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ケトジェニッックダイエットやビタミンDによる免疫力機能強化で有名な斎藤糧三先生のご厚意で温熱療法を体験して来ました。

冒頭の血液写真は、今回の温熱療法を受ける直前と、直後のビフォーアフターです。一目瞭然、温熱療法で酸素を沢山取り込んだ血液は、pH高めの鮮やかな赤色へと一変していました。

温熱療法
温熱療法と一言でいっても様々な種類があります。癌治療において最も有名な温熱療法は保険が適用されるハイパーサーミアですが、これは固形の癌腫瘍を狙い撃ちしてラジオ波やマイクロ波などの熱エネルギーを浴びせ掛け、正常細胞よりも熱に弱い癌細胞を熱でやっつけるというものです。

ソアラアルファ療法
これに対して、今回体験した温熱療法は、全身温熱「ソアラアルファ療法」というもので、私のような複数箇所のリンパ節転移にも効果が期待できる療法です。

実際にどんなことをするかというと、直腸体温を精密にモニタリングしながら温水に浸かり、水温を絶妙にコントロールしながら熱くない温度で体温を2℃以上上昇させると言うものです。

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パウダールームでバスローブに着替えていざソアラアルファの施術室へ。

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長年ソアラアルファの装置開発に携わっている藤井さんがお出迎え。

先ずは血圧、体温、自律神経の検査を行い、採血します。

いよいよ直腸にチューブ温度計挿入。具体的言えば、φ5mm程度のチューブを5cm程肛門に挿入。

キレイな看護師さんに「男性の方は皆さんコレ嫌がるんですよね~」って、女性はどうなんですか?

ま~、若干の違和感は感じるものの痛みもなく挿入完了。
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最初は39℃程度のぬるめのお湯に浸かり、体温上昇を確認しつつ徐々に水温を上げていき、茹でガエルのように気付かぬうちに熱めのお湯で体温を上げるわけです。

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因みに、直腸体温は脇の下で測る体温より0.8℃程度高めだそうです。

何故体温を上げることが癌治療に良いのか、技術的な部分を開発者の奴久妻(ぬくずま)博士(写真右)に伺いました。
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ちなみに写真左は成井先生です。
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1.低酸素応答因子:HIF-1α
がん組織は、低酸素、低pHという正常組織とは異なる特別な微小環境を作り上げてその中で増殖を亢進させますが、特に低酸素が引き金となって発現するHIF-1という遺伝子が、多くのがんの進行に関わることが報告されています。
血液循環が悪いと組織に酸素が届きにくく、低酸素状態になり、HIF-1が発現します。

2.血管内皮細胞成長因子:VEGF
血管を新生する因子をコードする遺伝子で、HIF-1遺伝子の下流にあるため、HIF-1が転写を開始すると続いてVEGFも発現します。
がん細胞は血管のないところでもいったんは増えますが、通常栄養不足になって壊死して事なきを得ていると思われます。この時HIF-1に続いてVEGF遺伝子が発現すると、がん自身が血管を造成し、元々ある血管に繋げて栄養を摂って増えるようになります。

3.マトリックスメタロプロテアーゼ(タンパク質分解酵素):MMP
細胞間の結合織を分解する酵素をコードする遺伝子で、これもHIF-1の下流にあり、低酸素をきっかけに発現します。
結合織はコラーゲンを中心に構成されており、結合織がしっかりしているとがん細胞が分裂してもそこで第一のブロックがかかりますが、逆に結合織が破壊されるとがん細胞は容易に増えることになります。

4.ヒートショックタンパク質72:HSP72
分子シャペロンの仲間で、HSP70ファミリーの1つです。
HSP70ファミリーには、普段から存在している構造型タンパクのHSP73と、熱を加える等の非常事態が起こった時に産生される誘導型タンパクのHSP72があり、HSP73はどちらかというとタンパクの合成から分解までのお世話をするシャペロン的仕事をし、HSP72は非常事態の時にタンパク変性を防いだり、免疫増強を後押しする仕事をしています。
がん細胞は元々自己の細胞なので、免疫細胞が異物と認識しにくい場合がありますが、HSP72は細胞膜上にある個体識別のための主要組織適合性抗原複合体と呼ばれる分子を介してがん細胞表面に異常細胞であることを示すがん特異的ペプチド抗原を提示します。そうすると、T細胞(特にCTL:細胞障害性Tリンパ球)は提示されたペプチド抗原を異物と認識し、がん細胞を効率よく攻撃することができます。
それに加えて、リンパ球や樹状細胞の中に産生されたHSPもそれぞれの異物認識能を上げ、白血球のがんエリアへの動員を誘導して免疫を増強すると言われています。
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更に詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://soaratherapy.org/mechanism

ヒートショックプロテイン HSP72の活性なんですね~!

