モンブラン 登山 2 今日こそ登るぞ! 3山縦走 | くまこ と くますけ

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8月13日 晴れ   気温20度(シャモニー) 2度(山頂) 風-山頂で少々

いよいよ出発の日。
ぐっすり眠れた。4時過ぎに目が覚めたのでゆっくりと朝食の準備をする。

ここシャモニーでは 6時頃に夜明けになり夜9時頃、日が暮れる。


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暗いうちに起き出し、朝食をアルファ米で自炊する。

おなかにやさしいように雑炊にしておなかいっぱいに詰め込む。

昨日買ったチーズとクロワッサンもおいしい。



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体調は二人とも問題なさそうだ。

6時にアパートを出発。コーディネータの神田さんが迎えに来てくれた。

10分足らずでロープウェイの駅に着く。まだガイドさんは来ていない。

今日来なかったら、「しゃれにならないな。 」などと思いながらロープウェイ待ちの列に並ぶ。



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完全装備の登山者がほとんどだ。 緊張感がみなぎる。

始発10分前にガイドさん到着。「Nice to meet you.」のとたんに改札が始まってロープウエイの中へ。

打ち合わせも何も無くスタートしてしまった。

ロープウェイの中から見ると、朝日を浴びるモンブランが目の前に近づいてくる。



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今日の行程をもう一度頭の中で整理する。

山頂まで累積標高1400m+程度。2つの山を越えてモンブラン山頂まで距離で約8-9km。

距離的には北岳往復程度のはず。全面雪なので雪面の状態と気象によって大きく歩行時間が変わってくるのは日本の雪山と同じ。

途中に1箇所難所の壁が有るが何とかなる。

行くぞ!



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ガイドさんの名前はフィリップさん。

45歳。 前々日にモンブランから降りたばかりで休みのところをかり出したようだ。
71回目のモンブラン登頂になるとのこと。

陽気で仲良くなれそうだ。



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山頂駅が近づいてくる。 標高3800m。



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山頂駅に到着 。 後ろにモンブラン山頂がのぞいています。


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登山者用の出口。 みんな黙々とアイゼンを装着して出発していく。

多くはバリエーションルートで岩登りのようだ。


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コンクリートの端から雪の上に一歩を踏み出す。

緊張の瞬間だ。 写真がぼけてしまった。

最初からエグイ角度でトレースが伸びる。


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クマスケが先頭で降り始める。3人でアンザイレン。

後ろは ローウウエイ駅。


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夜中に歩かないから、良く景色が見える。
これはラッキー

遠くはマッターホルンまでも見えた。
マッターホルンは槍ヶ岳と同じで遠くから良くわかる。


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ロープウェイ駅から200mほど下降して正面の デュ・タキュル山をめざして進む。



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 泊まれなかったコズミック小屋が右上に見えます。

食事がおいしいそうだ。食べてみたかったな。


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雪原にはテントがちらほら。 上に見えているゴンドラはイタリア側への下りです。



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さあ、この山を越えるぞ!


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今回、事前に調べた所、ガイド組合でルールが有り、必要な歩行スピードに満たない、

登坂技術が十分で無いとガイドが判断した場合は、直ちに山を降ろされる。

歩き方も、とにかく休憩は無く降りるまでほとんど止まらず歩き続けるというふうに聞いてきた。

降りてきた他の日本の登山者と話をした時もそのような内容で「へとへとになった、

行動食を食べる時間もほとんど無かった。」と聞きました。

私もふだん国内では、山頂に着くまで休憩はしない、立ち止まるのは写真を撮る数秒と

水を飲む2-30秒程度を繰り返すのみの歩き方をしています。

特別ヨーロッパアルプス用の練習をしているわけでは無いのですが、こういう歩き方の方が速く歩けるのでそうしています。


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登りの途中で振り返ると、ロープウェイ駅が遠くに見える。



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今回のガイドのフィリップさんは、「自分はここのガイドの中ではスペシャルだ。」

「ゆっくり休みながら登ります。(英語)」と言い、実際ゆっくりのペース(登り坂でも話しながら歩ける)で最後まで歩き続けました。おかげで4500mを越えても立ち止まること無く同じペースで登り続けることができました。

さすがに山頂付近では酸素が薄いので馬鹿話をしながら登ることはできませんが。

休憩も1-2時間ごとに3-4分はザックを下ろして、ゆっくり水と行動食を補給できました。

高度順応とかしてないから心配してゆっくりにしたのでしょうか

時々、教えた日本語で「ユックリー、ユックリー」と言いながら、雪坂用の知らなかったステップの歩き方とかを教えてもらいながら登りました。



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小休止。 もう一息で最初の山を越えます。

「ユックリー、ユックリー」 



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これなら くまこの写真もいっぱい撮れそうです。


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あそこをこえれば、最初の登り デュ・タキュル(4248m) が終わります。


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デュ・タキュル を越えます。


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難所 モン・モディ(4465m) の氷の壁が見えてきました。

山頂から右に少し下ったあたりの部分を登ります。


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アップです。 印の部分を登ります。


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少し平らな所があります。



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また休憩。


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モン・モディ の角度が少し変わってきました。



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陽気なガイドさんです。 緊張が緩みます。


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マッターホルンとかユングフラウ?とかだといろいろ説明されましたが、どれがどの山か良くわかりませんでした。もっと勉強してくれば良かった。


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やはり日本の山よりは一つの山の大きさが大きいですね。


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まだ余裕が有ります。


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近づいてくると壁のディテールが見えてきます。

あれ?凍ってないか? 白じゃなくて青いぞ。氷じゃないのあの壁。。。。

見えている人は降りてくる人です。懸垂下降してるように見えます。。。


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難所の手前で一休み。暑くなったのでジャケットを脱ぎます。

くまこ 「登れるかな     」  くますけ 「怖くても怖くない


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どんどん近づいてくると。。。

やっぱり凍ってるよ、こりゃぁ。。


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いよいよ壁の真下に到着。

くまこ 「顔が青くない? 」 くますけ「大丈夫。黒いだけだよ。



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上を見ると、終点が見えないな。

フックスロープが張られているけど、たよって大丈夫かな?。

先にガイドさんが上がって確保するそうです。

「40mと20mを2回に分けて登る」と言って登っていきました。



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ガイドさんが登っているうちに、周りの写真を撮っておきます。


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真下の写真。 写真だと高度感が出ないですが、かなり怖いかも。



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横から見ると壁はこの位の角度です。


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ガイドさんがピッケルを打ち込みながら登っていきます。左端のザイル。

氷の破片が上から降ってきます。

40mで止まるかと思ったら、そのままザイルが伸びていきます。

60mのザイルが終わるぎりぎりで止まりました。

一気に60m登れと言うことのようです。



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上から 「オッケー」の声。

「行くぞ!

くまこ、くますけの順番でふたりいっしょに登ります。

しっかり確保してね!フィリップ様

ほとんどの部分が氷になっていましたが、でこぼこになっていてアイゼンを蹴り込めば

止まりました。右手でピッケルを打ち込み、左手で固定ザイルを持ってじわじわ登っていきます。




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さずがに途中で写真を撮ることはできません。



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無事に壁を越えました

くまこ 「ヤッター。 」  くますけ 「やればできる。

すぐ後ろにモンブランが見えます。



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上から覗いても、取り付き箇所が見えません。

おーこわ。



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ここさえ越せば大丈夫

山頂まで一気に行くぞ



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しゅっぱーつ!

くますけ 「まだ遠そうだな。。。。」

次回に つづく。