大友涼介です。

東日本大震災の後、いかに今までいろんな意味で平和ボケして生きてきたのかを痛感しました。このブログは自分のスクラップブック、資料置き場のつもりでやってます。書き起こし及びリンク等、必ずしも同意賛意とは限りません。twitterアカウントは @otomoryousuke です。


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福島第二原発 再稼働計画 週刊朝日2012/01/27号


ついに動き出した 福島第二原発再稼働計画


福島第一原発で起きた事故の衝撃と被害があまりに大きかったために、これまでともすれば見過ぎされてきたのが福島第二原発の現状だ。本誌は、東京電力幹部らがやりとりしたメールを入手した。その文面には「フクニ」を早くも再稼働させようとする「原子力ムラ」の本性があからさまに綴られていた。

***


手元にあるノートパソコンをおもむろに開くと、福島第一原発(フクイチ)の幹部は一通のメールを本誌記者に示した。

表題には、

<2F再稼働のけんとうについて>とある。

2Fとはすなわち、福島第二原発(フクニ)のことだ。これまで甚大な被害をもたらしたフクイチの動向ばかりがもっぱら報じられてきたが、同じ福島県の富岡町、楢葉町にあるフクニも、3・11で地震と津波の襲来を受け、1号機から4号機まで自動停止。現在、炉内はいずれも100度以下の冷温停止が保たれているというが、運転はストップしたままだ。

<想定外の事象により事故を起こした福島第一原発。何故か福島第二原発までが、廃炉という世論形成がなされている。無傷である2Fが何故、廃炉の対象となるのか。菅首相筆頭に1Fの廃炉は当然。2Fもそれに準ずるという政府トップの「廃炉ありき」という前提の発言には疑問を抱かざるを得ない>


<2Fの原子炉は、1Fと比較して10年も若い。1Fも東日本大震災がなければ、今も安全にかつ適正に運転がなされていたはずである。2F再稼働に向けての道のりを検討し、工程表を作成。それに向けた行動を開始すべきだ>


3・11以降、原発の安全性への不信は一気に高まった。地元・福島県の佐藤雄平知事は1月8日、フクイチ、フクニの原発計10基をすべて廃炉にするよう、野田佳彦首相に求めた。福島県議会も昨年10月、「全基廃炉」の請願を前回一致で採択している。

さすがの東京電力も事故後、決まっていたフクイチ7号機、8号機の増設については断念した。

メールの送り主は、こうした「脱原発」路線に異を唱え、フクニの再稼働に向けて狼煙を上げよ、と檄を飛ばしているのだ。

そればかりではない。”檄文”は、事故後、中止が決まったフクイチの7号機、8号機の増設計画まで復活させよと言及する。


<事故を起こした1号機から4号機のリプレース(注:置き換えの意味)という視点で7号機と8号機を見ることができる。1号機から4号機の廃炉へのプロセスで、周辺地域は、原発もしくはその関連施設以外で土地利用することはできない。地元からは、間違いなく賛同という結果が得られることは、過去の歴史的経験から見ても明白だ>


<まずは、2Fの再稼働で「世界一安全な日本の原発」のイメージを再構築。次いで、1Fのリプレースの流れをつくることが大切だと思われる>



既存の古い炉を廃炉にし、同じ原発内に新たな炉をつくるリプレース計画は、新たな土地に一から原発をつくるのに比べ、近隣対策などの建設へのハードルはグッと低い。

まして、フクイチ周辺の住民はすでに避難している。廃炉せざるを得ないフクイチの1~4号機の「更新機」として、いったん消えた7号機、8号機の増設計画の復活を、メールの送り主はもくろむ。フクニの再稼働をその足がかりにしようというわけだ。

