つながりの書07 1-4『マッチングの極意』2/3 | 地球が喜ぶ仲間を作る! at 千葉県で自然な生き方の追求と普及

地球が喜ぶ仲間を作る! at 千葉県で自然な生き方の追求と普及

『1000年先へつなぐ地球家族』をテーマとし、地球人としての理想的な生き方を追求していく活動期

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第1章 マッチング事業
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そこから100mほど離れた別のカフェで

僕は少し前に出会った人の紹介で
南さんという女性と会う事になっていた。

次のカフェは僕が提案した
オススメのカフェだ。

渋谷の街中であるにも関わらず、
ナチュラル感満載なのだ。

店の中に小さな川が流れており、
椅子は柔らかい竹で出来ていて座り心地が良い。

BGMには鳥のさえずりも聞こえて
とても落ち着く。

坂道に面していて、外からは少し見えづらいのも
秘密スポットのようでいい。

僕はそこのメニューで大好きな
ブルーベリーラッシーを注文して南さんを待った。

すごくいい人だからと言われていたが、
僕は複雑な気持ちだった。

なぜなら紹介してくれた人は、
「南さんも自分と同じネットワークビジネスをやっている」と
言っていたからだ。

ネットワークビジネスというのは

口コミで良質な商品の魅力を伝えて、
伝えた相手が商品を買うようになった時に
その報酬として広告料をもらうというビジネスだ。

昔問題になったネズミ講と似た性質があるせいか、
世間でも良くないイメージを持つ人も少なくない。

僕はそのビジネスをやっている多くの人とも
出会った事もあるし、
何社もの説明会にも行った事がある。

僕自身も少しかじった事があり、
全うなビジネスだという認識もある。

だけど、あまり好きではない。

自分の権利収入のために
相手の状況や価値観を無視して
我欲のために勧誘する人が多いからだ。

勧誘しか考えていないような人と接するのも嫌だったし、
その業界について論議するのも疲れる。

一言で言うと、
その辺りと関わるのが面倒なのだ。

「どうも、はじめまして~」

微笑みながら南さんが現れた。

「あ、はじめまして」

僕は少し立ち上がり、挨拶をした。

「ちょっと待ってね、買ってくるから」

タメ語だったが、
とても自然な感じで嫌な気はしなかった。

南さんはハーブティーを買ってくると
椅子に浅く座って背もたれにもたれて、

軽く伸びをした。

「あー、疲れたー」

「マイペースですね」

「ごめんね、さっき変なおじさんに会ってさぁ」

僕はそのマイペース加減に
とても好感を持った。

僕は自己紹介をして、
南さんの質問に答えた。

和やかなムードだった。

15分くらい経っただろうか、
僕ばかりが話しているような感じがして、
僕は質問を返した。

「南さんは何をやってるんですか?」

「聞いてると思うけど、
 ネットワークビジネスって知ってる?」


「はい、いろいろ情報は入ってきますから」

「そう、それやってる。
 何かいろいろ出会いがあってねー」


「何人か紹介して下に付いているのですか?」

「グループは今、300人くらいかな~」

「え! そんなにいるんですか? すごいですね」

「なんか、いつの間にかね~」

「前は何をやってたんですか?」

「デッサンをずっとやってて、
 今はほとんど使ってないけどアトリエもあるんだよ」


「え、アトリエもあるんですか?
 すごいですね」


「家の1階だけどね」

「僕、絵心が全然ないんですけど、
 どうしたら上手く描けるんですか?」


「例えばこのコップがあるじゃない?」

「はい」

「なんて言うのかな~、
 コップの周りの空気を描くんだよね」


「空気ですか?
 何をわけのわからない事を言ってるんですか?」


僕は冗談半分でツッコミを入れた。

それくらい接しやすい人だったのだ。

対面で話していても、
横に並んで話しているような親しみを感じた。

それから雑談をしばらくして、
僕はある事が気になって聞いてみた。

「あの、ところで、誘わないんですか?」

「何に?」

「ネットワークビジネスやってる人って、
 誘うじゃないですか」


「うーん、誘うことに意味ないからね~」

この人はすごいと思った。
人間性で人が集まってきているのだ。

しかも、ごく自然体だ。

僕が今まで出会ってきたビジネスマンは、
気合や意気込みが前面に出ていて

作った自分で人と接していた。

少なからず僕もそうだ。

でもそれが人と深く関わる上で、
壁となっているのかもしれない。

2時間くらい話をした。

僕はもう少し話したくて、
一緒に駅に向かう事にした。

「そうそう、さっき、
 良いカフェを探してるって言ってたじゃない?」


「はい」

「近くに1件あるから場所教えとくよ」

「あ、ありがとうございます」

南さんは、相手が求めている事で自分ができる事を
してあげるのを普通としている。

しかもネットワークビジネスをやっているにも関わらず、
一切誘わない。

僕はそのスタンスと人間性に感激して、
気が付けば何人もの人を南さんに紹介するようになるのだった。

良い出会いは続いた。

いや、面白い人、
いや、キャラクターと言った方が近いかもしれない。

稀に見るこういうキャラクターのお蔭で、

僕は営業やマッチングの極意
身を持って学ぶ事になった。

⇒つづく

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