とあるところから、「子供の家具」の開発に協力してくれないか、という問合せがあった。

 

やぶさかではない。

いやもちろん、ハードルが低いとも思っていない。

 

以前、「最初のインテリアは、もらいもの」と書いたように、
子供のインテリアなんぞ、本人の主義主張も好みも関係ない、
ご先祖ご近所のしきたりと、親の見栄が入り混じって

ニッポンの混乱した住環境の象徴である。
 

「いや、うちは実用重視だ」というなら、

まさか小学校入学に際して勉強机を揃えたりはしないはず。

 

家庭学習が習慣となるまでの小学生の勉強は、

親が家事をしているリビングやダイニングでするのが一番だ。

勉強机なんぞ、おもちゃに本、学校からもらってきたものなど

ちゃんと整理するまで、積み上げておく、「仮置き場」にすぎない。

 

そもそも子ども部屋も、小学生には不必要だ。

あれは、親のセックスを子どもに見せないがためだけに作られるものだと思っている。

(それはそれで、大事なことだが)

 

あ。閑話休題。

 

まあそれでも、ある時期から、子どもに勉強机は必要になるし、

本やおもちゃ、作品や服など、彼らの財産は増える一方で、

それをどう収納するかは、親の大きな課題である。

 

おもちゃを入れるからと、

おもちゃのような家具を買うことだけは、やめた方がいい。

 

買うなら、大人になっても使えるもの、

むしろそれを使うことで、子供が大人に近づいていくもの。

 

できれば、代々受け継いでもらえるくらいのもの、

 

どうせ一時的なのだから安いもので、と割り切るなら、

処分すべき時期を決めてしまって、1年あたり幾ら、と計算しておこう。

 

シンプルで良いものは、決して高くない、と思う。

 

 

(写真は、10年ほど前の施工例)