【社説】「規制改革の再加速で技術革新を促せ」2017/02/23(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO13253160T20C17A2EA1000/

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時代に合わなくなった規制を改廃して民間の企業や個人に自由を与え、技術革新や新サービスを後押しする。そんな日本経済を活性化するための規制改革を政府は再加速するときだ。

自動運転や小型無人機(ドローン)といった先端技術は次世代の経済のけん引役として注目されている。人工知能(AI)などを使った技術は、生活の利便性を大きく高める潜在力を持つ。

開発した技術を実用化するには、まず実証実験を重ねていく必要がある。すでに地域限定で規制を緩和した国家戦略特区での実証実験は始まっている。

しかし、実証実験は公道や空間を利用するため、参加する企業が関係機関との事前調整に煩雑な手続きを強いられている。開始までに数カ月かかる例があり、研究開発の足を引っ張っている。

こうした問題を解決するのが、英国発の「規制の砂場」という仕組みだ。企業が当局の了解を得て、現行の規制にとらわれずに新たな事業やサービスを実験しやすくする。

小さな失敗を許容して試行錯誤を認めるやり方だ。迅速に実証実験をしやすくなるので、実用化までの期間が短くなる効果が期待できる。

政府はこの仕組みを盛り込んだ国家戦略特区法改正案を今国会に提出する方針だ。第4次産業革命の成否は日本経済の国際競争力を左右する。官民一体で特区での実証実験を急いでほしい。

法改正案には、宿泊や飲食、警備といったサービス業で訪日客に対応する外国人材を受け入れやすくする規定もつくる。外国人材の活用は日本の技術革新の一助にもなる。妥当な内容だろう。

一方で、自家用車で客を送迎する「ライドシェア」はほとんど広がっていない。個人住宅の空き部屋などに旅行者を宿泊させる「民泊」についてはルール整備が遅れているうえ、自治体が過度な規制をかける懸念も残っている。

日本経済の実力である潜在成長率は1%未満に沈んでいる。これを引き上げるには規制改革を通じて生産性を高める必要がある。

働き方改革などの課題はもちろん重要だが、政権にとって規制改革の優先順位が低下しているとしたら問題だ。かつて安倍晋三首相は「規制改革は成長戦略の1丁目1番地」と発言した。その矢は力強く放ち続けねばならない。

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