言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:
それは古より伝わりし


この《世界》の理。



voice-10


ヴェイグラン=シージス=アリエス。


豊かな緑に包まれた《世界》



人々の笑顔に包まれて



争いの無い《世界》——



“だった”。



「数百年前から……この世界は変わってしまったんだ」


地は割れ



波は荒れ



木々は枯れ



人々は死に



絶望に包まれた。



僅かに残された緑を巡り、戦乱に包まれる世界。


人々は魔術を編み出し


自動人形——オートドール——を産み出し……



血にまみれて行った……



そんなある時に現れた———…一人の女神。


彼女は数多の精霊を従え、この世界に平和をもたらせた。



彼女は言う。



“私が在る限り、この世の治安は守られよう”




「平和が約束された世界———女神との約束を守るために、数人の“守り手”が生まれたんだ」




女神と同等の力を宿す“神体”———




その“神体”を守る“守護者”たち———


彼等の活躍もあり、世界の平和は続いていた。



しかし




「最近のことさ。
———“神体”が消えたんだ」
「消えた…?」


代々の“神体”が住む“大神殿”———数人の強者が護るそこから、“神体”が消えた。


“神体”の失踪を原因に、世界に“守護者”は散々となり———


世界を《守る》力が失われつつあるのだ————



「それって……大変なんじゃないのか?」
「いんや?実は《世界》が再び乱れるのはまだ先なんだ。
《世界》が安定するのに時間が掛ったみたいだからね。
《世界》が崩れるのにも時間が掛るんだよ」

納得したような陸。
だが、疑問を口にした。

「何故僕らにそれを話したんだ?」
「———“女神”の言葉って噂の伝説があってね」



異界より来たりし聖なる乙女———



“神体”と心を通わさん。



「それがあやめだと?
——証拠はあるのか?」
「ある。さっき、あたしの“コレ”が光ったろ?」

と、リアが腕を見せる。
そこに刻まれた刺青は、今は何の輝きもない。

「“コレ”はね、“守護者”の証なんだ」
「な……っ!」
「あたしは“焔の守護者”———といっても、なりたてだけどね。
“異界の乙女”と“神体”は通じてる。
“乙女”と“守護者”は———反応し合うってね」

にっと微笑むリア。
あやめは小さく言った。

「“乙女”が私だとして———私は何をすれば良いんですか?」
「あやめ……」

微笑みを崩さないリア。

「簡単なことさ。世界に眠る精霊たちの解放。
そして、散々になった“守護者”を集め———大神殿から消えた“神体”を探す」
「探すのは良いとして……精霊の解放って…なんですか?」

リアは棚から一冊の書物を取り出した。
あるページ広げ———それを見せる。

————陸に。


「“乙女と共にこの地に降りし者、乙女を守る騎士と成る。
一人は魔法を操(く)る魔剣士と成らん。一人は剛の力を操る剛戦士と成らん”
———あたしは、その魔剣士ってのが、リクな気がしてね。
魔剣士は魔術士でもある。この本が読めるハズだ。
精霊解放の仕方は———コレに書いてある」
「———っ!?
あぁ……確かに読める」
「陸くん……何て書いてあるの……?」

陸はその言葉を口にする。


不思議な気持ちだ……


さっきまで何が何だか解らなかったのに———



今は、随分と落ち着いている———……





「我、失われし力を解放せし者なり。
我が右手に魔剣を。
我が左手に刻印を。
そして、彼の乙女に———契りの結晶を与えん。
約束の時は来たれり。
今こそ——女神よ。
御身の力を、我らに」




キィン




一瞬、高い音がした。


その直後。




カアァアァァァ……




「な…!」「え…」
「やっぱね!大当たりってか!!!?」


本から光が溢れる。
その眩しさに目を閉じる二人。

だが———何かを感じた。
暖かい、何かを。



「——?」
「あ——」


目を開ける————そこには


「これ、は……剣…?」


美しい装飾の施された、白銀の剣だった。
角度によって光り方を変えるその剣は———どこか神秘的な《何か》を放っていた。


「綺麗……」

一方のあやめの首には、ひとつの首飾りがあった。
金色の鎖に付いているのは、深い深い漆黒の宝石。
僅かな銀が宝石にくくりついていて、その輝きは———美しい。


「やっぱ本物だったね!
でも……あと一人…剛剣士は、居ないのかい?」
「僕らの他に……あと二人。
恐らくこの《世界》に来ているはずだ」
「二人?……一人のはずじゃ………」

