二次創作小説⇒遙かなる時空の中で小説「友達以上恋人未満の恋」天真×あかね | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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二次創作小説


作品
遙かなる時空の中で
天真×あかね

執筆日
2006年9月6日

コメント
さわやかな物語を目指しました
糖度は低めです(^^ゞ

小説

「友達以上恋人未満の恋」



澄みきった空に桜の花びらが舞っている
それは春がやってきてすぐのことだった
1人の少女・ 元宮あかねがやってきてすぐのことだった
あれから2ヶ月が過ぎようとしている‥


「おーっす!、あかねいるか?」
あかねの部屋に一番乗りでやってきたのは、別世界から一緒にきた同級生の天真だった

「あ、天真くん‥」
そういうと急いで部屋を片付けて天真を部屋の中にいれた

「なんだ?まだ寝てたのか?」
と少しふざけてあかねの顔を覗き込む
「ち、違うわよ!」

あかねは慌てて寝起きの顔を両手で隠した
「わりぃ、毎日毎日、怨霊やら札集めやらで、疲れてるんだな」
といいながら天真はごめんねポーズをして見せた

「ううん、大丈夫、それはお互い様だもんね」
かわいく首を横にふり顔を隠すのをやめ笑顔で答えたあかねだった

「無理してんじゃねーのか?」
さっきまでのふざけていたトーンから打って変わって、声も低めに真面目な顔で天真の顔が近づいてきた
天真が心配している気持ちはあかねには痛いほど伝わってきた
嬉しくて今にも泣きそうなのをこらえ、あかねは気持ちとは裏腹に怒ってみせた

「天真くんこそ、無理してるんじゃないの?頼久さんに毎朝稽古つけてもらってるんでしょ?」
「あぁ、お前を守るため、俺はもっと強くならなきゃいけないからな」
どこか遠い空を見ながら目を輝かせ仁王立ちする天真は、
はじめて京にきたときから随分成長しているようだった

「それはそうと、今日は俺と一緒に気分転換しねぇか?」
天真の言葉に少し戸惑いながらも、あかねはすぐさま返事をした
「うん」
「よし!じゃあ行こうかっ!」

二人が向かった先は舟岡山だった
「この木に登ろうぜ、手貸すからよ」
そういって天真は先に木によじ登った
「ほら、お前もこいよ、恐くないからさ」
と枝にまたがり、あかねのほうへ手を差し出した
「・・・」

あかねはどうしようか考えている
(一応、女の子だし、木に登るなんてちょっと恥ずかしいな)
「ほら、なにやってんだよ、俺の手につかまれよ
 こっから見える景色をお前にも見せてやりてぇんだ」
そういうと、差し出した手を上下にふった

「じゃあ・・」
と天真の手をがっしり握り締めたあかねを、軽々と木の枝の上に持ち上げた
「きゃっ」
あかねはいきなり高い所まで上がってきたので、おもわず悲鳴をあげてしまった

「わりぃ、わりぃ」
そういうと、自分がすわっている枝の上を少しずれて、あかねを座らせた

「すごい力持ちだね」
あかねが笑って言うと
「あはは、俺勉強はからっきしだけど、力だけは誰にも負けねぇ自信あんぜ」
そういって、あかねの笑い声に自分の笑い声を重ねた

「でも、ちょっと右手がいたーい」
あかねは頬をほんの少し膨らませ、自分の右手を軽くもみはじめた

「ごめんな、加減ってもん考えろってんだよな俺、ほんと、ごめん」

謝りたおしてしゅんとしてしまった天真を見て、あかねは思わず吹き出してしまった

「うふふふふっ、いいよ、こんなすごい景色が見れたんだもん、ありがとね、天真くん」

こんな言葉が返ってくるとは思ってもみなかった天真は、いつもになく照れた顔で

「好きな奴に俺の好きな景色を見せたかっただけだ」

と言い放ち照れ隠しからか、そっぽを向いてしまった
その言葉にあかねはドキリとしてしまい顔を真っ赤にさせていた

同級生で友達だった天真くん・・・気心も知れた何でもわかりあえる大切な友達
だったずはずなの、いつの間にか二人の間には恋心が芽生えていた
今まで天真のことを友達じゃなく普通の男の子として意識したことが全くなかったわけではない
しかし、そう思うたび、天真くんは私の大事なお友達なんだから!って自分に言い聞かせていたあかね
だから、友達を超えることはないと思っていたのだ
それに、もし自分から告白して、この心地よい友達関係が崩れてしまうのを恐れてもいた
それなのに‥今のあかねは友達を超えそうだ‥

「おい!あかね?聞いてんのか?」

「ん?うん‥」

「ほーら、やっぱり聞いてねぇじゃん、どうした?もう帰るか?」

横で心配している天真の声は右から左へ流れていく

「あの、さぁ‥、さっき好きな奴にって言ったよね‥
それって‥ううん、なんでもない、なんでもないの」
あかねは虫の息のような細い声で言った

「あぁ、あれか?お前のことだよ、お前に、
いや、あかねに見せたかったんだ、迷惑‥だったか?」
暖かいまなざしであかねの顔をまっすぐ見つめてくる天真
(嬉しい‥)

「おい?なんで黙ってんだよ、やっぱり迷惑だったのか?」
少し不安げな表情に変った天真に、あわててあかねは答えた

「ううん、そんな、私ずっと天真くんのこと‥」
あかねは俯いていた顔を上げて、自分の気持ちをさらけ出そうとした
「あっ、ちょっと待った!
その後の台詞は俺の妹が見つかったあと俺から言わせてくれ」
せっかく告白しようと思いきったのに天真によって止められてしまった
「うん」
あかねはうなづくと天真の肩に寄り添った
(そうだよね、まだ京のことも蘭さんのことも
解決してないのに私だけが浮かれてはいられない‥)

「明日から、また毎日大変だけど、頑張ろうな」
天真の声が耳元で気持ちよく聞こえてきたと思ったら、
いつの間にか手を握られていた
今はまだ友達以上恋人未満な二人は、
赤く染まった夕焼け空を眺めていた‥


END

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