2010-08-18 21:53:25
オロ35近代化改造車を組み立てる。
テーマ:夜汽車シリーズ今年の第三弾としてオロ35を組んでみることにした。
マシ29と記事が前後しており、実際に組んだのは6月頃である。
さて、オロ35について詳しい事は過去の記事を参照していただくとして軽く解説すると、昭和9年登場の二等車で、昭和16年までに70両が製造された、戦前の長距離形二等車の標準形である。
車内はシートピッチ970mmの転換クロスシートが並び、定員は64名。戦前から戦後にかけて普通列車から特急列車まで広く活躍した。
車体は当時標準的な丸屋根と、車端部分に絞りが入った構造で、溶接技術の進展期にあたるため、初期の車両は車体裾とドア横、シル・ヘッダーにリベットが付いているが、昭和11年以降に製造された後期の車両は全溶接となりリベットのない車体となっている。
台車は当時の代表的なペンシルバニア型軸バネ式台車のTR23である。
番号は35だが趣味的分類上はスハ32系に属する。同じ設備を持つ二重屋根車にスロ32があるが、技術の進展による軽量化で重量ランクが変わったため別形式になっている。
戦後は特別二等車スロ54等の登場で設備が相対的に陳腐化したため、昭和30~31年にほぼ全車を対象に近代化改造が行われた。内容は窓のアルミサッシ化、照明の蛍光灯化、内壁のペンキ塗り化、ドアを鋼板ドアへ交換等で、新旧入り交じった独特の風貌になった。
なお、昭和34年以降に一部が電気暖房を取り付け、重量ランクが変わったためスロ43になっている。
この改造のおかげか、他の戦前型二等車に比べて遅くまで優等列車で使用された。
ところで、我が家にはMODEMO製のオロ35が既に在籍しているが、こちらは近代化改造前の原形車であり、昭和31年にはほとんどの車両が近代化改造済だった事を考慮すると、昭和30年代の編成を組む際にはやや違和感のある状態になっていた。
そこで今回は戦前型ボディーにアルミサッシという特徴的なスタイルの近代化改造車を配備することにしたというわけである。
(なお、我が家にあるMODEMO製のオロ35には例外的に最後まで近代化改造されなかった7番を付けている。)
さて、今回買ってきたのはTAVASA製のキットである。
オロ35の近代化改造車のキットは慣れ親しんだレボリューションファクトリー製や高価ながら出来のよいキングスホビー製もあるが、敢えてTAVASA製にしたのには理由がある。
上述のとおりオロ35にはリベットの付く初期車とリベットのない後期車があるが、このうちリベット付は21両であり、リベットなしの方が圧倒的に多数派だったのである。
ところが前出の2社が近代化改造車として製品化しているのは少数派のリベット付きで、TAVASA製が唯一多数派のリベットなしだったのである。
さて、キットは最近のコンバージョンキットでは標準的な内張りと外張りを合わせる方式で、特徴的なアルミサッシにはシルバーの洋白製パーツが別に付いている。
これにより、わざわざサッシ塗り分ける必要がない上に金属の地色を使えるので質感も抜群と言う訳だ。
内張り・外張りは折り畳む様に付ける構造になっていて、位置決めの必要がない親切設計だ。
さらに、Hゴム固定窓のドアとして同社製の交換用ドアパーツも用意されている。
ところが、これがドア窓がやや小さい「標準タイプ」と言うもので、実車では昭和20年代末期のスハ43後期型やオハ46に多用された大窓の方が多かった様だ。(標準窓もなかった訳ではなく、写真でもいくつか例が見られる。)
そこで、例によってTOMIXの交換用ドアを使うことにした。
余ったドアは他で利用させてもらうことにする。
雨樋は平板な表現なので、レボリューションファクトリー製の2段雨樋を使う。
細いが様だが、これを使う使わないで見た目がやはり結構異なる。
さて、ランナーから側板を切り離し、内張りと外張りを折り畳む様に接着する。
接着剤には例によって黒い瞬間接着剤を使用する。
これなら万一はみ出ても除去が簡単にできるからだ。
キットでは床板止め用に爪を出す様にしているが、車高をKATO製に合わせるためとりあえず無視し、デッキ部分のみ爪を立てておく。
お次は雨樋。
車体に予めマスキングテープを貼っておき、雨樋には黒い瞬間接着剤を塗布する。
ヌルヌルと位置を修正しながら固定。位置が決まったらクリップで圧着すると、その部分はいくらか硬化が早い様だ。
今までのような神経を磨り減らすような作業ではなく、楽チンである。
実際、うっかり手を滑らせて雨樋を車体に落としてしまったが、マスキングしてあるので接着剤は車体に付かず、しかもすぐ固まらないので接着されてしまうこともない。
全くノーダメージで雨樋を取付けることができた。
黒い瞬間様々である。
無論、作業時間も大幅に短縮された。
さて、お次は問題のドアである。
本当なら切り妻車の様にドアを差し込み式にしたかったが、絞りが入っているため作業中の強度上それができず、予めドアを固着させることにした。
