お位牌のはなし | 伊丹のおくりびと

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伊丹市の幸せ創造企業 速水葬祭二代目創業者 速水英城です。
色んな所で様々な人々に支えられご縁を頂き毎日を過ごしています。
感謝を込めて綴ります。

 





街は迎春ムードも落ち着き

日常に戻り始めたと思ったら

明日からはえべっさんモードですね。





全く話しは別ですが、

今日はお位牌について書いてみたいと思います、









大きくは二つに分ける事ができます。

一つは亡くなってすぐに用意をする

白木の位牌(内位牌とも)。









もう一つは

ずっと代々守っていく漆塗りの位牌(本位牌)。





その二つについてですが

まずは白木のお位牌の話し。




誰かが亡くなりその方が仏教徒であれば

仏式でお送りします。

その時には僧侶に来て頂いて

戒名(法名)を頂き、お経を上げて頂いて

各宗派の葬送勤行の作法に基づいて

葬儀は進められますね。



その時に頂いた戒名を書くのが

「お位牌」と呼ばれる

木で作られて自立するお札みたいな物です。




写真でどうぞ(寝てますが)

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戒名(法名)を頂いて仏弟子や仏さんになられるので

その下には蓮が施されています。





「位牌」は鎌倉時代、禅宗が伝来する時に一緒に入って来て

江戸時代に定着化したとも言われています。







しかし日本に来るまでの仏教では位牌は用いられず

中国を経て日本に伝来する時に儒教の神主とごっちゃになり

更には

霊の依代(よりしろ)という古来の習俗仏教の卒塔婆が

ごっちゃになって今の形になったとも言われています。







いわゆる日本独自の風習なんでしょうね。






ちなみに、

浄土真宗では白木のお位牌を作らない事もあります。

というのも、元々浄土真宗では位牌を奉らないのです。

(その事についてはまた別の機会でお話しします。)



そんな浄土真宗の作法ですが

本来の作法を守って半紙など紙に法名を書いて

お位牌に貼るお寺さんや、紙に書いた法名を

額縁に入れてお飾りするお寺さんもいますが

殆どのお寺さんは世習に合わせて

白木のお位牌に法名を書かれる場合が多いですね。





一度、浄土真宗の住職さんにお聞きした事がありますが

その時のお返事は

「宗派の書物にも『位牌を用いない』と書いてあるが

『用いてはだめだ』とは書いてないから構わない」

のだそうです。







なるほど。。。





それでは、

なぜ四十九日の間お飾りする位牌は白木なのか。。。





それは

「お葬式が急な出来事で、取り急ぎの準備だった」

「お葬式の準備はするものでは無い」

事を演出しているかららしいです。







それと同じ理由から来る事柄として

「御香典に新札を使わない」

「御香典と書く墨も薄墨を使う」

「瀬戸物も色付けをせずに白いまま」

「祭壇道具なども白木の彫刻」

「喪服の仕付け糸も付けたまま着用」

などなど、他にも多数、、、、。

如何ですか?

幾つかは聞いた事がありませんか?





実際に漆塗りなどの本位牌を用意しようとすると

10日程かかるので、「なるほど」ですね。





それでは

二つ目の本位牌について





地域によって様々な種類があります。





まずは一般的な漆塗りの位牌。

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そして黒檀や紫檀など「唐木」と呼ばれる

材質でできたお位牌

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続いてはデラックス版。

マッキンキンの金位牌

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写真で見えている表には

戒名を書き、裏には俗名や年齢を書きます。







そして、これもよく見かける

繰り出し型の位牌

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この繰り出し位牌は

薄い木札が何枚か入っていて

その木札にそれぞれご先祖さんの戒名が

一人分ずつ書かれています。



上の方の写真のような

一人用のお位牌を使っていて

お仏壇の中が位牌だらけになった時に

まとめる為に用いられたりもします。





ちなみに

お一人様用のお位牌は

戒名を書いているのではなくて

彫刻をして文字に色を入れているので

作るのに日数が必要なんですね。





最近では連れ合いが亡くなり

お一人様用のお位牌を作る時

戒名を間ん中に書かずに

少し横に寄せて書き

自分が亡くなった時には

その反対の空いている所に

戒名を書いて頂くという

「夫婦位牌(めおといはい)」

を作る方もおられます。





「主人が入っている墓には一緒に入りたくない」

などと仰られるご婦人が居られる中

一緒の位牌に並べて入ろうだなんて

仲睦まじい、良いお話だと思います。