首を捻るリア。
そんな彼女の疑問を打ち切るように、あやめは言った。

「あの……何か、感じませんか?」
「———僕も感じる」

うひゃぁ、と手をぷらぷら振るリア。
顔は、心底嫌そうだ。


「すっごい殺気だなぁ…
今の魔力を感じて、《闇》が動き出したね……
この家は捨てた方がいいか」
「《闇》?」
「“神体”を拐ったって言う噂があるんだけど…
つまり“守り手”の敵みたいなモン。
今時《世界》の滅亡を望む、馬鹿な奴らの集団だよ」

馬鹿げてるよね、とリアは言う。

「とりあえず———焔蛇を飛ばして……ビアへの連絡は大丈夫だろ…
———森を抜けた先に、小さな神殿がある。そこまで、とりあえず走ろう」

弓矢と、部屋の隅に置かれた古い鞄を持ち、リアは窓に手をかけた。

「いい?あたしが合図したらこの窓を開くから、リクはアヤメを連れて森を真っ直ぐ進む。
あたしもすぐ後ろからついて行くから」
「———判った」
「はい……っ」


あやめは首飾りをしっかりと握り、陸は剣の柄を握る———すぐに抜けるように。

「行くよ——3——2——」


あやめを守れるように。


「1」


生き残るために。


「行くよ!」


バン……っ!


窓が開くと同時にリアが弓を放つ。
弓は焔を宿し———家の周りにざわつく《闇》の者たちを燃やして行く———

「あやめッ!!」
「う、うん!」

窓から出たあやめの手をしっかりと握り、陸は走る。
リアが作ってくれた敵のいない《道》を、真っ直ぐに走る。
すぐ後ろに、リアがいるのが解る———逃げ切って、みせる!


がさ……っ


「!」


前の茂みから、3人の黒い人影が飛び出た。
2人をリアの矢が捕えたが———1人は……

「リク!アヤメ!」



「———ッ」
「陸くん……ッ」

陸は剣を抜いた。


———人を斬るのか?


———僕に


———斬れるのか……?


「陸くん!前ぇっ!!」

「く———ッ!!」


《黒い人》は、剣を振り被る——やられる……!!!!


そう思った途端


「!」


陸の左腕が、光った。


そして、頭によぎる……言ノ葉。


「ッ疾風(かぜ)よ、薙ぎ払え!“エメラルド”!!」


ゴゥ


強い風が吹いた。


《黒い人》が、消えた。



「え——ッ?」
「風が——」
「リクの魔法の力だ!
———早く逃げるよ!!」

助かった。


そう思ってはいけない。




まだ





逃げ切れていないのだから。








—————————————


久々すぎな更新です(笑)
いやぁ~めっちゃくちゃ趣味に染まった内容でスミマセン…
とりあえず、精霊も守護者も十何人くらいはいると思います……

さてさて次は…神殿で初の精霊解放ですね。多分。
それが終わったら華月や信sideを書きたいと思います♪

では、ありがとうございました!!


碧野いろは
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言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:
たすけて


