二次創作小説⇒遙かなる時空の中で小説「哀糸豪竹」永泉×あかね | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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二次創作小説


作品
遙かなる時空の中で
永泉×あかね

執筆日
2007年1月17日

コメント
当時OVAで永泉が担当のお話があって
それを見て書きたくなって書きました(笑)
よわよわの永泉さんでごめんなさい
でも弱くても勝てます(笑)

小説
「哀糸豪竹」



京の都の四方八方に呪詛をし負の気を蔓延させている鬼と戦うため、

元宮あかねは日々、八葉たちと出かけていた



基本的に一緒に出かける相手は八葉2人までと決めていた

勿論、時と場合によりけりで、1人のときもあれば3人の時もある

迎えにきてくれた八葉と一緒に出かけることも日常茶飯事だ



そんな中よく迎えにきてくれたのは天真とイノリだった

「よぉ、あかね、俺と一緒に出かけないか?」

朝からさわやかに天真が迎えにくると、遠くからドドドドドと激しい足音と共に

「あかね、迎えにきたぜ、怨霊退治に行こうぜ!」

とイノリが元気にやってくる

その二人に流されて出かけることが大半だったが、他の八葉ともバランスよく出かけていた



しかし、1人だけこちらから誘わないとなかなか一緒に出かけられない八葉がいた

優しい あかねはそんな彼をとても心配していたのだ

そこに、帝に報告にきていた永泉の姿があった



帝への用事が終わった永泉に あかねは声をかけた

「永泉さん、このあとヒマですか?」

「あ、神子殿、はい、私は今帝に近況をご報告に伺っただけですので、

 特にこのあとの予定はないのですが・・・」

永泉はおどおどとしながらも返事をした

するとニヤリと笑みを浮かべ

「じゃあ、これから探索にでかけましょ?」

と永泉を誘った

「あの・・でも・・わたくしは・・・」

はっきりしない永泉の態度に あかねは半ば強引に手を取り、外へ連れ出した

「あの・・神子殿?・・ あかね殿??あわわ~」



外に出て少し歩くと永泉も堪忍したのか、あかねの横に並び歩きだした

「あの・・あかね殿・・どこへ行かれるのでしょうか・・」

「うーん、永泉さんだから~、音羽の滝に行きましょ」

「あ・・はい・・」

二人は音羽の滝に着くまで無言だった

水のしたたる音が近づいてくると、あかねは滝のまわりで座り込み小休憩をした

「あの・・あかね殿?わたくし1人では怨霊に出くわしてもあかね殿をお守りできるかどうか・・おろおろ」

弱気な言葉を発する永泉にあかねは、ゆっくりと自分のことを話し出した





「私ね、こことは別の世界からきたのは、出会った頃に話したと思うけど

 今こうして危険な思いをしてまで怨霊退治をしているのはね、

 最初は私が私の世界に早く帰れるように、自分のためだったのね・・・

 でもさぁ・・毎日毎日京の街を探索しているとさ、困ってる京のひとたちのために

 私がすべきことがあるなら、頑張らないとなって思えるようになったんだ・・

 あはっ、なんか変かなぁ?

