オリジナル⇒世甘⇒第4話「3人目の仲間」 | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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オリジナル創作


世の中そんなに甘くねぇ!!
第4話「3人目の仲間」




工場に引っ越してきてから数日が経った
少しずつ綺麗になり
人が住めるようになった

尾上さんが用意してくれた仕事も家の中でできる作業だ
巷でいう内職のようなものだった
たまに高城も手伝ってくれる

普通の生活に一歩一歩近づき社会に出た二人だった


生活のパターンは午前中は家で仕事
お昼は買い物
午後から仕事をしながら夕食の準備
夕食、風呂、寝るといった具合だ

娯楽アイテムも少しずつ買い
高城はすっかり3DSにはまって遊んでいるようだ
高城の心も落ち着いているようで安心した神林は
高城に遊ぶだけでなく仕事の手伝いもさせるようになっていた

そんなある日
仕事も早く終わりお昼になり二人で買い物に出かけた帰りだった
いつかのサッカー少年が一人で壁に向かってサッカーボールを
蹴っていた
それをベンチで見つめながらお昼ご飯に買っておいたバーガーを
二人で頬張っていた
神林はバーガー片手にサッカー少年がこちらを向いたときに
気づかれるように手を振った

「あ」

サッカー少年が神林に気付いてこちらに寄ってきた

「よぉ」

神林も駆け寄ってきたサッカー少年に笑顔で挨拶をした

「なんだよ、まだ文句でもあるのか」

サッカー少年は初対面のときに会話を気にしていて怒っていた

「あーあんときは悪かったな、俺もいいすぎたよ
こいつにさ、お前に謝ったほうがいいって言われてよ
本当すまんな」

神林は高城を指さしながら軽く頭を下げて謝った

「べ、べつに、もういいよ」

そういうとサッカー少年は立ち去ろうとしていた

「あ、ちょ、待てよ」

神林が呼び止めると驚いた顔で振り向いた


「まだなんか用があるのか?」

サッカー少年は怪訝な顔で神林を見つめた

「お前さ、もしよかったらこいつの遊び相手になってくんね?」

神林はまたもや高城を指さしてそういった

高城は嫌がるかと思ったが神林の意見に賛成のようで
笑顔で頷いた

こんな表情、孤児院ではとても見られなかったであろう姿だ

「別にいいけど…」

サッカー少年が答えるとずっと二人の会話を聞いているだけだった
高城が言葉を発した

「一緒にすまない?」

サッカー少年は驚き戸惑った

「おぉ、いいなぁ
お前もし親の許可とれたら俺たち二人で住んでる家で一緒に
住まないか?そのほうが面倒も見てもらいやすいし
部屋ならいくらでもあるから、ちょっと狭いけどな
な、こいつもお前のこと気に入ったみたいだし考えてみてよ?」

神林は馴れ馴れしく少年を誘った

普通なら少し考えてみるというえが妥当だが
このサッカー少年は二つ返事でOKを出した

「え?いいのかよ?
親にはちゃんと許可とれよ
誘拐したとか言われてわっぱかけられたら
たまったもんじゃねーからな」

「あぁ、電話で許可とっておくよ
多分OK出ると思うよ
どうせ家から出ていけって言われてたからな
一人暮らしする勇気がなくて我慢して家にいたけど
俺んちいろいろあってさ…
ちゃんと話つけてくるから、
その時は宜しくな!」

「おぅよ、よかったな真心
 家はここの先の工場跡だから…」

と簡単な地図を手渡した

その日はこれで解散した


そして翌日
サッカー少年が大きな荷物をかかえて工場跡にやってきた

「よぉ話はついたのか?」

「あぁ、大丈夫だったよ、ちゃんと話したから」

「よく親は許したな」

「あぁ、うちの家庭もう崩壊寸前だから
 離婚、再婚ってね、子供のことも考えずに…」

「なんか大変そうだな?大丈夫か?」

「あぁ、すまない、今のは忘れてくれ
今日からよろしくお願いします!
少しは親から金もらってきたけど
俺も働いて生活費出せるようにするよ」

「おぉそうか
今のところは高城の遊び相手をしてくれればいいよ
サッカーにも興味もったみたいだしな
てか、まだ名前聞いてなかったな、俺は神林正義
こいつが高城誠、お前は?」

「俺は大地翔、17歳、
学校はここから通うことにするよ
学校行ってる間は役立てないけど
学校終わったら真心とサッカー練習することにするよ
時間ができたら正義の仕事の手伝いもする
こんな感じでいいかな?」

「おぉ、よろしくな」

そういうと神林から手を出した
大地も神林の手を握りがっつり握手した
そのうえにそっと高城が手を置いて二人の手を包み込んだ


それから数日
高城は前にもまして笑顔が増えた
神林が仕事で相手してやれないときも
大地が遊んでくれるからだ

大地も学校休みがちだったが
最近は真面目に学校に行っているようだ
友達がいないようだが
学校での友達がいなくても
家に帰れば仲間がいる

負と負が組み合わさって
プラスになっている
彼らの戦いはまだまだこれからだ…


つづく


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