Voice-9


「!」
「あやめ…?」
「どうかした?」

リアの小屋で世話になり、早くも3日が過ぎた
陸もすっかり回復し、何の心配もいらないらしい
3人が昼食を食べていると…

あやめの様子が、かわった

「…何…今の…」
「どうかしたの?アヤメ?」
「“たすけて”って…誰かが…」

あやめは頭を抱え、小さく震えだした
陸はそっと、そんな彼女を支える

「此処に来た時と同じ声…
女の人…ずっと…聴こえるの…っ」
「女の人…だって…!?」


キ  ィ ン


「…!?」
「リア…?」

瞬間、リアの両腕が光りだした
光っているのは腕じゃなく…腕に刻まれた、入れ墨のようなモノ

紅いヒカリを放つそれは、何かに共鳴しているようだ

「…まさか…っ」

リアは部屋を出ていった

「あやめ…」
「……っ」

ポロ

「!」

あやめの瞳から、雫が落ちた

「何でだろう…
泣いてる…の?」
「あやめ…?」
「陸くん…
…誰かが…泣いている…」

震えは収まり、あやめは落ち着いたようだ

その時…“空気”が変わった

「な…っ」
「呼んでる…」

ピンと、張り詰めたような…冷たい空気…
何かに満ち、何かに溢れる部屋…

「リク!」
「リア!何がどうなっている!」
「いいからあやめを落ち着かせて!
ちゃんと説明するから!」

必死になって、戻って来たリアは叫んだ
陸は「訳が解らない」と首を振るが、あやめの肩を揺さぶった

「あやめ!」
「呼んでる…呼んでるの…誰か、が」
「あやめ!僕の声が聴こえるか!?あやめ!」
「っ…!!!?」

パン

空気が、一瞬で元に戻る

「…陸くん…」

あやめはぼーっとした目で、陸を見上げた
心配そうな彼の瞳に、何故か…ホッとした

「…やっぱり…ね…」

リアが小さく呟いた
それを聴き逃さなかった陸が、「どういうことだ」と聞く
リアは…未だに鈍く光る腕を見せた

「…あやめ、陸
アンタたち…この世界に来たの、偶然じゃないと思うよ」





  幕が



      開けた







—————————————


本気で文才が欲しい今日この頃
久々の更新です!碧野です!

これからしばらくはあやめ&陸sideとなります
二人を通じ、やっと物語は幕を開けますね

…あくまで予定ですが

ほんのちょっとだけテイルズっぽくなるかもしれません
精霊とかかなり出ますよ
……EかSみたいになりそうで恐い

女性の「たすけて」って…すっごいありきたりですが…
まぁ気にせずに!!(をい)

次もあやめ&陸sideです!
どんどん行っちゃえバカップル!!(爆)

ではでは
ありがとうございました

碧野いろは
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言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:
…動いた…!!?


Voice-8


「これが…人形なの?」
「うん、“おーとどーる”って奴」
「自動人形(オートドール)…」

ビアは少し偉そうに…何故か胸を張り

「そ!“ありえす”がね、せんそうって時に使うおにんぎょうなんだよ!」
「戦争…!?
この世界が!?」
「うん。今はやってないけど…
えっと…戦うことが出来ない“カガクシャ”の人たちが作ったんだって」

華月と信は顔を見合わせた
そして、ポツリと

「もう、用無しだから捨てた…?
“要らないモノ”って、こと…?」
「華月…」

華月はそっと、人形に近付いた
ぐしゃぐしゃになった長い白銀の髪をそっと梳く

サラ…

柔らかい
生きているみたいだ…

「…綺麗にしたいよね…
人形でも、女の子だし」

手櫛で、髪をとかす
もともと質がいいのか、その髪はすぐにサラサラになる

「…服は」

華月は辺りを見回す
目に付いたのは、まだ捨てられたばかりらしい、ワンピースだ

「うん…サイズぴったり!
エロ信、見るなよ!」
「見ねぇよ(怒)」

信が後ろを向くのを確認し、華月は人形にワンピースを着せ始めた

「…よし!いいよ、エロ信」
「誰がエロだ」
「よかったね、人形ちゃん♪」

ビアが喜びながら、人形の手をとる
人形は無反応だ

「…やっぱり動かないねぇ」
「うん…惜しいなぁ…
お話とかしてみた(ザシュッ)………………ザシュ?」

頬に感じる僅かな痛み
ふと…触ってみる

「…血?」
「血、だな。痛いか?」
「痛いよ」

おそるおそる、後ろを見る
…そこには

「侵入、者…テ、敵ト判断スル…」
「うわー!ぼく“おーとどーる”をこんなに見たの、初めてだよ!」
「待て待て待て!!
あいつ、今“敵”って言ったよな…?」
「うん」
「と、言うことは…」
「あたしら…かなりピンチ…?」


サァと、一瞬で青くなる華月と信(ビアはのんびりだ)

