少年から男に

こんばんは、Heleneです虹





実は、ヴェスパシアーノ話は終わりが先に見えていました。

ただ、

そこに、どうしてたどり着いたのか
ヴェスパシアーノの中身は本当にシスか
それならば何が目的だったのか?

を知りたかったので、ほじくり返していました。

あくまでも、私の変性意識下での体験でありますので、私の受け取り違いや、フィルターが確実に入っていると思います。

一つ前の記事で、シスと話をした際に、オリオン時代とヴェスパシアーノとのつながりをなんとなく言っていました。


その流れから、ヴェスパシアーノの話に入ろうとしたら、いきなり単刀直入に、言葉を飾りもせずに、来ましたよ。


『他の誰でもない、私が

「私に女というものを教えろ」

と、命令した』


『は?
いきなり、それ?!』


『修道院の話が出て
私が、サッビオナータ伯として世間に認められ
大人として扱われるようになれば、君は早々に身を引くだろうとわかっていた

君の中に、宮廷生活を厭わしく感じている部分があるのを、私は感じ取っていた

そして、同時に、神に祈って生きるようなそんな生活に心惹かれていることも

何も手を打たなければ、数年もしないうちにそれが現実になる

私は宮廷で認められ、皇帝の信頼を得て、地位を築きつつあったから』


『だからって、女を教えろって…』


『「いずれ、私は誰かと結婚するだろう

あなたは修道院に入って、私から離れるという

でも、どうせ修道院に入って世俗から離れるならば

その前に、私の面倒を見てきた仕上げに、女性と二人になっても恥ずかしくないよう
初夜で何があっても戸惑わぬよう

私を立派な男にする責任がある

私はその辺の娼婦や面倒な女を相手にするつもりはない
その点、あなたならば安心だ

あなたの修道院にゆくという望みはその後に叶えればいい」

そう迫った』


『良い子のヴェスパシアーノから、いきなり、計算高くてブラックなヴェスパシアーノになった感じだわ…』


『そう。
私の気持ちを君はずっと子供の恋慕だと思っていた
私を男としてみようとしなかったし
私から去ろうとしていた

引き止める方法に何がある?

君が私に女を教える、ということは
君が、私に、君の理想の男を教える、ということ

私は君によって男になり
君のことを知りつくし
君のただ一人の男になる


君は真面目で、素直で、私を立派な男に育て上げることに情熱を持っていた

私は賢く、勉学ができる。
剣や槍を持てば強く、軍事に優れ、要塞などの建築にも才能があるのを認められつつあった

しかし、女性にはうぶで、どう振る舞えばスマートか分からない
まして、女性と一夜を明かすときに、どうすればいいのかわからない
どう女性を喜ばせたらいいのかわからない

そう主張した

君がその先生になるならば
私はその役目が終わった君を適当な修道院で一生安心して暮らせるように手配する、と言った

そんなつもりはさらさらなかったけれど

男と女の関係に持ち込みさえすれば
なんとかなるはず、という気持ちがあった』


『私、受け入れるのはバカだと思うわ』


『そう。
君は断った

それならば、君は私の世話係をずっとし続ける
修道院はなしだ、と、脅した

それに…
君の立場から、主の命令を断ることは本来は許されない

揉めた末に、私も脅したりしたし、最後にはそれを引き受けさせた』



結局、私はそれを受け入れた。

私が見た断片は。

二人きりの場面で…

くちづけの仕方を教える。

最初は、少し唇がふれあうような羽毛が触れるようなものから
唇をただ合わせるだけ…
唇で相手の唇の感触を楽しむようなものから
舌を使ったようなもの…

毎日一つづつ進んでいって
最初は、毎日、レッスンの時間を決めてその時だけだったのが
人目を忍んで彼がキスをしてくるようになる


少し進んで。

女性の体を見せるのだと、私は彼の前で服を脱いでゆき、最後には一糸まとわぬ姿になって

それを見た彼がため息をつく…
ただ賞賛の目を向けられ…

絵画や彫刻では女性の裸体をいくらでも見たことはあっても
生身の体は初めてで

恥じらう私の体を隠そうとする手を避けて
私の体に恐る恐る触れ…



今の私はふと思う。

そう言えば。

シスも、女を知らない童貞だったなぁ、と。
どっちも、私が男にした?

そして、どっちも、一糸まとわぬ姿を見て、裸に興奮してたっけ…とか。

変な共通点を見つけたり。



そして。

これが一番悩ましいけれど。


場面を切り替えて出てきたのは。

ベットの上で組み敷かれた私。

甘い快楽に溶かされて、ベットのシーツの上で悶えながら
自分から手足を絡ませて、彼に応えている


『ああ…ヴェスパシアーノさま…』


とか、喘いでいる。

もう、教えることなんてないけれど
彼は覚えが早くて、若くて、エネルギッシュで


まだ、彼くらいの年の頃
身分の少し上の素敵な男性に情熱的に言い寄られて
私は恋に落ちて
あっという間に一線を越えてしまった

まだ、何も知らない無垢であった私に
その人は性の悦びを教え
私は次第に自分の恋する男性とのセックスに夢中になり
みだらなことすらも喜んでその人のためにするようになった

それは、その人の女遊びのクセであって
無垢な娘を、自分の手で淫らな女に変えるというもので

目的を果たすと、興味を失う

そんなその人の性癖を知り
私に囁いた甘い言葉が全て偽りだと知って

愛や結婚といった言葉も全て偽りで
その人との間にあったことは全てが私にとっては苦い思い出だったけれど。

それでも。

私は、自分の中に快楽に溺れる女の顔があるのを知っていて。

それを今までずっと隠して、忘れようと生きてきた。


ヴェスパシアーノは、一度それを覚えてから。

性欲を我慢することが出来ない、勉強に集中できないという理由で、私を毎晩のように抱くようになった。

回数を重ねるたびに、彼は上手になっていって。

私はそれを拒むことができなくなっていた。

一度は忘れようとした、自分の別の顔を私は思い出してしまった。

(つづく)
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