「その1」の続きである。
ベーシックインカムを考えるとき、その発想の歴史やアイディアの変遷についても触れないわけにはいかないだろうが、私はその立場ではない。
自分が、なぜ支持するのか、を、まとめていくだけにする。
さて。
ものごとを具体的に考える時には、何かと「比較」するのがいい。
まずもって声を大にして言いたいのは、「BIは福祉政策ではない」ということである。
BIを説明するときに、似たものとして語られるのが、子ども手当、障碍者年金、老齢年金、医療介護費、失業保険に生活保護、といった「福祉政策」だ。
福祉という文字自体は、単なる「幸福」を意味するものらしいが、
現実にはこれら福祉政策は、「弱者」を「救済」するための、「給付」なのである。
福祉政策のためには、所得が少ないとか、働けないとか、
「受給資格の認定」という作業が生じる。
認定の度合によって給付の水準は変わり、
現実とのギャップ、人為的な損得、そして膨大な作業が生まれる。
BIは、福祉政策ではない。
認定作業なくすべての人に給付されるものである。
「健康で文化的な最低限度の生活」を保証するものである。
より安心して、やりたい仕事・なすべきと信じる仕事に、集中し、没頭するためのものである。
先人たちが成し遂げた経済・文化・生活の水準を、権利として平等に行き渡らせる仕組みである。
(その3に続く)