も同じですね。今の自分に必要な教えが「まんま」書かれた本が、そのとき読めとばかりに、目の前に現れるんですね。


本の中身については、またそのうち落ち着いたら紹介を書きますが、とにかく主人公が素晴らしい。物語が素晴らしい。著者が素晴らしい。


「なんでこんなに素晴らしいんだ!」という、自分にとってとてつもなく魅力的な人に出会ったとき、人は思う。なんで彼および彼女は、こんなにも素晴らしいのか。素晴らしいと感じるのか。彼および彼女と我は、一体どこが違うんだ。我に足りないのは何で、何を足せばこうなれるんか!?――と。


ウォッチメイカー/ジェフリー ディーヴァー
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(何度も書いてることだけど)人は、自分にまったくない資質を素晴らしいと感じることはありません。自分の中にまったく存在しないものは、人には見えない、聞こえない、感じられないようにできています。だから、どんだけ「今の自分にはないっ!まったくないっ!自分には無理っ!」と思ったとしても、「素晴らしい」と感じた時点で、ピコンピコンピコンと内なる資質の存在を示す針が触れ、発掘してくれ、表現してくれ、(自分の奥深くに埋もれた中から掘り出し)獲得し、使いこなせるまでになってくれ……という要請が、深く身内から湧き起こってきているわけですね。


ぼくのおおきさ―かんがえるアルバート (講談社の翻訳絵本)/ラニ ヤマモト
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このように、人はただ生きているだけで(物語の登場人物も、その物語の中で生きている!)、それに触れた人が、身内に埋もれた財宝に気づく手伝いをしているのです。それを掘り出そうという意思を目覚めさせてくれるのです。それを取り戻すためのチャンスをくれるのです。

人は知りたいことしか、決して知ろうとはしません。時が来て、自分で「自分に足りないもの」「それがないと、この先に進めないもの」に気づき、その欠落していたものを「欲しい!」と思って初めて、獲得の努力をみずから始めます。



かんがえるアルバート ぼくのじかん (講談社の翻訳絵本)/ラニ・ヤマモト
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他人に直接「今のあんたには、これが欠落しているよ」と言われたら、反発に終わってしまう。だから言葉で言っちゃ、だめなんです。人は自分で気づかないと学ばない。その気づきを邪魔しちゃいけないんです。体現して、見せてあげるっか、ないんです。

それだって、時期が来てなくて、本人に関心なければ素通りなんです。でも別に他人のこたぁいいんです。自分にできることだけしてあげたら、あとは相手にお任せでいいんです。人は他人の成長・解放・癒し・気づき・覚醒に関する責任はないんです。人が責任を負うのは「自分の成長」だけなんです。


そして、成長すればするだけ、自由になれるんです。重い足かせがとれていくんです。世間のルールや他人の都合や自分の思い込みに支配されるんじゃなく、自分が支配する側になれるんです。選択の自由ができて、閉ざされていた扉が開いて、世界が広がっていくんです。目が開いてくるんです。耳が聞こえるようになるんです。いつの日か目が覚めたみたいに、まっさらな自由を生きられるようになるんです。
そうして洗練されていくんです。よぶんな殻やら垢やら臭みやら汚れがとれて、ダイヤモンドの原石がダイヤモンドたる本質を現していけるんです(私たちはみんなみんなダイヤモンドの原石なんです、陳腐なたとえですが)。


悼む人/天童 荒太
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そうするとどうなるかというと、自分も他人も、消耗させたり傷つけなくて済むようになるんです。それどころか癒したり助けたりできるようになるんです。生かせるように、活かせるようになるんです。何もしなくても「いてくれるだけで助かるぅ」「元気をもらえるぅ」「インスパイアされるぅ」「ほっとするぅ」「心が落ち着くぅ」と言われる存在になれるんです。
そしてそういう人が増えれば増えるほど、世の中全体が落ち着いて、正気に戻る人がどんどん増えて、この社会に生産的な、建設的な、治療的な、回復的な動きが出てくることになるんです。


時のかさなり (新潮クレスト・ブックス)/ナンシー ヒューストン
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もちろん、今という時代、「自分を成長させる」とか「癒す」とか「目覚めさせる」とか、そういうことにコミットできるのは大変恵まれた、ごく一部の人間に限られています。
だからこそ、そういう境遇を与えられた人には、他の「今はとてもじゃないけど、そんな余裕ない」「生き延びるので精一杯」という人たちのぶんまで、世の中にプラスの因子を少しでも提供していく、そんな責任があるように思うのです。


(『Sleeping doll』以外は、これから読みたい本の備忘録)