(All Photo by Yuki Kuroyanagi)

いや~サイコーでした!テデスキ・トラックス・バンド渋谷公会堂初日。
会場は満杯!いつもよりも女性が多かったかも!

デレクの超絶スライド!スーザン姐さんのソウルフルなVOCAL(女性版オーティス・レディングと呼ばれることも)!ツインドラム含む総勢11名のバンドのパワフルなサウンドに、途中でドイル・ブラムホールIIまで参加してトリプル・ギターバトル!

前も書きましたが、TTBのライヴって、バンド一人ひとりの音の一つ一つが塊となりうねりとなって大きな波のように押し寄せて迫ってくるような。ライヴならではの高揚感!これぞライヴの醍醐味を感じさせてくれる。気持ちよかったなあ~!

毎回くるたびに進化して違うものを見せてくれるTTB。2/10のAXはスタンディングだから、より一層凄いライヴになると思うので楽しみ!前にDTBで来た初期のころ、リキッドでやったライヴはそれはそれは素晴らしかった!ファンのノリが乗り移るバンドですからね。

遂に「思いを定めた」テデスキ・トラックス・バンドが渋谷公会堂で凄腕ライヴ披露!盟友ドイル・ブラムホールⅡも共演!

「世界一ギターが上手い夫婦」デレク・トラックスとスーザン・テデスキ率いるテデスキ・トラックス・バンドが、最新アルバム『メイド・アップ・マインド』を引っ提げて、2月6日に渋谷公会堂で来日公演を行った。デレク・トラックスは今年1月8日に、自身が所属するもう一つのバンド、オールマン・ブラザーズ・バンドか2014年いっぱいで脱退することを表明したばかり。“メイド・アップ・マインド”(意味:決意した状態、思いを定めた状態)でライヴに望むデレク・トラックスが、どのようなギター・プレイを行うのか一目見ようとする音楽ファンで、チケットは完売。また、本公演はスペシャル・ゲストとして『メイド・アップ・マインド』のレコーディングにも参加したドイル・ブラムホールⅡが参加することが発表されており、ファンの期待を益々高めていた。

-------------以下ライヴ・レポートです(文:音楽ライター山崎智之)

ブルース界のおしどり夫婦、スーザン・テデスキとデレク・トラックスが率いるテデスキ・トラックス・バンドが、アルバム『メイド・アップ・マインド』を引っ提げてのジャパン・ツアーが、渋谷公会堂で幕を開けた。

2001年に結婚、2010年のフジ・ロック・フェスティバルに”デレク・トラックス&スーザン・テデスキ・バンド”として出演したことがあった二人だが、正式にテデスキ・トラックス・バンドとして始動したのは翌年になってからのこと。それぞれのバンドがそのまま合体したこともあって、2012年2月の来日公演は個性と個性が交錯して生み出すハーモニーが刺激的だった。



それから2年を経て実現した2度目のジャパン・ツアー。初日のステージは、よりバンドとしてのまとまりを感じさせるものだ。デレクがギブソンSG、スーザンがフェンダー・ストラトキャスターを抱えてステージに現れ、「メイド・アップ・マインド」でショーをスタートしてから、アルバムからの曲を中心に、じっくり聴かせるライヴが繰り広げられる。ただ、かっちり構成が固まったぶん、その枠の中でデレクが奔放にスライドしまくるのが鮮烈だった。



「ドゥ・アイ・ルック・ウォリード」でスーザンがソウルフルな喉を披露すれば、デレクも同じぐらいソウルフルにスライドを決める。スーザンはヴォーカルにウェイトを置き、ギターはバッキング中心ながら、「ミスアンダーストゥッド」ではリードもプレイ。夫婦(めおと)ソロの応酬を見せた。



あくまで曲と演奏を聴かせることに徹したこの日のステージ。アルバム・ジャケットのアートワークをステンドグラス風?にアレンジした垂れ幕を除くと、ショーアップされた要素はほとんどない。バンドのスターである2人がステージに上がるときも、もったいぶることなく、あっさり出てきて演奏を始める。だがそれゆえに、音楽そのものの魅力がよりダイレクトに伝わってくるのだ。



スペシャル・ゲストのドイル・ブラムホールⅡもまた、虚飾を嫌うアーティストだ。2006年のエリック・クラプトン来日公演以来、久しぶりに日本のステージ上でデレクとドイルが合体!という”事件”でありながら、ドイルはライヴ中盤、まるでテデスキ/トラックス家に遊びにきたかのように「ヨッ」と現れる。華々しいファンファーレでなく鎮魂歌のホーン・セクションに乗って彼が歌うのは、ルイ・アームストロングの「セント・ジェームス病院」だ。



ドイルは5曲に参加、実際に家族ぐるみの友人であるがゆえ、あうんの呼吸で押し引きの効いたプレイで魅せる。フレディ・キングの「パレス・オブ・ザ・キング」では3人のリード・ギター掛け合いも見られたが、実に”絵になる”光景だ。ツイン・ドラムスとホーン・セクション、バック・ヴォーカル2人を含む大所帯のバンドにおいて、この3人は文句なしのフロントマン/ウーマンである。



