二次創作小説⇒金色のコルダ小説「好きにならずにいられない」加地×香穂子 | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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二次創作小説


作品
金色のコルダ
加地×香穂子

執筆日
2008年3月10日

コメント
初の加地×香穂です(^_^;)
まだ1の攻略も完璧じゃないのに2をやりはじめたので、
ついつい書いちゃいました
これは2で出会う前の話となっております
ちょっと最後は加地くん、強引だったかな?

小説

「好きにならずにいられない」


春はコンサートの季節
この街には、音楽科を持つ星奏学院が近くにあるため
街には音楽が溢れかえっていた

学校の所有地はもちろん、公園や駅前、講堂に至るまで
ありとあらゆるところで、音楽が奏でられている
一人でひたすら練習するもの、仲間と合奏を楽しむもの
聴衆を集めてパフォーマンスをするものと、十人十色だ

中でも、音楽科でもないのに、コンクールに参加する2年生女子がいるというのは
学院内だけではなく、街中でも有名な話となっていた

有名人にはなりたくなかったけど、音楽の妖精が見えてしまったため
コンクール参加を余儀なくされたのは、普通科2年の日野香穂子
今までにも音楽の経験はなく、ずぶの素人だから注目度も高い
平凡に暮らしてきた日野は、生活が大きく変わっていた

いつもなら、放課後は女友達と寄り道してケーキを食べにいったり
ショッピングをしたり、遊びに出かけることが多かったが
今では、放課後も学校が休みのときも、ひたすら練習にあけくれていた

「ねぇーねぇー香穂子ちゃん、今日も練習頑張ってね、応援してるから」

クラスメイトが声をかけてきた

友達だけでなく、音楽に好意的で日野の奏でる音色に魅入られている人は
知らない人でも声をかけてくれる

「頑張らなきゃ」

時にはプレッシャーになることもありながら、
同じコンクール参加者と切磋琢磨しながら、演奏に磨きをかけていた


今日も公園で一人練習をしていた
少し休憩を取ろうと、ベンチに座り一息つくと、近寄ってくる人影が見えた

「あの…、その曲なんて言うんですか?」

同い年くらいであろう学生服を着た男子が、日野に声をかけてきた

「今のはG線上のアリアですけど…」

その男性は思い出したかのような顔になり、笑顔でお礼を言って去っていった

「そうだ、聞いたことがあるなーって思ったんです
 ありがとうございました、星奏学園のコンクールに参加する人ですよね?
 あの…頑張ってください…」

日野の返事も何も聞かないまま、その男子は嵐のごとく立ち去ってしまった

(誰だったんだろう?ここら辺の学校の制服じゃなかったなー
 どこの学校の生徒だったんだろう?どうして私がコンクール参加者って
 わかったんだろう?)

日野は心の中でそうつぶやきながらも、頭の中でコンクールのことでいっぱいだった

「練習しなきゃ」

小休憩も済ませ、再びヴァイオリンを奏でる日野だった


その男子は、土日になると駅前や公園をぶらぶらしていた
そして何度も日野とニアミスをしていた

何度かは聴衆として日野の演奏を聞いたこともあった


秋も深まる頃、星奏学院にやってきた一人の転校生がいた
転校生の名前は加地葵
普通科2年の日野香穂子と同じクラスになった

「はじめまして…じゃないかな、日野さん」

加地の言葉に気になった日野は、放課後、加地を問い詰めた

「どういうことか教えてください」

「本当に気がついてないんだ?」

「え?どこかで逢ってましたっけ?」

「そうだよね、僕のことなんて覚えてないよね」

加地はそういうと、少し寂しい表情を見せたので、
日野はあわてて謝った

「あはは、嘘だよ、知らなくて当然だよ
 僕が一方的に何度か公園や駅前で日野さんの演奏を聞かせてもらってただけなんだ
 だから、日野さんが気にすることはないよ」

加地はそういうと、全開の笑みを見せた

「そうだったんだ、全然気がつかなかった」

日野は驚いたように加地を見ながらも、何かを思い出したようだ

しばらくお互い沈黙したあと、突然二人が話し出した

「G戦上のアリア」
「G戦上のアリア!」

二人は見つめあい笑いだした

「そうだったんだ、あの時の…」

「嬉しいなぁ、僕が唯一、おもいきって君に話しかけたときのこと
 思い出してくれたなんて」

それから、加地が日野のヴァイオリン演奏のファンになり
この学院に転校してきてことを聞かされた

正直、日野は嬉しい反面ストーカー?という恐怖もあった
詳しいことは何故か隠したがる加地に、まだまだ秘密がありそうだ

だが、自分の演奏のファンと言ってくれる人が、
学校外にもいるのは嬉しいことだった

日野がぶつぶつと考え事をしていると、横から加地のするどいつっこみがはいった

「僕のこと、不審者だと思ったでしょ?」

「あ、ううん、全然」

とまどう日野に近づき、加地は髪をなであげた

「僕は君の演奏を好きになり、そして君自身も好きになってしまったようだ
 いや、違うな
 好きにならずにはいられないんだ…」

そういうと、日野をそっと抱きしめた

「もしいやじゃなかったら、これからも君の近くで君の演奏を聞いていていいかな?」

優しく、髪をなでながら、耳元でゆっくり囁く加地

(これって告白?!)

日野は心の中の動揺を隠しきれなかった

「ごめん、今はまだ無理強いはしないよ
 でも、いつか、僕が香穂子に認められるよう
 僕自身も頑張るから、見ていてよね」

加地はそっと日野から離れ、大胆発言をした


「そう…香穂子も僕を好きにならずにはいられなくさせてあげるよ」

END


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