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2009-07-04 00:00:00

今後掲載の記事一覧

テーマ:ブログ
このブログでは「ヘッダ・ガブラー」をより楽しむために以下の記事を掲載します。
お時間あれば、ぜひお読み頂き、「ヘッダ・ガブラー」をよりお楽しみ頂ければ幸いです。

【掲載記事一覧】

・イプセンの生きた時代(1828年-1906年)について
(06/21UP)
・イプセンの時代の女性の教育水準について (06/30UPアップ
・イプセンの時代の女性の生活について
・イプセンの時代の女性のヘアスタイルについて

・「将軍」の権威について (06/26UP)
・「教授」の給料はどれくらいなのか? (07/02UPアップ

・用語解説:中世ブラバントとは? (06/22UP)
・用語解説:ドロミティーとは? (07/03UPアップ

・ヘッダとテスマンの新婚旅行について
・赤毛の歌手 フレイケン・ディアナについて (06/24UP)
・ぶどうの葉っぱについて

・イプセンにとってのヘッダ・ガブラーとは?
・イプセンとブラック判事について
・「ヘッダ・ガブラー」を執筆していた時のイプセン (06/25)

・「ヘッダ・ガブラー」上演史 (06/23UP)

2009-07-03 11:29:56

用語解説:ドロミティ

テーマ:ブログ
・用語解説:ドロミティ

 「あなた、このへんてこな形の山、なんて言ったっけ?」
 「これは、ドロミティ。」
 「そう、そう、ドロミティ、そうだったドロミティって言うの、そうなのよ」

新婚旅行の写真をめぐってのヘッダとテスマンの会話である。
いったい「ドロミティ」とは何なのだろうか。

ドロミティ(Dolomiti)とは、ヨーロッパを横断するアルプス山脈の南側、イタリア北東部に位置する分嶺。
ドロミティ山塊、ドロミティ・アルプスとも呼ばれる。
スイスのアルプスの優美な山々の連なりとは異なり、ドロミティは、荒々しい岩肌がむき出しの山並みが特徴である。
そしてこの岩肌は、独特の灰色をしており、それはドロマイト(苦灰石)の成分によるもの。
この鉱石を18世紀末に発見したフランスの学者、ドロミウが名前の由来となっている。

同じく、二人の新婚旅行についての会話に登場する、アムペッツァの渓谷 (Conca Ampezzana)は、このドロミティ・アルプスにある谷の名前である。
ドロミティは、そのひときわすぐれた美しさから世界遺産(自然遺産)にも登録されている。


<<演出家・古川貴義より>>
雄大な海よりも、山々の表情の変化の方が好きです。
スイスアルプスの、アイガー、メンヒ、ユングフラウ。
この三山を眺められるユングフラウ鉄道に乗りたい。
「世界の車窓から」を地で行きたい。

国内なら断然黒部ダムです。
何故か、ダムです。
やはり海外と国内では、山の雰囲気が全然違います。
特にアルプス山系には惹かれてしまうなあ。
山麓にある古城に惹かれるのにも近いかもしれません。
ノイシュバンシュタイン城(『カリオストロの城』のモデル)が練馬あたりにあっても、誰も興奮しないと思うのです。
自然の中、山の上、森と共生するようにあるその佇まいに、心惹かれるのです。

ごく個人的な野望としてスイス旅行を掲げているのですが、今回こうやってドロミティの存在を知ってしまい、どうしてもドロミティ地方を訪れたくなってしまいました。
もちろんイプセンの母国、ノルウェーも。


【ドロミティ(ドロミテとも言う)】
Hedda Gabler Blog


2009-07-02 13:09:58

「教授」の給料はどれくらいなのか?

テーマ:ブログ
・「教授」の給料はどれくらいなのか?

「君との結婚は、一生に一度の大博打だったんだ。・・・結婚、旅行、この家、すべてはこのぼくにとって身分不相応なことだ。でもあのポストがあれば、何とか乗り切れると思った。」

テスマンが、ヘッダと結婚、そしてその希望を全部叶えてこれたのも、約束されたポスト、つまり「教授」の地位があったからである。
半年間の新婚旅行、そしてヘッダのあらゆる要望を叶えるだけの「教授」とは、いったいどれほどの待遇だったのだろうか。

18世紀から19世紀の教授職について調べをすすめると、ドイツの教授職についての興味深い資料を見つけることができた。
それによると、まず教授職に就くに不可欠なのが学術的な貢献。
そして博士の学位を前提として、教授資格論文の提出、口頭試問、試験講義などによる審査が行われたとされている。
また18世紀後半から19世紀にかけては、高等教育を受ける学生数が増えたこともあり、各国で教育制度の改革も行われていた。
この資格制度にともない、教授の給与も根本的に改善され、大学教授の平均年収ランクは、全人口の上位1%以内であったといわれている。

ちなみに、日本の大学教授の平均年収は1121,1万円、平均月収は66,6万円。
平均時給は4133,5円とのこと。
(平成20年度厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)


<<演出家・古川貴義より>>
結構儲かるんですね、教授って。
なるほど、そりゃみんななりたがるわけですよ。
自分の好きなことばっかり研究して、たっぷりお金貰って。
あぁ、なんで大学教授を目指さなかったんだろうか。
もう一度人生を送れるなら、大学教授を目指してみよう。
もちろん、なりたいだけでなれる職業ではないことは知っての狼藉発言です。

凄いなあ、大学教授。

そりゃテスマンも必死になりますわ。
なりたがりますわ。
僕自身の出自、日本大学芸術学部にも、本当に好きなことしか研究してない教授がいました。
助教授だったのかな。
あまり研究室に従属していない感じの人たち。
地位や役職は、その教授の話が面白いかどうかではないんですな。
研究の学術的価値や、発表した論文の内容如何、そして研究室内での政治力で決まるのでしょう。
でも好き勝手に研究している人たちの専門講義は、本当に面白かった。
とことんまで突き詰めているから、話の拡がりや収斂にたまらなくゾクゾクしたものです。
教授と一緒に行く飲みも楽しかった。
集まる学生との話も盛り上がった。
そういう講義が、何故か、演劇学科以外の、他学科公開講義や一般教養過程に多かったのは良かったのか悪かったのか。
むしろ、演劇学科にいたからこそ、余所の芝生が青く見えたのでしょうか。
近親憎悪と言いますか、やはり同じ演劇を志す者として、教授といえどもその考え方に賛同できないことが多々ありましたしね。
何より、早く演劇を実践したくてしょうがない若獅子の一匹だったわけですから、実践よりも思考、研究を重視している(ように見える)教授連には牙を剥いてしまっていました。
演劇学科の研究室には、お世辞にも好かれているとは言えない学生だったんだろうな、僕。
卒論提出とかギリギリだったし。
今となっては、その思考、研究の重要性と必要性が身に染みて分かります。
ただやっぱりそれは、どこまで行っても、実践の前提でしかないと思います。
更に言えば、土壌としては必要だけれど、実践するときに足枷になってはいけない。

イプセン論はたくさんあるし、『ヘッダ・ガブラー』にも様々な解釈があるだろうけれど、今、僕たちが作っている『ヘッダ・ガブラー』を信じて。
「こういう『ヘッダ・ガブラー』もアリだね」ではない。
「これが、イプセンの『ヘッダ・ガブラー』です」と自信を持って言える。
そこいらのイプセン研究者に、一家言持っている人たちにもぜひ観て貰いたいですね。


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