分子シャペロンとは、遺伝子情報に基づきリボソームで結合された不安定なアミノ酸の結合列を、安定した立体形状のタンパク質に導くガイド役のペプチドで、細胞が作り出す様々なタンパク質が正常な状態で完成するように細胞内で働いている黒子です。その中にヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)という高熱になると働き出す特殊な種類の分子シャペロンがおり、特にHSP72は癌細胞に対して異常物質である事を知らせる為のマーカーを付けるなど、癌治癒に結びつく重要な役割を担っているという事です。

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以前、免疫治療を調べた際に、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やT細胞など、免疫細胞の役割を知りました。単純に免疫細胞を増やすだけでは意味がなく、ヘルパーT細胞が癌細胞を敵と見なして攻撃命令を出す事が重要で、攻撃命令を受けて初めて免疫細胞は癌細胞を攻撃します。

癌細胞は元々自分の細胞なので、免疫系が異常物質と認識出来ずに見過ごされて大きくなっていくので、ヘルパーT細胞に癌細胞を異物認識させる事が重要なわけです。

患者本人から摘出した癌細胞の特定タンパク質を本人から抽出したT細胞が異物認識するよう誘導培養し、そのT細胞を身体に戻す最新のT細胞免疫療法があり、いよいよ駄目そうな時には試して見たいと考えていました。

しかし、このT細胞免疫療法のネックは治療費で、1ショット約300万円掛る事を知り、先ず他の方法をいろいろ試して見て、それらがダメだった時の最後の砦のように考えていました。

このソアラアルファの利点は治療費かも知れません。確実にヒートショックプロテインHSP72を発現させ癌細胞を異常物質認識させる事が出来れば、300万円の免疫治療と同様のT細胞活性を生体システムを活用する事で実現できるわけです。

約30分、徐々に体温が上がり、それに伴い脈拍も上昇し、水温を熱いとは感じないものの、お風呂から出たい誘惑に駆られて来るタイミングで藤井さんが冷蔵庫からキンキンに冷えたミネラルウォーターを飲ませてくれて、これまたよく冷えた濡れタオルで顔と頭を冷やしくれました。
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ここからは水温を下げて行きますが、体温は惰性で上がっていきます。
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約40分後、37.5℃だった直腸温度は目標の2℃アップを達成して施術終了。再度検査の為の血液採取と自律神経の測定を行い、パウダールームのシャワー室で身体を洗って全て完了となります。

冷水シャワー浴びましたがなかなか汗が引かず、文字通り芯まであったまるとはこういう事かと感じました。

問診から診察、実際の施術、帰宅の身支度、全てやって2時間弱の温熱療法体験でした。

血液検査や自律神経のビフォーアフター報告書は次回いただけるそうですので、入手次第ブログにアップしたいと思います。

翌朝はいつもより熟睡でき目覚めスッキリでした。驚いたのは、風呂上がりに汗が引かず、代謝アップを実感出来た事でした。

免疫力アップには体温を上げることが重要なのはなんとなく知っており、温泉や岩盤浴にも積極的に通っていましたが、体内温度2℃上昇でガンに対する治癒力が活性化する科学的メカニズムが理解でき、実体験できた事は貴重な体験でした。

体内温度2℃上昇を実体験してみると、温泉や岩盤浴でセルフ温熱療法をやったら、間違いなくぶっ倒れるだろうと言う事も分かりました。

体内温度を何度上昇させればどうなるかを分子生物学的に研究検証され、如何に効率的に無理なく人体の体内温度を上昇させる事ができるかのデータを蓄積し、そのノウハウを装置に落とし込んだソアラアルファ療法は、これ以外の癌治療との併用でも相乗効果を発揮すると感じました。

特に私が今も継続している高濃度ビタミンCやオーソモレキュラー(分子整合栄養療法)との相性は良さそうな感じです。

ソアラアルファ療法の癌治療1クール8回/月はとてもリーズナブルな料金設定のようです。興味があれば是非お問い合わせして見て下さい。回数を重ねる毎に体温が上がりやすくなり、自律神経の交感神経/副交感神経バランスが改善され、成長ホルモン分泌が促進され、ヒートショックプロテインが発現し、血液をアルカリ性にする事で、ガンへの治癒力をあげると言うことです。

キャンテクト 癌の関連遺伝子検査による癌リスク評価テスト
CanTectというガンの関連遺伝子のON/OFFを調べてガンリスクを数値で示す検査があります。ガンの関連遺伝子にはガンを促進するものと抑制するものがあり、促進する遺伝子が全てOFF、抑制する遺伝子が全てONならガンにはならないわけです。遺伝子は先天的に決定している部分と後天的にいろんな環境によってON/OFFが切り替わるものがあります。考え方や精神状態、食べ物や生活環境など、様々な要因によって遺伝子のON/OFFが切り替わる事をエピジェネティクスと言うらしいですが、このエピジェネティクスによってガンを抑制する遺伝子セットに切り替えることができれば、ガンを治すことも可能になるわけです。

実はこのソアラアルファ癌コースは、ビフォーアフターでCanTectの癌リスク値が低減することが確認されています。ということはエピジェネティクス的にガンを抑え込むことが証明されているということになります。


翌日の朝風呂上がりに汗が引かず、会社を遅刻してしまいましたが、1クール8回やったらどうなるか楽しみです。

今回お世話になったのは、五反田東口のサーモセルクリニックさんです。


サーモセルクリニック
http://thermo-cc.com
http://tai-on.com/thermocellclinic.html
東京都品川区東五反田5-25-19 東京デザインセンター2F
TEL:03-6455-7181 (11:22~20:00)
JR五反田駅 東口より徒歩3分
都営地下鉄浅草線 A7出口より徒歩30秒