「敵…排除スル…
コ…殺ス!」
「「うぎゃああああッッ!!!!?」」

ビアは相変わらず状況が読めていないが、華月と信には状況が読めた

自分たちは間違いなく、確実的に


——殺される、と


「ああああよく解んないけど(中略)先立つ不幸をお許し下さいいぃぃ!!」
「今度こそ死ぬか俺(たち)ー!!?」

自動人形が、銃弾を放った
死ぬ…と思った瞬間…


「…空間障壁、展開」


バンッ


「「…あ?」」

透明の壁が、銃弾の侵入を拒んだ

「大丈夫ですか、マスター?」
「う…」
「動いた…!!?」

先ほどの自動人形が…動いた
厳密に言えば助けてくれて、更に話しかけられた

「あ…あなた」
「無事のようですね…マスター、ご命令を」
「ま、ますたぁ?
それって…あたし?」
「はい」

華月が唖然と自動人形を見つめる
その間にも、(敵らしき)自動人形は接近していた

「排除スル…」
「マスター!」
「あぁぁ!?訳解んない!
何でもいいから助けて!!」
「了解…!」

(味方らしき)自動人形は、(敵っぽい)自動人形との間合いを一気に詰めた

「戦闘モードへ移行…!」
「ハ、排除…ス、ル」
「戦闘、開始…ッ!」

(味方)自動人形の右手が一瞬で組み変わった、鋭い刃
刃は真っ直ぐに、(敵)自動人形を破壊した

「戦闘終了
通常モードへ移行…」

戦闘を終えた人形は、華月たちの側へ来た

「えーと…ありがとう」
「問題ありません
私はマスターの命に従っただけです」
「……あなた、は?」
「私の名は戦闘用自動人形、コード:Ra-vis1035
お好きにお呼び下さい」
「は、はぁ…」


よく解らないけど


何やら物騒な(?)味方をゲットしたみたいです




————————

ハイ!人形が仲間になりましたー!
コード:Ra-vis1035
…………はははは適当だな自分!

名前は華月が命名するでしょう…

アリエスでは過去、大きな戦があったんです
それが原因で、“あること”が起きちゃったのですが…それはまた今度

次は…どっちsideになるのでしょうね……そこは碧野の気分で変わりますよ(固羅)
では、ありがとうございました


碧野いろは
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言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:
錆びれた 廃墟


Voice-7

「まさか此処が…異世界とはね…」
「驚きを通り越して、何も言えねぇな…」

信の言葉に、華月はきょとんとする

「え、そう?
あたしとしては、結構楽しいんだけど…」
「何がだ!!」

華月はふと、空に照る太陽を見

「だってさぁ、まるで運命っぽくない?あたしはこの世界に必要とされた
だから、この“アリエス”に来た
そんな感じ♪」

「RPGのやりすぎだろ。現実を見ろ現実を」
「何をぉ!?」
「やるかコラ」

そのとき

「おねぇちゃんたち!ダメだよぉ、ケンカなんかしちゃ」

自分たちを助けてくれた、オトコノコだ

「ちゃんと前向かないと、ころんじゃうよ?」
「そ、そーね」
「そーだな」

オトコノコのほんわかな笑みに、二人はケンカのやる気を無くした
先ほどから、このようなパターンばかりだ

「それより…ビア
どこへ向かっているの?」
「ぼくのおうちだよぉ♪」

華月と信が会ったオトコノコの名前は“ビア”

どうやらまだ知識が無いらしく、華月たちをどうすれば良いかわからない為
“おねぇちゃん”とやらに会わす気らしい

「で…この廃墟がその為の道だと」
「そう」
「他に道は無いと」
「うん♪」

はあぁ~…

華月と信は思わずため息をついた

この様に汚くて錆びれていて何が出るかも分からないようなところ

正直、通りたくは無いのだ

「おねぇちゃん、おにぃちゃん?
どうかした?」
「あ、いや…何でもねぇよ…」
「ははは…」

 ガタ ゴン


歩く度に何かにぶつかる
何が出るかな○ック○チョ♪(違)




    ゴツン



「ぎゃあ!(ずでッ)」
「おねぇちゃんッ!」
「おぉ!?華月よくやった!俺が転けなかったゾ!」

「後で転けさせてやる!!……って」

華月が引っかかったモノ

それは

「ひ、と…」

そこに寝ころげているのは、白い長髪の女性——しかも、裸だ

「見るな阿呆信!」(がばっ)
「ぐわぁ!?離せ馬鹿華月!」

華月と信がとっくみあいをする中、ビアは一人で女性を見ていた

「おねぇちゃん」
「な、何?ビア」
「これ…人じゃないよ?」
「え!!?」




ビアは悪魔でも冷静(そうに)判断を下している

「これ…人形だよ」




——————————

ぎゃあああ

また更新が送れたぞおぉ…

朝の混雑の中から失礼しています

耳では獅子王様の声が響いております(つまりはドラマCD)

あはははは千裂虚光閃~
プリズムフラッシャ~
スナイプエア~
獅吼爆炎陣~!(ここまでで何のドラマCDかは分かりますよね/笑)

本編について

文の構成がヤバいですね…!
なんかスランプです…!