そして最後はこのように結ばれている。


<事故以来、「原子力ムラ」は劣勢である。だが事故はいつかは風化し、記憶から消えていく。火をつないでゆくことが大切である>


■メール発信者は原子力ムラの大物


メールの発信者は、ここではあえて秘すが、かつて東電の原子力部門の最高幹部を務め今も「原子力ムラ」で大きな影響力を持つ人物だ。

メールが発信された時期は、文中に「菅首相」という表現が出てくることからわかるように首相の交代前。フクイチの先行きがまったく見通せない、混乱の最中だった。

「まさかあの状況で2Fの再稼働を考えているなんてびっくりでした」

メールを受け取った人物はそう言いながら、本誌の取材に対して、別のメールを見せてくれた。


<○○様のご意見には、全面的に賛同いたします。心強く思います。参考にして、汗をかきたいと思っております>


そう返信した差出人を見ると、他ならぬ東電の現役幹部の名前があった。

「このメールは東電本社やフクイチ、フクニの複数の人に送信されたようです。『やっぱりよく見ている人は違う』『再稼働させないなんてもったいない。大きな損失だ』『2Fなんてまだまだ、新しいんだ』などと言っていました。再稼働はさも当然で、フクイチの7号機、8号機もあきらめるべきではないというスタンス。それが原子力ムラの本性です」

フクイチの幹部は東電の内情をそう話した。まず、常識では考えられない話だろう。

今年に入り、政府は運転から40年を過ぎた原発は原則廃炉にすると発表した。例外規定があることで「骨抜きになる」と批判も強いが、将来的に「脱原発」に進むべきだと考えている人が多いはずだ。

そもそも政府の収束宣言はまやかしに過ぎず、フクイチの先行きはいまだ不透明だ。自主避難も含めると、原発事故で避難生活を強いられている人は福島県民だけで15万人余にのぼる。補償はままならず、生活再建の道筋が見通せない情況で、フクニの再稼働など考える時期ではない。

だが、フクイチ幹部は本誌の取材に真顔で語る。

「実はフクニの再稼働に向けて、地元の富岡町や樽葉町の様子をうかがっています。地元としては、なんとか再稼働しないと住民が帰ってこない。仕事がないと町は廃墟になるという思いがある。そこに付け込んで、地元住民から再稼働の声を上げさせることができないか、腐心しているところです。周辺の道路の修復も進めており、本社幹部の中には、『今年中にメドをつけて来年には再稼働』と、忘年会で言っている人がいましたよ」

暮れも押し詰まった昨年12月26日、政府はフクニ周辺に出していた「原子力緊急事態宣言」を解除した。地震と津波の影響で原子炉の冷却機能が一時失われたことや、フクイチで起きた爆発を受け、当初、最大でフクニから半径10キロ圏内、その後も8キロ圏内の住民に避難指示が出されていた。

「今春から、20キロ圏内でも放射線量が低い地域は除染を進めた上で順次、住民を帰還させていくことになる。それを実現するには、福島第二に出されていた緊急事態宣言を解いておく必要があった」(原子力安全・保安院の担当者)

さらに、保安院は今月11日、東電にフクニの復旧計画を作るよう指示した。「冷温停止を着実に維持するためのもので、再稼働を目標、前提にした指示ではありません」

と保安院側は強調するが、一連の流れはフクニの再稼働に向けて一歩前進とみるのが普通だろう。

そもそも、フクニが今回の地震と津波で受けた被害は、先の東電元幹部が「無傷」と胸を張れるものだったのだろうか。

保安院などによると、フクニでは地震直後、運転中だった1~4号機がすべて自動停止し、続いて押し寄せた津波によって1,2,4号機で炉の冷却機能が一時失われた。外部電源がかろうじて確保されていたこともあり、遅くとも3月15日朝までに、すべての原子炉で冷却停止が確認されたという。


■料金の値上げは再稼働の”人質”か


一時、敷地内で放射線量が急上昇したのはフクイチの爆発の影響によるもので、フクニからは「放射性物質の異常な放出は生じていない」ことになっている。

しかし、地元でこうした公式見解を額面通りに受け取る人はまずいない。フクニがある富岡町議の一人が言う。

「復旧作業にかかわった人間の話しだと、冷却停止にこぎつけるまで、目標としていた時間から大幅に遅れ、かなり手間取った。爆発こそしなかったものの、危機一髪だったというのが真相のようです」

