しばらく、思えばちょうど一年近くブログから離れていた。

その間、私はツイッターで、書くということを続けてきた。

だが共有したい想いはもうそこにはないのだと、風向きが変わったことを感じている。
いや、違う。
自分が変わったのだ。
自分の段階が変わった。

再び、ぼちぼち、書いていきたいという気持ちだ。
なにより風を自らに、感じたい。





「歴史前夜」と言われている曲がある。
いや正確には、音源にもなっておらず、メロディだけで歌詞にならない歌詞を感情のままにうたっているのがそれだ。

これはのちに出来る「歴史」という歌のいわば夜明け前と言えようか。


エレファントカシマシの宮本さんが、耳の外リンパ瘻という病を患い手術したことが発表されたのは今月の頭の頃。

10/8には大阪で、10/14には日比谷でそれぞれライフワークの一部ともなった歴史ある野音コンサート開催の予定だったが、本当に近々に迫っての中止発表と相成った。

だが、ギリギリまでリハーサルを試みたと知り、0.1%でも可能性に賭けたかったんだろうという彼の執念が見え、その気持ちだけで充分だよ…と思わざるを得なかった。

またそれと同時に、来春のコンサート(私達にはまだ知らされてなかった)まで中止になるということが、事態があまり明るくないことを物語っているようで
現実を受け止め難く、 でも受け止めなければいけない現実は無情にも目の前に突き付けられていたのだ。

もちろんライブは本当に心待ちにしていてあと何日寝たら…と子供のように数えて毎日過ごすくらいだったけれど、
せっかくとれた野音チケットなのに…などには思考が至るはずもなかった。

とにかく宮本さんがこの一ヶ月間どんな苦悩と不安の中を生きていたのだろうと思うと、それを知らないで過ごしてきた自分とのこの時差が仕方なくも悲しいものに映ったりして、胸が締め付けられる思いで今なお、居る。

そしてこれから彼は色々なものと闘うのだ。
それをおもったときわたしの脳裏に駆け巡った姿と言葉は、これだった。

約10年前になるが、『扉』というアルバムの制作風景と宮本自身に焦点を当て撮影された、
『扉の向こう‐宮本浩次という生き方‐』というドキュメンタリーがある。

当時信頼していた人に全財産を盗まれ、所持品を売り払い、小さな部屋に引っ越した彼は37歳、独身、一人暮らし。
ここで彼は改めて音楽に集中するための環境を整えた。
彼の幸せは一般的に言う幸せとはほど遠い…と流れるナレーションのあと、それは続いた。

「幸せっていうか…でも…無理なんですよ…。
余裕のある楽しい暮らし、をしたら、余裕のある楽しい暮らしになってしまうんですよ。
だからこれ、どっちかってことなんですよ…。
最低限、自分の分にあった暮らしをしつつ、でも音楽には夢いっぱい、それかなぁって…これはほのかにね」

「曲亭馬琴は晩年、両目潰れてもそれでも"作家"って。すげぇなぁって…これだ!って思って。自分もこうなりたい、って思ったんですよねぇ」


彼は歌でも言っている。
「全部使い尽くせ 己の全部使い果たせ」
「己の全部使い尽くして死にたい」
「死ぬまで俺 走るんだ」


この人は、表現者として生き死ぬこと決意している。己のすべてを捧げる覚悟をしたのだ。


そしてあの知らせから、1週間。
日比谷野音コンサートの中止と払い戻しはそのままに、
今週になって、ファンの皆に自分であいさつがしたいという宮本さんの強い希望のもと、宮本さんがステージに立つことが許されることとなった。
そしてそこで彼は、少しだけ歌いたいと言う。

やはり自分の気持ちを伝えるのは歌なんだなぁと、宮本さんらしいなぁと、妙に納得する自分がいたのは確かでもあった。

「どうか俺を野音で少しだけ歌わせてくれ」に込められた想い。

難しい言葉を沢山知っている人だし作品にもそれは表れているけれど、
今回のメッセージ含めいつだって口から出る言葉は朴訥としていて、わたしはその素直さが時に眩しく思うことがある。

明日を前にし正直、わたしは今ビビっているよ。
完全に自分のキャパオーバーなのだ。

とんでもない男だというのは重々承知していたが、
自分の想像以上に彼の決意と覚悟は先を進んでいて、ついていくのに精一杯なのだ。
彼のその覚悟に値するにふさわしいそれで歌唱含め彼と対峙することも、
彼と対峙する自分自身に対峙することも、
正直いうとビビってこわいのだ。

でも、彼が歌うと言ったらわたしは行くしかないに決まっている、そんなの縄文時代から決まってるんだわ!

今の宮本さんは新しい世界の扉の前に立っているのかもしれない。
ううん、もう、その扉の向こうに力強く歩き始めているのだと思う。

そして明日はきっと新しい歴史のスタートになる。
わたしはいつでも真っ直ぐに全身全霊で生きる彼をファンとして誇らしく思い、こちらも己のすべてで受け止めにゆこうと思う。

そして明日は、みんなのために…なんてちょっとも思わなくていいから、
ただひたすらにご自分のためにうたってくれ。
ご自分の歌で、ご自分が救われるとよいなと、思っている。…わたしたちがそうであるように。


歴史前夜の今日も、あと数時間で夜明けがきそうだ。

神様、彼にどうかあたたかい光を。

わたしは今までも、これからも、宮本さんを信じている。
あったりまえじゃないか。
だって…宮本浩次だモン!!☆彡



なんとか今日6/12のうちに書きたい、っちゅーことで。

エレファントカシマシの歌係・総合司会の宮本浩次さま。
46歳お誕生日おめでとうございます綠

なんか自分でもよくわかんないんだけど、わたし今日一日中ほんのり口角上がってたと思うw
生まれてきたこと、巡り逢ったこと、同じ時代を共に生きていること、この瞬間さえこの上なくうれしく幸せに思う。
宮本さんのご両親や、エレファントカシマシに関わるすべての方に感謝したいって自然と思えてしょうがない。


先日、アルバムのプロモーション活動でラジオ出演された宮本さんは、敬愛する作家・永井荷風についてDJに聞かれたときにこう答えていた。

「ひとりの人間として表現者として赤裸の心で真っ直ぐ生きることを決め、それを貫き、書くことが大好き。誤解されやすいタイプの人だけれど、とてもピュアで素敵な人なんです。」


…ねぇ宮本さん?
気づいてる?ぞくぞくした。
まんま宮本さんだよ。

「表通りだけが
人生じゃないだろうが」

「誰の人生だってマスターピースさ」

そううたってくれる宮本せんせーがだいすきです。


46歳の一年も、どうか健康で、宮本さんの両肩に愛がふりそそぐ素敵な一年になりますように…キラキラ

LOVE&PEACE綠