ビア。
この子には特殊能力がいっぱい(?)あります!
それはまた(ぉぃ)

人形。
これは碧野が「サモ」とか「ネギま!」に影響受けています…
アンドロイド大好きだー!

ってな訳で彼女はアンドロイド

一応仲間になります(ははは)

名前は未定
何か案がある方…すみませんが書き込んで下さいませ…!

では…!

碧野いろは

言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:
ナミダが 溢れる


Voice-6



「ぅ…」

「!!陸くんっ!?」

ベッドで横たわる少年が苦しそうに呻く

思わず、握る手に力が入った

「ぁ、や…め?」

うっすらと開く漆黒の瞳

彼の顔が、歪んで見える——

「僕は……此処は?」

「よ…かった…っ
陸くん…っ!!」

彼の体に、覆いかぶさるように抱きついた
視界は…全てが歪んで見える
じわりと、塩辛い“雫”が、頬をつたる

「あやめ…
…大丈夫、だったか?」

「うん…うん…!
陸くんが守ってくれたから……大丈夫だよ…!」

「そ…ぅか…」

力なく、ホッとしたように…陸くんは微笑んだ

私も、それに応えようと——涙に濡れた顔で、そっと微笑む


「目、醒めたみたいね?」


凛とした、女性の声

あやめの背後にある扉が開き、そこから入ってくる…女性

女性は漆黒の長髪を、顔の右上で結っていて

左肩に、入れ墨をしている、女性

「貴女は…?」

「私たちを助けてくれた人だよ」

あやめが顔を上げ、陸の手を握りながら言う

「リアよ
リア=ティーゲス
初めまして」

にっこりと、愛敬のある微笑み

陸はあやめの手を借りて、上半身を起こした

「僕は「アヤメから聞いた
リクよね?私のことは、リアで良いわ
私も、そうするからさ」

陸は頷き、あやめをみる
あやめは小さく「大丈夫、良い人だよ」と、陸に耳打った

「とりあえず、何か食べる?
アヤメは食べたから、リクが食べないと片付け出来ないからね♪」

リアは、持っていたトレイを机に置き、陸に食事を進めた



 * * *


「大体の事情は、アヤメから聞いたわ
それで…話しにくいんだけど…」

「何か、わかったんですか?」

陸の口へ、粥を運びながらあやめが言う(陸の顔は有り得ないくらいに真っ赤である)

リアは多少躊躇いながら

「ここは…アンタたちの言う“ニホン”…ましてや、“トウキョウ”なんてトコじゃあない」

「え…!?」

「何だって…!?」

衝撃的な事実

陸はリアの言葉を疑った

しかし——その目は、真実を告げる瞳だ

「この世界の名は…“アリエス”」

「アリエス…?」

リアはゆっくりと、この“世界”についてを、語りだした


“アリエス”

それは、“世界”の名である

この世に“心”を持たぬモノは無く、木や花——空気さえも“心”を持つ

そして、この“国”の名前


“ヴェイグラン=シーズス”


“アリエス”は5つの国に別れてあり、ヴェイグラン=シーズス=は東の国である


緑が豊かな、全ての種族が共存する国


「ここはそこの東の果て、“ヴェイシス”さ」

「ヴェイシス…」

リアは頷きながら真剣な面差しを見せる

「それで?
アンタたちは…何故アリエスに?」

あやめと陸は一瞬戸惑い——だが、はっきりと

事の成り行きを話し始めた——…



————————


ぎゃー…
久々もほどほどにしろって感じですね……

更新が遅れた訳はですね、リアの名前が決まらなかったのですよ…

交換ノートにて友人に出してもらった名前を元に出来たのが、リア=ティーゲスです

次は…きっと華月sideですね…
あやめ&陸ほどラヴラヴではありませんが(笑…えない)

では…ありがとうございました

碧野いろは

言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:


綺麗な朱髪が


私の前で揺れる



Voice-5


「あやめ…下がれ」

陸くんが小さな声で言う

家が道場である為か、彼のカンは鋭く――よく当たる

わたしは素直に、それに従った

華月ちゃんと信くんを探しに、わたし――あやめと陸くんは、森の中を歩いていた

多分、三時間くらいは歩き詰めの筈だ

木々が生い茂る森の中で――



ザワ



と、空気が変わったのがわかる

「…僕から離れるな」
「…うん…」

陸くんは、わたしをかばうように立つ


その――瞬間だった…


『――――!』
「…!?」
「嘘…!?」


木、が…


大地からその根を引き抜き――襲いかかって来る!

