二次創作小説⇒遙かなる時空の中で「背伸びした恋」友雅×あかね | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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二次創作小説


作品
遙かなる時空の中で
友雅×あかね

執筆日
不明

コメント
キスありです
きれいにきれいにと意識して書きました
いつ頃書いたのか忘れましたがかなり昔だと思います
10年近く前?(^^ゞ

小説

「背伸びした恋」




京の都が暗闇に包まれ、美しい月が天高く輝く夜だった
1人の少女が琵琶の音色につられ、屋外へ出た
その音色は庭の方から聴こえてくる・・・
音色を追いかけるように小走りで音の
主に近づくその少女は元宮あかねだった



「おや、起こしてしまったようだね?」
その声は橘の少将、友雅の声だった
「あっ、やっぱり友雅さんだったんですね」
そういうと、あかねは縁側に腰掛けた
「もう子供は寝る時間だよ?」
友雅は意地悪を言い、また琵琶を弾きだした
「友雅さんって、いつも私を子供扱いするんですね」
月の光に映るあかねの顔は、口を尖らせて拗ねていた
あかねは友雅の琵琶の音に聞き入っているうちに
何で怒っていたのかも忘れてしまっていた
美しい音色に、日頃怨霊との戦いや
人間関係で神経をすりへらしていたあかねは
心の洗濯をしているような、お酒も飲んでいないのに
琵琶の音色のほろ酔い気分だった
突然、友雅は琵琶を弾く手を止めた
「あかね殿、もう随分、夜もふけてきたよ、
そろそろ部屋に戻ったほうがいい」
あかね はそんな友雅の声も耳に入らぬまま
「もう少しここにいていいですか?」
と答えた
「それはどういうことかな?
夜の静寂を感じるためにこの場所にいたいのか‥それとも
私と時間を共にしたいのか‥、私としては後者なら嬉しいけどね」
友雅は笑ってあかねの顔を見た
「あの‥後者‥かな?」
そういうと、頬を真っ赤に染め、あかねは視線を逸らした
友雅はくすりと笑った
「光栄だね、でも、子供にはまだ早すぎるよ
 じゃあ、私が部屋まで送っていこう」



そういって、縁側に座っていたあかねの腰を持って立ち上がらせた
「子供、子供って、私そんなに子供じゃないですっ!
夜更かしだってできるし、1人で京の街も歩けるし、それに、それに‥」
あかねは急に早口で自分に出来る精一杯の抵抗をした
「ふっふっ、そういうところがまだまだ子供なんだよ」
あかねの言うことを相手にしてくれなく、完全に子供扱いのままだ
「ほら、早く部屋に戻るよ
 明日、寝不足な顔でみんなの前に出たら心配するだろ」
友雅は大人だ、明日のこともみんなのことも気にかけている
それに比べあかねは子供だと自覚している
自覚していても、それでも好きな気持ちは押さえきれない
大人の仮面をかぶって気持ちを押さえるくらいなら、
いっそ子供のままでいいと思っていた
「私、友雅さんのことが好きです、私じゃダメですか?」
瞳を潤ませ今にも涙の雫が月の光に照らされそうになっている
「困ったなぁ、あかね殿を泣かせるつもりはなかったのだがね」
そういうと、あかねの腰においていた手を離した
「私ってそんなに魅力がないですか?
友雅さんに女として見られてないんですね?」
あかねの瞳の中の雫はとうとう瞳を飛び出し、頬をつたった



「もういいですっ!」



そう言い放ったあかねは泪を流し、
髪をなびかせながら、自分の部屋へ戻っていった
その姿は、白く輝く月に映し出されている天女のように見えた


「美しい‥」



友雅はそうつぶやくと、慌ててあかねを追いかけた
あかねの部屋の前で友雅は、あかねの腕をひっぱった
「離してくださいっ!もういいんです!さっきのことは忘れて下さいっ」
あかね は少し混乱気味で暴れだし、ふすまを開けた
友雅は片手であかねの口を押さえ、
 もう片方の手でふすまを開け、あかねの部屋に入った
「何がもういいんだい?私はまだ何も返事をしていないよ?」
友雅はあかねの口をふさいでいた手を離し、
その変りに自分の唇であかねの口を塞いだ
「んっ」
あかねは一瞬驚いたが、少し気持ちが落ち着きそのまま瞳を閉じた
口唇と口唇が触れ合っている
あかね は愛しいと思える人と今一つになれたような気がしていた
「嬉しいよ、あかね殿がそんな風に私を見ていたなんてね
 まだまだ子供だと思っていたけど、今日のあかね殿は十分色っぽいよ」
そういうと、友雅はあかねの肩に両手を置いた
その瞬間、あかねは肩に置かれた手をふりはらう勢いで、
友雅の体に抱きついた
あかねの瞳にはうっすらと泪の跡が光っていた
「おやおや、甘えん坊さんだね、もう遅いから早く寝なさい」
友雅は抱きついているあかねの両手をほどいた
すると、あかねは

「もう一度、もう一度だけ‥して‥」

と頬を赤らめながら言った
「困った神子殿だね、私の理性のことも少しは考えてもらいたいものだよ」
そう苦笑していうと、今度はおでこに子供にするような口づけをした

「この続きはまた今度だよ
 でないと、私のほうが押えきれなくなってしまう‥」

そういうと、あかねの肩を押して部屋の奥へ行かせ、
自分はそのまま部屋を出ていった
ふすまをしめると、お互いの影が月明かりに
照らされふすまに映った

「じゃあね、おやすみ
 いい夢を見るんだよ、私の天女」

足音がだんだん遠のいていった


月明かりに照らし出されたあかねの姿は、まさしく天女だった
子供扱いから、大人の女性として認めてもらえるようになった
押えきれない気持ちを伝えたあかね、
押さえていた気持ちを引き出されてしまった友雅
二人とってとても大切な一夜となった‥

END


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