だが、先の「檄文メール」が”予言”した通り、地元で再稼働を期待する声があるのも事実だ。

「地震や津波の被害は少なかったのに、原発事故のせいで町は崩壊状態だ。東電にいくら金を出してもらったところで、町は元には戻らない。人を呼び戻すのはとにかく仕事だ。工業団地は風評被害もあって、前のようには操業できない。残るのはフクニの再稼働だ」

そう明言するのは双葉郡の町長の一人だ。この町長はこう続ける。

「町民も本音では、再稼働してくれたらなという思いはある。安全性を十分にやってもらっての再稼働なら、前に進むはず。原発自身が古くなっているので、更新ということもあるだろう」

更新、つまりリプレース計画は、福井県の美浜原発や静岡県の浜岡原発などで持ち上がったが、まだ実現していない。

「フクニで日本初の原発の更新をやって、それを手本に全国に広げるという考えが東電にもあるらしい。古いのは止めて廃炉。そして、更新ということで新しいものを造る。フクニはそのモデルだ。地元の理解があれば国だってこれまで推し進めてきた原発なんだから、否定するわけにはいかないはず。地元の協力会社や町民で『再稼働はどこまで進んでいるのか』とこっそり聞きに来る人もいる。町民の本音もそこにあるんだよ」(前出の町長)

フクニでは今も、約2千人が復旧作業などに就いている。

「フクイチと合わせれば、原発関係の仕事にかかわる地元の人間は万単位になる。将来、町民が町に帰るとなれば、いずれフクニの再稼働の問題にぶつからざるを得ないのは事実です」(先の富岡町議)

まさ先のフクイチの幹部もこう語る。

「まあ、原発建設では、ウチは過去にいろんな『工作』をやってきました。なにもないところに一からするのに比べたら、既に建設した地元への対策は、そう大きな負担ではない。事故当初、フクニは多くの作業員が寝泊りし、事故収束のバックアップ基地のようなものでした。一時、フクイチで作業した車の除染をフクニでやれという地元の要望もありました。しかし、それをやるとフクニの放射線量が上がり、再稼働が遅れる。イメージも悪化する。そこで富岡町の別の場所でやるよう調整中です」

このフクイチ幹部によれば、再稼働に向けた動きは、すでに水面下で始まっているというのだ。東電の西沢俊夫社長は新聞インタビューなどでフクニの今後を問われても、「地元も意見もよく聞いて判断していく」などと繰り返すばかり。

本誌が東電広報部にあらためて問い合わせても「フクニの1号機から4号機、それからフクイチの5,6号機は現在、地震と津波の被害状況を把握する点検調査を実施しています。今後に関しては現時点で申し上げられる段階になく未定です。地元の皆さまのご意見や、国民的議論をしっかりと踏まえ、関係する方々とも相談させていただきながら対応していきたい」との答えだ。

そんな「のらりくらい」とは対照的に、電気料金の値上げに関する西沢社長のメッセージは明快だった。昨年12月の会見で「値上げは事業者の権利」と開き直った。

原発の停止で火力発電所の燃料費が高くつき、収支構造が悪化したという。

確かにこのままでは早晩、東電の経営が行き詰るのは避けられない。政府の第三者委員会の試算でも、今後10年間、東電管内のすべての原発が稼働できなければ、電気料金を10%値上げしても10年間で4兆2千億円の資金が不足すると見込んでいる。

だがこの試算は、フクニを含む既存の原発再び稼働できれば、大きく変わってくる。このため、西沢発言は「再稼働を引き出すための駆け引きではないか」と評する向きも多い。

「料金値上げを人質にとって何かをもくろんでいることはありません。ただ、現状では国がいくら資金を入れたところで、火力に使う燃料代が高いので、食い潰すだけ。ウチを国有化しようが、経営者を代えようが、この状況は変わらない。原子力を動かすか、料金の値上げ、どちらかをしないと経営改善できない。これは事実です」

東電の管理部門の幹部はそう主張する。そして原発の再稼動についてはこう語った。

「国がエネルギー政策の方針を示すのが先で、ウチが独自で考えられる範囲を超えています。ただ、国が原発は必要だという選択をすれば、電力会社としては、使命感、誇りを持って再稼働に向けて全力を尽くすことは間違いありません」

間違っても、電力会社の論理が優先されてはいけないだろう。(本誌取材班)


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