ドアは一ヵ所だけ接着シロを兼ねてはめ込み用突起を残したが、意外と手間だったので残りは突起を撤去した。
裏から黒瞬間を盛って固定したが、やや強度に不安が残る。
結果的に突起は残した方が良かった気がする。
交換ドアがスチロール樹脂であればプラ用接着剤で融着できるのだが、ざんねんながらABS樹脂だった。
4ヵ所ともドアの交換が終わったら、いよいよオハ35からデッキを切り離してオロ35の側板に取付ける。
その後妻板を取付ける。
レボリューションファクトリー製の時は先にドアを妻板に取付けたが、半ばお試しである。
結果としては、レボリューションファクトリー製方式のほうが良かった様だ。
というのも、側板パーツの重みで、硬化中に妻板とデッキが若干ずれてしまったのだ。
レボリューションファクトリーの説明書の方法にはこんな根拠があったと言う訳だ。
気を取り直して、屋根と床下の工作に入る。
床下はオハ35ほぼそのもので、機器取付けもなれたものである。
屋根上は説明書どおり、トイレ部分のベンチレータがない8つのパターン。
ほぼ等間隔で並んでおり、さして苦労しなかった。
余談だが、トイレ部分のベンチレータは近代化改造時に撤去されているが必ずしも撤去された訳ではないようで、ネット上の写真でも両者が確認された。
ベンチレータはGREENMAXの別売品を使用。
いまさらキット付属のには戻れない(笑)
ここまできたらあとは塗装と内装作りだ。
オロ35には給仕室がなく、トイレ・洗面所も一ヵ所なので、ドア付きの仕切りが3枚で済む。
喫煙室座席や給仕室座席もないので寝台車を組むのに比べたらずいぶん楽だ。
仕切り扉はいつもの方法を使用。近代化改造車なので両面ともクリーム1号で塗装。
椅子はキングスホビー製だ。
椅子板の塗装はスロネ30内装リニューアル同様はレッドブラウンを使用した。近代化改造はしているが、床板をリノリウム張りにしたとの記述がどこにもないため、板張りのままとの解釈だが、実際はどうか判らない。
椅子は青15号に塗装。
白のマーカーで枕カバーを表現した。
洗面所は例によってプラシートで洗面台を表現。壁面の一部を銀に塗って鏡も表現してみた。
内装が終わったら外装だ。
こちらはいつものとおりで、金属部分にプライマーとサーフェイサーで下地処理をした後で、伊豆急ハワイアンブルーの帯にブドウ色2号だ。
なお、プライマーが微妙にABS樹脂を侵す様なので、プライマー塗装時にはドアだけマスキングした。
想定年代が昭和31年から35年頃なので無論正統なのはブドウ色1号だが、塗料の入手性によるものだ。
塗装が終わったらお楽しみのサッシ貼り付けだ。
洋白製のサッシをゴム系接着剤で取付ける。
これによりアルミサッシを塗装せずに済む訳だ。金属光沢なので質感も十分だ。
こうするといよいよ近代化改造車らしい独特の雰囲気が漂ってくる。
なお、トイレと洗面所はちゃんと二段サッシだ。
サッシの後は窓の取付けだ。
トイレ窓はいつもどおり、ヤスリで作った曇りガラスである。
洗面所の方は、サッシの中桟より下は曇りガラス、上は透明ガラスを表現してみた。
曇りガラスには透明プラ板に誤って流し込みタイプの接着剤をこぼした時にできた曇りガラス状のものを使ってみたが、これがなかなかロックガラス風で意外といい感じだ。
後はインレタを貼り付ける。
ナンバーは例によりGMインレタの組み合わせ。
等級表示と所属表記はレボリューションファクトリーのインレタを使用。
ちなみにナンバーはオロ35 62とした。所属は東シナ。昭和33年10月現在で品川客車区に配置されていたことが判っており、おそらくそれ以前に「筑紫」等に使用されたと思われる。
なお、昭和33年10月から多くの急行列車で二等車自由席に元特ロ車が使用される様になった事から、普通列車や団体・臨時用になったと思われる。
あとは内装を組み入れて床板と屋根を付ければ完成だ。
デッキ部分の車体削り込みが不足したのと組み付けが甘かったことからやや車体が太くなってしまった。反省材料だ。
ドアもやや斜めに付いてしまっており角度によって歪んでみえる。
やはり暫く組んでいないと腕が鈍ってしまう様だ。
これからはなるべくコンスタントに組んで行きたいものだ。
写真1枚目:組み立て中のオロ35
初のTAVASA製キット。サッシは後付けのためまだ付いていない。
写真2枚目:いきなり完成w
整然と並ぶアルミサッシの小窓がチャームポイント。現在も辛うじて残る平屋の普通列車用グリーン車サロ211の源流を思わせる。
車体に似つかわしくないHゴムドアもポイントだ。
写真3枚目:車内は転換クロスシート。
我が家に既に在籍している寝台併設の珍車マロネロ38の二等座席と同じ設備である。
主に長距離用として製造され、かつては名士列車や特急列車にも用いられたが、戦後は大形クロスシートの二等車と距離に関係なく混用された様だ。