「何だ…これは…!」
「わからない…わからないけど…」

周囲に木しかなかったせいか、わたしたちはすぐに――逃げ場を失った

「!…陸くん…!」
「………っ」


もう無理だ


正直に、わたしはそう思った


でも――


「僕は…諦めない
諦めたく…無い…っ」

陸くんは再び、わたしをかばうように立ち


もう無理だよ


やめて…


「炎蛇よ」


突如響いた…女性の声

「彼の者等に害犯し魔性へと
“束縛”という罪を与えよっ」


ガサッ


木と木の間から、紅い…何かが飛び出す


それは…蛇だった


炎の様に、紅々に燃える蛇


蛇はわたしたちを囲み――


木々を、強く睨んだ

『―――!!』

木々は急に動きが遅くなった
――まるで、あの蛇に縛られた様に


「陸くん…」
「助かった…のか…」


「大丈夫?」


林の中から、朱髪の女性が現れたのと


バタリ


「――!?」


陸くんが倒れたのは、同時だった


「陸くんっっ!!」




――――――――

久っっしぶりの更新!&久っっぶりのあやめ&陸!!

あははっv書きやすっv

また謎のキャラが……
えー…彼女のデザインモデルは『TOD2』のナナリー・フレッチです
まぁモデルだけ
武器とか髪のカンジとかは全然違いますよ?

今回の話では、『木は生きている』話でしたが、このアリエスという世界では、すべてのモノが生き、また言葉を持つ
という摩訶不思議設定なのです

時には敵に、時には味方に…自然は華月やあやめたちにどんな表情(かお)を見せるか

そんなのを書きたいと思います


では、長くなりましたが…

ここまで読んで下さった貴方様に、最大の感謝を

碧野いろは


言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:


えっと…


なんかミニマムなお子様がいらっしゃいます


Voice-4


「ひとをたべちゃだめって、あれほどいったでしょぉ?」


男の子の声


その声を聞いたとたん、あたしたちの周りにいた獣'sがおとなしくなった


なんで??


『きゅぅ~ん…』
「「きゅ…!?」」


それがさっきまで、あたしたちを喰おうとした奴らの鳴き声ッスカ!?!?!?!


あたしたちが顔を見合わせていると


「おねぇちゃんたち、だいじょぉぶ??」


ガサガサと、茂みが揺れた

そこから、ぴょこっと顔を出したのは


――可愛らしいオトコノコ


『きゅぅ~んvV』
「あ~はいはい
いいこだからおうちにかえってね?」

ねぇvと微笑いながら、オトコノコは獣'sを撫でまくる

「あたしこーゆーの見たことあるわ」
「俺も」
「「サーカスの猛獣使い!!」」

テレビとかでよくやってる、アレだ

目の前で見るのは初めてだが


「あ…」


見ると、獣'sは森へと帰ってゆく


た、助かった…


「だいじょぉぶだった?」
「あ、うん…
助けてくれてアリガト」
「いーのいーの♪
あのこたち、ちょっといたずらずきだから…
おねぇちゃんたちとあそびたかったみたいだよ」

((アレで遊びなのか!?!?!?!))

あたしと信は再び同時に顔を見合わせる

「それより…へんなかっこだね?
どこのひと?」

男の子が首を傾げる

「日本の、東京から来たの」
「にほん?とーきょー?」

男の子は再度首を傾げる

「待て華月」
「なによ信」

信はあたしを完全シカト(後でシメル…ッッ)して

「坊主、この国は何て言うんだ?」


…………は?


