戦争遺跡 高知県香南市 旧陸軍地下壕 その1


先日は、高知県香南市の戦跡調査に行きました。


今回は、太平洋戦争末期の本土決戦用陣地

旧日本陸軍、第百五十五師団歩兵四四九連隊(護土)第二大隊が任務に就いた地を調べます。



この地は、大型の塹壕や潰れた地下壕などがあり、多くの自然木や竹が生え、全く管理されていない到底真っ直ぐに歩けない様な場所…




その様な所に、地下に通じるボストンバッグほどの狭い穴を発見…





中に入ると真っ暗…数メートル先は、もう闇…

カメラのフラッシュは奥まで届きません。



昔、装備がまだないころは、カメラの一瞬の光をたよりに壕に入ってたことを思い出いました(悲)。


仕事仲間の発掘調査員Tさん、早速何かを発掘しました。





次に土中に木を発見!一つ見つければ、約90~100cm間隔で、ガンガン掘っていきます。


真っ暗な中での作業中に「明日仕事かぇ?」なんて普通の会話あり!


壕中、ひとりぼっちの調査発掘時の空気とは大違いです。




これは…枕木?

トロッコレール用の枕木かもしれません。

地中5~10cnの所に埋まっています。上土は柔らかく自然堆積した感じです。発見者の彼は、足音の違いでこの木を発見しました。凄い!




太平洋戦争中の地下壕土中にて、70年以上前の丸太を発見!さすがに表面は腐りにて、やせてしまっていますが、大きいところで直径約15㎝、長さは2mほどありそうです。


今まで、たくさんの壕を見てきましたが、土中の枕木は初めてです。

壕内部の崩落を防ぐ目的で使用された柱や梁、板などが残る壕は、希にありますが、土中の丸太は…


天井の崩落は殆どないので、長年の堆積物で埋まったと思われます。




しかし、不思議です。

カスガイや、裸になった電線なども出土したので、恐らく上物構造物の柱などあったと思われますが、それらの木材は見当たりません。

よく、戦後、地元の方達が、壕中より取り出し、再利用される話しはありますが、この枕木は出されていません。


もしくは上物の全てが腐ったのでしょうか?壕中の湿度は、それほど強くないので、その可能性は低いと思いますが…とにかく、残っていることが不思議です…





側壁に、柱用の目立った等ピッチの窪みは、無い様です。




側孔が左右に数本ありました。



このカッチリと壁や天井が■型で残っているのは、貴重です。


掘ればまだ何か出てきそうな感じです。



近くのトーチカにも寄りました。



こちらの地下壕は、今日もたっぷりの水を蓄えていました。


ここ香南市の戦争遺跡に関する取り組みは素晴らしく、グングン加速しています。


激熱香南市Mさん!

自分たちは間違いなく、その動きに触発されています!