まず始めに記事を引用。

<ごみ屋敷対策>大阪市3000万円予算計上へ 条例も検討

毎日新聞 1月5日(土)15時3分配信

住居の内外にごみをため込み、火災などの危険がある「ごみ屋敷」が、大阪市内に少なくとも68軒あることが、市の調査で分かった。市は13年度予算案に約3000万円を計上し、ごみの撤去費用を負担したり、住民の健康状態を把握するなどの対策に乗り出す方針。改善が期待できない場合に強制撤去できるよう条例制定も検討する。近年、住人の高齢化や独居世帯の増加に伴い、ごみ屋敷は社会問題になっており、抜本的な対策に乗り出す先行事例として注目されそうだ。

 

ごみ屋敷は悪臭や害虫の原因になり、火災や事故につながる恐れもある。国土交通省の調査(09年)では、回答した全国1217自治体のうち250市区町村が、ごみ屋敷の存在を把握。しかし、行政による実態調査や対策は進んでいない。公道上に物が置かれていても所有者が「ごみではない」と主張すると撤去は困難で、敷地内の場合は対処できないのが現状だ。大阪市は区役所などに寄せられた情報を集約した。

 

市の案では、撤去費として約2000万円を計上。経済的な理由で撤去できない場合、市が数十万円を負担する。他にも弁護士や地域住民でつくる対策会議も設置し、強制撤去の可否を審査したり、支援団体などとの調整を行う。住人の健康状態に応じて、医師らの派遣も検討する。

 

市によると、ごみ屋敷への対応を巡っては、東京都足立区で昨年10月、正当な理由なく命令に従わない場合、ごみを強制撤去できることなどを定めた条例が成立した。同区によると、ごみ屋敷の認定に明確な定義はないが、近隣住民から苦情が寄せられ、衛生部門や道路部門の対応では解決が見込めない事案に条例を適用するという。

 

市福祉局は「ごみ屋敷の問題は、対応する部署が複数にまたがることもあり、解決が難しかった。各部署が一丸となって解決にあたりたい」としている。【茶谷亮】


お近くにもありますよね。
ゴミ屋敷やゴミアパート。

日本だけでなく海外でもあります。

こういう状態を、1980年代にSandra Feltonさんというアメリカの作家が、
「メッシ―症候群」と名付けました。
メッシ―は、散らかったことなどを指す「Mess(メス)」という単語から来ています。
サンドラさんが、そう呼んでから、この種の状態をメッシ―症候群と呼ぶことが主にインターネット上で広まって、
精神的な病態と解釈されがちですが、精神医学上認められたものではありません。
サンドラさんは、メッシ―・シンドロームに対応する本も執筆しているようで、
それからもこれらが社会的な問題となっていることは分かります。

身近の人でも、何でも取っておく人がいますよね。
いつか役に立つかもしれないって。
こういう考えが常識の範疇を越えてしまったのが「メッシ―症候群」とも言えます。
ゴミを集めている本人にとっては、必要なもの、必要になるかもしれないものなわけです。

さて、行政が何らかの方法で強制的に片づけたしまうとどうなるのでしょうか。

サンドラさんは、無理に片付けも解決にならないと指摘します。
納得していなければ、また収集を始めてしまうと言います。

解決には、本人納得の上、少しづつでも自身で物(ゴミ)を手放させるようにするしかないようです。

ちなみに、収集をしている人に高齢者が多いことから、
この状態が老年期の精神障害である老年期隠遁症候群 (ディオゲネス症候群)と間違えて捉えられることがあります。
ディオゲネス症候群は、独り暮らしで身だしなみなどに無頓着なるのが特徴で、痴呆と間違えられるがある状態です。

物は大切にしないといけません。でもほどほどに。