 でも、今は京の人たちのために早く安心して暮らせる京になってほしいと

 心から思ってるんだ・・」

あかねは胸の内を明かしてすっきりしたのか、ケラケラと笑ってみせた

だが、心の奥では笑っていないことは永泉にも承知のことだった

「あかね殿・・・」

永泉はあかねがいいたいことを全て理解し、なんて強い女性なのだと感動し心を詰まらせていた

「ん?どうしました?永泉さん?なんか説教くさかったかなぁ?」

とまたケラケラと笑ってみせる

「あかね殿は、わたくしにもわたくしのすべきことがあるとおっしゃりたいんですね」

「きっとあるよ、強いだけが八葉じゃないと思うし、永泉さんには永泉さんの役割があって

 選ばれたんだと思いますし、私は永泉さんは自分が八葉だということを受け入れたんですから

 その時点で強い人だと思っていますよ

 ほら、永泉さんが一番に八葉になってくれましたもんね

 あの時の文は大事に保存していますよ」

と優しい笑顔で返した

「あかね殿・・・ありがとうございます

 私にも何か出来ることがあるのなら、お役に立ちたいと思います」

「うん」



その時、あかねの瞳にひとすじの涙が流れた

「え?あかね殿?」

「あれ?なんでだろう?なんで私泣いてるんだろう?」

永泉はとっさに懐から笛を取り出し、音を奏でた

その音は悲壮な決意を表しているようで、悲しくない人でも自然と涙が出るような曲だった

あかねはそんな音色に感動の涙を流していた



「あかね殿、すみません、泣かせるつもりはなかったのですが・・・」

「ううん、永泉さんの笛の音色は人を感動させたり、落ち着かせたりします

 私、大好きですよ」

あかねの最後の言葉が妙に耳に残り、永泉は耳まで真っ赤に染め上がっていた

「ん?永泉さん?」

「あ、いえ、あかね殿が聴きたいときはいつでもお聞かせいたします」

「うん」

「はい」



笛の音を誉められ自信がもてたのか、朝の顔とは見違えるほどにたくましくないっていた

「あかね殿、そろそろ藤姫の館に戻りましょう」

「そうですね」

いつのまにかオレンジ色に染まった空に、立ち上がりゆっくり歩き出した

そのとき、嫌な香りが鼻をかすった

「これは!呪詛?!」

永泉が気づいたすぐ後には目の前に怨霊が現われた

「きゃー」

「あかね殿!」

心が強くなったとは言え、腕はまだまだ半人前の永泉だったが

心の成長が促して、新しい術を覚え、怨霊を一撃で倒した

「はぁ・・はぁ・・」

息を上がらせながらも、あかねを守るために精一杯戦ってくれた
永泉にあかねは思わず後ろから抱きしめた

「み、、神子殿?!」

「あ、、ごめんなさい」

すぐさま永泉から離れたが、今度は永泉からあかねを抱きしめた

「永・・泉・・さん??」

「すみません、もう少しだけこのままでいさせてください・・」

するとあかねも永泉も瞳を閉じ、数分間抱きしめあった



「あかね殿を護れて良かったです」

「永泉さん、無理はしないで下さいね」

二人がそれぞれの心配をしあうさまは少し滑稽で、二人顔を向き合わせ噴出して笑っていた

「あははっ」

「うふふっ」

「わたくしは今まで自分の弱さばかりを認め、強さを放棄していたのかもしれません

 しかし、あかね殿を守れるよう、もっと強くなりたいと願いました

 こんなわたくしですが、あかね殿のお側にいさせてもらえますか?」

自分の胸元に手を当てあかねに問うた

「私はありのままの永泉さんが大好きです

 私こそとなりで一緒に成長していきたいな~なんて・・」

ポリポリと頭を掻き照れながら言った

「あかね殿・・」

嬉しさのあまりもう一度あかねを抱き寄せた

「永泉・・さん?」

気づくとすぐにあかねから離れてしまう

とっさのしぐさとは言え抱きしめられたり離れたり、慣れない手つきなのが痛いほどわかる



「ふふっ、ずっと抱きしめていてもいいですよ」

そんな小悪魔的な言霊に永泉は我を忘れるように、強くあかねを抱きしめた

「もう離しません!あかね殿だけを護り続けることを誓います

 この命をかけて全力であかね殿をお護りします

  あかね殿・・あなたを愛しています」

強い意志であかねに告白をするとあかねが私もだよと言わんばかりにコクリと頷いた

永泉はゆっくりと顔を近づけ、鼻と鼻がぶつかりながら不器用な接吻を交わした

「永泉さん・・大好き」

「あかね殿・・」



藤姫の館に戻ると、それぞれがそれぞれの寝床へ戻った

次の日から、毎日のように迎えにくる天真やイノリの誘いを断るようになった



END



~後日談~



イノリ「なぁ天真、最近、あかねつめたくねーか?」

天真「そうなんだよなぁ、俺の誘いも10連敗だぜ~」

詩紋「あかねちゃんなら、いつも永泉さんと出かけてるよ~たまにボクも混ざって3人で出かけてるんだ」

頼久「あかね殿が弱小コンビな詩紋と永泉を連れて出かけるなんて、心配だ」

鷹通「そうですね、本来なら私と友雅を連れて出歩かれるのが得策だと思うのですが・・」

友雅「青臭い坊主が好きなんて、あかね殿も男を見る目がないねぇ~」

永泉「あぁ~、わたしくのようなものがあかね殿とラブラブだなんて・・申し訳ありません~」

全員「自慢か!」

アクラム「私の神子・・あのような小僧のものになってしまうとは・・・」

泰明「きゅうきゅうにょりつじょじゅふたい・・」

全員「待て!」

泰明を止める

泰明「何故だ?」

全員「永泉を殺す気かぁ~!!」

泰明「全く問題ない」

ちーん・・・


**END**

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