障害者自立支援法で定める福祉サービス利用料の原則1割負担(応益負担)は「生存権を侵害して違憲」として、埼玉県内に住む障害者12人が、国などに負担廃止などを求めた訴訟は24日、さいたま地裁(遠山広直裁判長)で和解が成立した。他に同種の訴訟を全国13地裁に59人が起こしたが、原告側と国は法を廃止することで1月に基本合意。4月までに各地裁で順次和解が成立する見通し。

 和解内容は「基本合意」に沿い、▽国は速やかに応益負担を廃止し、2013年8月までに新制度を制定する▽国は、障害者の意見を十分踏まえず拙速に制度を施行して障害者の尊厳を深く傷つけたことに、心から反省の意を表明する▽新制度制定に障害者が参画する--など。

 障害者自立支援法は自公政権下の05年10月に成立した。

 収入に応じて福祉サービス利用料を支払う「応能負担」から、障害が重いほど負担が増す「応益負担」に転換したため、多くの障害者が「生存権や平等権を定めた憲法に違反する」などと反発。政権交代後の昨年9月、長妻昭厚生労働相が法の廃止を表明し、国と原告、弁護団が基本合意を締結した。【飼手勇介】

 ◇障害者自立支援法◇

 「小泉改革」の一環として05年10月に成立した。身体、知的、精神の3障害に対する福祉サービスを一元化し、障害者が自立した生活をできるように支援することが目的。一方で、財源を安定させるため、収入に応じて福祉サービスの利用料を支払う従来の「応能負担」を転換し、収入に関係なく利用料の原則1割を自己負担する「応益負担」を導入した。

【関連ニュース】
障害者自立支援法訴訟:来月21日に和解成立 東京地裁
障害者自立支援給付:新宿区が「65歳以上認めず」の内規
障害者自立支援法訴訟:東京訴訟、来月21日に和解成立
まちかど:障害者の自立促進 吉川に通所施設オープン /埼玉
なるほドリ:障害者自立支援法廃止で福祉の行方は? /滋賀

<飲酒運転>都内の「死亡事故ゼロ」83日 厳罰化の効果か(毎日新聞)
築地市場移転で都譲歩、民主は予算案賛成へ(読売新聞)
普天間移設、2案で調整…関係閣僚会議(読売新聞)
首相「企業団体献金の禁止に踏み込み根っこを絶つ」(産経新聞)
スーパーで万引き、車で逃走…容疑の教諭逮捕(読売新聞)
 共産党機関紙の配布が国家公務員法違反に問われた事件で、旧社会保険庁職員、堀越明男被告(56)を逆転無罪とした29日の東京高裁判決は、国家公務員の政党機関紙配布などを一律に禁じた同法や人事院規則、それを合憲と認めた最高裁判決(74年、猿払(さるふつ)判決)に疑問を投げ掛けた。検察側は上告するとみられ、最高裁が今後、判例を見直すかどうかが焦点になる。

 猿払判決は、職種、勤務時間内外などの区別なく政治的中立性を損なう行為の禁止を認めた。今回の1審判決や、警視庁官舎に共産党機関紙を配布したとして同法違反に問われた元厚生労働省課長補佐に対する東京地裁判決(08年9月)はこれを踏襲した。

 29日の判決は、猿払判決から30年以上が経過して国民の表現の自由に対する認識が深まり、西欧諸国が国家公務員の政治活動を緩やかに解釈していることを指摘し、一律の罰則適用は違憲と判断。堀越被告の場合は▽管理職でない▽休日に配布した--ことなどを無罪の理由とした。元厚労省課長補佐も休日に配布しており、同じ枠組みをあてはめれば、「課長補佐」の地位や職務内容が結論を左右することになる。

 一方、政治的ビラの配布を巡っては、ほかに(1)市民団体の自衛隊イラク派遣反対ビラ配布事件(2)僧侶の共産党ビラ配布事件--がある。いずれも住居侵入罪に問われ、最高裁で有罪が確定した。ともに建物に立ち入ってドアポストに配布しており、最高裁は「管理者の意思に反し、住民の私生活の平穏を害する」と断じた。集合ポストに配布した堀越被告は住居侵入罪に問われず、元厚労省課長補佐も同容疑は起訴猶予となっている。【北村和巳】

【関連ニュース】
政党機関紙配布:旧社保庁職員に逆転無罪 東京高裁判決
放火:暴力団幹部に無罪判決 奈良地裁「証明不十分」
詐欺ほう助:東山魁夷贋作の被告に無罪判決 岡山地裁支部
覚せい剤:被告に無罪判決、譲渡相手の供述変遷 岐阜地裁
無罪判決:東山魁夷贋作の被告に--岡山地裁支部

21日夕にかけ暴風や高波、落雷のおそれ 気象庁(産経新聞)
<バイオ燃料>アオコから高効率抽出…従来の70倍に成功(毎日新聞)
10年度予算が成立=過去最大92兆円-税制改正も、たばこ10月値上げ(時事通信)
子供向けアクセサリーから鉛検出=誤飲注意、呼び掛けも-消費者庁(時事通信)
元家裁書記官詐欺事件で懲役11年の判決 さいたま地裁(産経新聞)