「ちょっと信…そんなバカなこ「ヴェイシスだよ?」


男の子があっさりと答える

「ヴェ…ヴェイシス?」
「うんっ
アリエスのヴェイシス!!」


嗚呼とーさんかーさん…

ヴェイシスって何処ですか…



NEXT

――――――――

Voice-4をお届けました…碧野です

前回に引き続き登場した謎の男の子!
……次の華月&信サイドで名前を明かします…
すみませ…っ

そして男の子より明かされた国の名前
正式名、“ウェイグラン=シーズス=アリエス”です

ヴェイシスと言うのは↑の略で
アリエス何処言うのはこの“世界”のことです

私たちの世界で言うところの、

ヴェイグラン=シーズス→日本

アリエス→地球

という感じですね

解りにくくてすみません…

次は久々のあやめ&陸サイドです

早く書きたいですvVvV

では、ここまで読んで下さった貴方に、最大の感謝を

碧野いろは


言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:

どーでもいいですが…


今めちゃくちゃピンチな気がします


Voice-3


『グルゥゥゥゥ…!!』
『ゥゥゥ…』


「ねえ信」
「なんだ華月」
「あたしさ、思うに」
「おう」
「今…死ぬか死なないかの狭間にいません?あたしら」
「まったく同感だ!!」


何故だか草原にいたあたしたち

とにかくいつもの如く喧嘩してました


…ただそれだけなのに…


「なぁ華月」
「なに信」
「俺さ、思うに」
「うん」
「こいつらって現実世界に有り得ない獣だよな」
「まったく同感だわ!!」


そうなのだ


今ふたりの目の前――というかふたりを取り囲んでいるのは…

狼+兎(2体)

猫+狐(3体)

犬+鼠(1体)


みたいな獣が計6体。

ようするに、現実世界では有り得ないのである

「どうする?」
「それはこっちも聞きたい」

獣たちは今にもこちらに襲いかかって来そうだ

多分あの牙にやられたら瞬殺だ


――イヤだ…


「嗚呼どこにいるかも分からない母さん父さん…先立つ不幸をお許し下さい…」
「縁起悪ィこと言うんじゃねぇっ!!」

その大声に反応したのか、1体の狼+兎が

『ガアァゥゥ!!!』
「「マジ襲って来たァァ――!?!?!」」


『死ぬ』





獣の牙と爪を見て


思った


瞬間だった


「こらぁぁっ!!
ひとをたべちゃだめでしょうがっ!!」


ちっさい男の子の声がするのは気のせいなのでしょうか母さん父さん…



NEXT
――――――――


ついに挿し絵をさぼった3話

とりあえず華月&信Sideで、ハイ

最後に出てきた子の設定画はあります

…………が!!!!


面倒なのと宿題の多さから挫折しました…


次も華月&信Sideで…次のラストであやめ&陸Sideに行きます…!!

では…

碧野いろは


言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:

そよかぜのうた


Voice-2


「ん…」


カサ、という音を耳にして、三崎あやめが目を覚ました

「…あれ…」


おかしい


「原っぱ…?」


今の今まで…


家に居たのに


何故わたしは、こんなところで寝そべって居たの…?


「目が覚めたか」


背後から聞こえた、聴き慣れた声


「陸くん…」


俗に言う、『彼氏』である桐生陸だ


ちょっと…いや、かなり安心した


「陸くん…ここ、どこなのかな?」
「解らない…」

でもな、と補足を加える陸

「今やらねばならないことならある」
「…何なの?」


陸はフ、と鼻で笑いさらりと、いかにも軽く言った


「大方喧嘩でもしているであろう馬鹿二人組の探索だ」


あやめはあぁ!!と納得していた――



 * * *


さわさわ


カサカサ


そよそよ


さわさわ


カサカサ


そよそよ


そよかぜが原っぱを駆け抜ける


さわさわ


カサカサ


そよそよ


拾うのは、草原に住む者たちの楽しい楽しい笑い声


小鳥のうた


野ウサギのこえ


虫たちのダンス


そして


「有り得ないわ…
ここは何処?…
それもだけど…」
「一番有り得ないのは」


「何でアンタと一緒なのよ!?」
「何でおまえと一緒なんだ!?」

男子と女子の喧嘩するこえ


すべてを拾い上げる――そよかぜ


そよかぜはうたを乗せて


何処までも続いていく


何処までも


何処までも


そよそよ


さわさわ


カサカサ


何処までも続いていく


そよかぜのうた




NEXT

――――――――

後書き

Voice-2をお届け致しました。
碧野です。

まず、主人公である華月と信。
ごめん!!!!!出番なくて!!!!!
正確に言うとただ作者が陸vあやめ好きなだけなのですが……
…っごめんなさい!!!!こんな馬鹿で!!!

