「モネとジヴェルニーの画家たち」展最終日 | 土方美雄の日々これ・・・

「モネとジヴェルニーの画家たち」展最終日

17日の夕方、所用で渋谷へ行った。Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されていた「モネとジヴェルニーの画家たち」展は、観るつもりはあまりなかったのだが、その日が会期の最終日で、しかも、あと何時間かで閉館・・ということで、会場の入り口付近は、かなりの混雑。入場を待つ人の列を、へぇ、駆け込みで観る人も結構いるんだなぁ・・と、ぼんやり、眺めている内に、いつの間にか、チケットを買って、列に並んでいた。

これじゃ、行列の出来るお店の行列に、とりあえず、並んでみるという人と、ほとんど、変わらん(笑)。

何故、同展を観るつもりがあまりなかったかというと、同展はモネ展ではなく、「モネとジヴェルニーの画家たち」展であるということが、その主因。

印象画の巨匠、クロード・モネが、その半生を過ごした、風光明媚なフランスの片田舎=ジヴェルニーに、何よりも、そこに行けばモネがいて、会うことも出来る!!!ということもあって、世界各国から300人を越える画家たちが集まり、自然発生的に芸術村が形成されることになったが、そのジヴェルニーに集った画家たち、とりわけ、その大半を占めるアメリカの画家たちの作品を集めた展覧会が、同展なのだ。だから、その展覧会のサブタイトルは「アメリカ印象派の始まり」なのである。

もちろん、それだけではお客が呼べないと主催者サイドが考えたのか、モネ本人の作品も、「睡蓮」の連作を含め、14点ほど展示されているものの、あくまで、メインはモネではなく、「ジヴェルニーの画家たち」である。

もちろん、アメリカの印象派の作品は、日本では、ほとんど、紹介されることがないので、それはそれで、意味はある。しかし、観る前に想像していた通り、所詮、モネのステレオタイプに過ぎない画家が、あまりにも多いこともまた、事実である。

また、同展には、モネの義理の娘であるブランシュ・オシュデ=モネの作品も何点か、展示されているが、もちろん、彼女はその生涯の大半を、モネと共に過ごし、モネが絵を描く傍らで、自らもモネと同じ絵の具を使って、絵を描いているので、似ていて、ある意味、当然ともいえるが、モネと極めて酷似した画風である。

その木があまりにも大きすぎると、その周辺では、あまり大きな木は育たないというのが、正直な感想だ。もっとも、モネ自身は、ジヴェルニーの画家たちと会って、時に語らうことはあっても、一度たりとも、その絵を指導したことなど、ないのだが・・。