「ダーク・シャドウ」 | 土方美雄の日々これ・・・

「ダーク・シャドウ」

ティム・バートン監督&ジョニー・デップ主演による最新作は、1960年代に流行ったTVシリーズらしいという話は聞いていたが、生憎、オリジナル版は聞いたことも、観たこともない。まぁ、くせ者コンビのティム・バートンとジョニー・デップのこと、もとより、その単純なリメイク版では、あり得ないだろう。

ジョニー演じる主人公のバーナバス・コリンズは、振った魔女の呪いによって、吸血鬼に変えられてしまい、しかも、200年ぶりに甦ったという設定。その間に、かつては栄華を誇ったコリンズ家はスッカリ没落し、幽霊屋敷と化した、かつての大豪邸で、わずかな一族が細々と暮らすのみ。そんな一族の再興に、吸血鬼バーナバス・コリンズは粉骨砕身するのだが、コリンズ家に替わって街を支配するのは、200年前に、彼を吸血鬼に変えた魔女だった・・という、まぁ、そんなストーリィ。

恐ろしい吸血鬼ながら、人一倍家族思いで、時代の変化にまるでついていけない、時代錯誤ぶりを遺憾なく発揮するバーナバスという特異な主人公を、ジョニーはティム・バートン作品ではスッカリお馴染みの白塗りメイク(シザーハンズやチョコレート工場のウィリー・ウォンカ、スウィーニー・トッド、アリスのマッドハッター等々)で、嬉々として演じ、また、共演者はミシェル・ファイファー、エヴァ・グリーン、クロエ・グレース・モレッツと、いずれも個性あふれる女優陣勢揃い。もちろん、ティム・バートン作品ではお馴染みの、ヘレナ・ボトム=カーターも、当然のことながら、出ています。

確かに、面白くてダーク、どこかぶっ飛んでいて、しかも、ホロリともする、非現実感あふれる、大人のおとぎ話をつくらせたら、超一流のティム・バートン監督ならではの作品だが、今回はラストもハッピー・エンドで、なんとなく、淡泊な感じがしたのは、私だけ???

それは、監督の成熟度のなせる技なのでせうか???