更新が遅れた理由は同じく執筆中のテイルズを書くのに必死だったからです…
おかげでアップしようと思っているサモンナイトは手付かず…
やらなければ…っ

次はならべく早めにアップします。

では…此処まで読んで下さった貴方に最大の感謝を。

碧野いろは



言の葉を紡ぐ者たち

テーマ:



わたしのこえがきこえますか





Voice-1
“普通”の終わり




人ならば、誰でも持っているモノ


コンプレックス


それを憎むキモチは、世の中で一番醜い――と、思う

それが、あたしの場合…無駄に多いだけで


おかしなことではない――…たぶん


「はァ!?お前馬ッ鹿じゃねェの!?」
「アンタにそんな事、言われる筋合いはないわッ」

地球の日本の東京

あたしたちの家があるところ

「だからなァ…その答えが違うっての!」
「うるさい!」
「うるさくねェ!」
「うるさいわよ!!うるさいうるさい五月蝿いッッ」
「お前の方がうぜえッッ!」

放課後の、友達の家
今日は、皆で勉強会なのだ

――皆と言っても、四人だが

「ほらほら~二人とも、手が進んでないよぉ」
「まったくだ。付き合ってやってる僕らの身にもなれ」

このほんわ~とした娘は、三崎あやめ。(みさきあやめ)
あたしの親友。
学校では、学級委員を努めている。

そして、この憎たらしい黒髪が、桐生陸。(きりうりく)
あやめと同じ学級委員で……小言がうざいくせにモテる。
でも実は、あやめの彼氏なんだよね。

そして、さっきからあたしと大喧嘩してるコイツ。
コイツの名前は浅黄信。(あさぎしん)
両親の仲が良いらしく、何かと幼い頃から一緒に居る。
会えば喧嘩ばかりで…俗に言う、喧嘩友達ってヤツ。

あたしの名前は紺之華月。(こんのかつき)
喧嘩上等、成績最悪…ってのはともかく…とりあえず、元気が取り柄の活発っ娘!!

今日はあやめの家で、皆で勉強会しようって…提案したのはあたし。

…でも…

勉強が一番進んでないのもあたし…

…頭の良いあやめと陸が羨ましい…

こんな変な関係のあたしたちだけど、実は幼稚園の頃から付き合っている。

まぁ、“友情”とか“絆”とかは堅い!!……はず。


でも


仲が良いからこそ気になってしまう


それがあたしのコンプレックス


あたしは皆みたいな…良いとこは、カケラもないし。

なんてったって馬鹿だし…


一緒に居るのは楽しい。


ケド……



たまに、あたしは本当にここに居ていいのか



解らなくなる


「…っ…」
「?あやめ?」

あやめが急に、頭を抑えた

「どしたの?」
「あ、…うん、大丈夫。ただ、ちょっと耳鳴りがね…」
「耳鳴り?」

「うん…なんかね
“わたしのこえが”…」


“きこえますか”


「「「「!!?」」」」


はっきりと、頭に響いた
優しそうな、女の人のこえ

「今の…」
「っまだ…まだ、聞こえるよ…!!」

心配した陸が、あやめの背に手をそえる



――その、瞬間




パンッ




「――は?」


視界が、ホワイトアウトした


それで、まぶしくなって――



あたしたちは、意識を手放した――



まるで夢のように




“普通”を




“日常”を




なくしてしまったのだ―――




それを知るのは、少し後の話―――





NEXT



――――――――


後書き

という訳で一話。
いかがでしたでしょうか…?
“コンプレックス”から始まるお話です…。


うっわ暗ッッ!!!!


作者がそう思っちゃ終わりっすね!!
ダメじゃんっ!!

あー…華月を書くのは楽しいですね♪
絵を描くのはあやめと陸が楽しいんですよ☆彡
信、ごめん!!!!
君は描くのも書くのも難しい!!!!

あははは…
頑張って続きも書きます…
それでは、ここまで読んで下さった貴方様に、最大の感謝を…


碧野いろは