もしテデスキ・トラックス・バンドに”代表曲”があるとしたら、それは「ミッドナイト・イン・ハーレム」だろう。この曲のイントロが奏でられると、会場からこの日一番の拍手が沸き上がる。ゴスペルを軸にしながらポップに味つけ、胸を締め付けるスライド・ギターをフィーチュアしたこの曲でしんみりさせた後、「バウンド・フォー・グローリー」で栄光を取り戻し、ハードなロック・リフが腰骨を突き上げる「ザ・ストーム」でバンドはいったんステージを後にした。



アンコールはジョー・コッカーの「スペース・キャプテン」。映画『バックコーラスの歌姫たち』で新たな注目を集めているこの曲だが、ここではスーザンがエモーショナルに歌い上げ、デレクがスライドで盛り上げる。ドイルも再びステージに上がり、コーラスとタンバリンでバックアップしていた。



デレクが15年間在籍してきたオールマン・ブラザーズ・バンドを年内いっぱいで脱退すると声明を出した直後の、渦中の時期に行われた来日公演。テデスキ・トラックス・バンドに専念する決意を固めて、さぞかし気合いを込めた演奏を聴かせるのでは…という予想を良い意味で裏切って、ひたすら音楽への喜びと悲しみをギターで表現するライヴだった。
スーザンのヴォーカルが心を温め、デレクのギターが肌を火照らせる。さらにドイルまで参加したステージが終わって会場を出ると、冬の風が心地よかった。(文:音楽ライター山崎智之)
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テデスキ・トラックス・バンドは、7日(金)名古屋・ダイアモンドホール、9日(日)尼崎・あましんアルカイックホール、10日(月)SHIBUYA-AX、11日(火・祝)昭和女子大学 人見記念講堂の4公演の後、次の目的地インドへと旅立つ。また、デレク・トラックスのアイコンであるギブソンのSGギターの最新シグネチャーモデル「Gibson USA Derek Trucks SG」が、今月から国内で販売される予定だ(税込希望小売価格24万5700円)。デレク本人が監修したファン垂涎の一本となっている。

テデスキ・トラックス・バンドは2月5日に、『メイド・アップ・マインド』の収録曲2曲のアコースティック・セッション『ザ・サウンドチェック・セッションズ』を、配信限定でリリース。https://itunes.apple.com/jp/album/soundcheck-sessions-single/id804609883

【2月6日渋谷公会堂 セットリスト】
1.Made Up Mind **
2.Do I Look Worried **
3.It’s So Heavy **
4.Misunderstood **
5.I Know
6.St.james
7.Meet Me In The Bottom
8.All That I Need **
9.Part of Me **
10.Palace of the King
11.Midnight in Harlem *
12.Bound for Glory *
13.The Storm **
<アンコール>
14 Space Captain 

** 最新アルバム『メイド・アップ・マインド』SICP3873収録曲 
 * ファースト・アルバム『レウ゛ェレイター』SICP3143収録曲
下線はドイル・ブラムホールII参加曲

【最新配信商品情報】
『ザ・サウンドチェック・セッションズ』 ”The Soundcheck Sessions”
(『メイド・アップ・マインド』収録曲2曲のアコースティック・セッション)
https://itunes.apple.com/jp/album/soundcheck-sessions-single/id804609883

【最新CD情報】
『メイド・アップ・マインド』 ”Made Up Mind”



日本盤好評発売中 ※ボーナストラック1曲収録 SICP-3873 \2,400(税抜)
ハイレゾ配信開始:
http://mora.jp/package/43000001/4547366211672/

「メイド・アップ・マインド」 
https://www.youtube.com/watch?v=2M-6hkXe7T4

【テデスキ・トラックス・バンド公演情報】
2月6日(木)渋谷公会堂
2月7日(金)名古屋・ダイアモンドホール
2月9日(日)尼崎・あましんアルカイックホール
2月10日(月)SHIBUYA-AX
211日(火・祝)昭和女子大学 人見記念講堂
http://www.udo.jp/Artists/TTB/index.html

【公式サイト】
テデスキ・トラックス・バンド http://www.sonymusic.co.jp/artist/tedeschitrucksband/

【バイオグラフィー】
新世代の3大ギタリストとして日毎に圧倒的な存在感を増しているデレク・トラックスが、ベテラン・ギタリスト&ヴォーカリストの愛妻スーザン・テデスキと総勢11名からなるテデスキ・トラックス・バンド(TTB)を結成、新たな1歩を踏み出した。「世界一ギターが上手い夫婦」共演はジャンルをこえて音楽ファンの熱い注目を集め、新生バンドとしてのデビュー盤『レヴェレイター』を2011年6月にリリース。スーザンのソウルフルなヴォーカルをメインにしたオリジナル作品で新たなファンを獲得し、第54回グラミー賞でベスト・ブルース部門を受賞する快挙を成し遂げた。ブルース、ロック、ファンク、R&B、ジャズ、スピリチュアルetc…彼らの豊かな音楽的ルーツを体感するかのような音のパノラマを展開した2012年2月の新バンドTTBとしての初来日公演でも、毎晩異なるセットリストで満員の聴衆を圧倒する濃密なステージを披露。デレク自身が共演を望んだという凄腕メンバーたちとともにライヴを重ねながら自在に変化+進化し続けるTTB。世界中のファンの声にこたえて、いよいよ2年ぶりのスタジオ録音をこの夏発売する。7月19日から8月15日まで,ブラック・クロウズとの全米ツアー後、9月20.21日
にはNYビーコン・シアターで、10月29日にはロイヤル・アルバート・ホール他でのライヴも予定されている。