人生は、小さなことから大きなことまで選択の連続だ。

 

今日のお昼は何を食べる? ということから、

就職、転職、引っ越し、結婚、離婚まで。

 

日々の選択の集大成が、今、ここの自分をつくっている。

 

となれば、失敗したくない。

後悔したくないと思うのが人情。

 

 

とは言え、情報をたくさん収集すればいいかというとそうでもない。

かえって迷いが深くなる。

 

ああ、私の選択が正しいか誰か教えて~! と叫びたくなる。

 

 

 

20年ほど前の話。

私は「直観力養成講座」なるセミナーに参加したことがある。

練習をすれば誰でもチャネラー(高次元の情報を伝える人)の能力を身に着けられるというのだ。その頃、私は優柔不断な自分が嫌だった。

 

セミナーには50人くらいの男女が参加していたと思う。

様々な訓練をして、閉じ込めていた内なる直観力を解放するという。

 

例えばこんな風に。

 

事前に集めた個人の私物をランダムに選び、物から持ち主の情報を当てる。

(私は事前に自宅の鍵を出していた)

 

私の鍵を手に取った人は、持ち主(=私)をこう描写した。

「この鍵の持ち主は、非常に自分に厳しい。とても疲れていて、今は癒されたい、休みたいと思っている」

これだけだったが、妙に当たっていると思った。

 

確かに私は疲れていたし、だからいつも癒されたかった。

この人すごいかも!

 

 

 

今度は私の番だ。

 

私は、カラーペンのセットを選んだ。イチゴのイラストのついたカラフルなペン。

困ったなあ。しょうがないので、私はペンの特徴(それを好むタイプ)を言ってみた。

 

「このペンの持ち主は女性。小さなことに喜びを見いだす感性を持ち、好奇心が旺盛ですね」

ペンの持ち主(女性)からは「当たっている!」と言われた。

 

 

こんなんでいいの?

これは心理分析であって、チャネリングとは違うのでは?

チャネラーって、もっと特別な人なんじゃないの?

 

 

次は、ペアになって正面に座り、手を握り合い、相手の頭の中を読むということをした。

相手の緊張が伝わる。

 

でも、正直相手の頭の中なんかわからない。焦る。

 

困り果てた私は、とうとう開き直った。

たかだかセミナーじゃないか。

何も失うものはない。もともと妄想力はあるのだ。

 

私は勝手にストーリーを語りだした。

 

「湖のほとりで、しゃがんでいるあなたが見えます。太陽が沈みはじめています。すっかり日が暮れました。あなたはとても悩んでいます。今日は満月です。とうとう意を決して立ち上がり、あなたは歩き始めます。周りには誰もいません。あなたは新しい道を行くと決意しました。そして、一人で歩きはじめたのです」

 

 

「やはり一人で行くのですね! その先はどうなるのですか?」

相手の女性が、突然叫んだ。

 

驚いたのは私の方だったが、彼女の反応に勇気づけられ、徐々に調子が乗ってきた。

 

「大丈夫です。地平線の向こうから日が昇り始めています。夜明け前が一番暗いのです。

ああ、その先には、素晴らしい人間関係が待っています」

 

私は、ただ、励ましたのだ。

 

「ありがとうございます!! 嬉しい!」

彼女は本物のチャネラーを前にしたように、感激のあまり涙を流していた。

 

後から聞くと、彼女は人生の大きな選択に迷っていた。

私の話に勇気づけられ、背中を押されたと感じたらしい。

 

 

当たるも八卦、当たらぬも八卦。

 

 

 

私たちの悩みや希望は、正直、普遍的なものだ。

 

誰でも、幸せになりたいから、仕事(お金)、家族(人間関係)、健康(美)、生きがい(真理への希求)といったさまざまな活動をしている。

 

私たちは自分の活動に対して、「大丈夫」と太鼓判を押してもらいたい。

 

だから、人生の営みに対して抽象度高く語られると、受け手は勝手に自分をそこに当てはめて補正して話を聞いてしまう。もちろん、相手への依存度(信頼度)が高ければ高いほど、自分のことをわかってくれていると錯覚するのでより当たっていると感じる。プロとプロでない人を分けるのは、場の支配力だ。

 

 

このセミナーで、私の直観力が磨かれたかどうかはわからない。

 

 

 

ただ、今ならわかる。


 

私が優柔不断だったのは、

人生全般が省エネモードに設定されていたからだ。

 

このモードの特徴は、欲が深くかつラクに成功したいというもの。

 

だから、失敗したら悔しいし、責任取るもの大変だから、

確実に成功する保証があるものだけを探すようになる。

 

 

迷い(優柔不断)ってやつは、時間泥棒(高額な浪費)で、

省エネしているつもりで、エネルギーがダダ漏れ状態なのだ。

 

 

本来の省エネとは別物だから要注意だ。

 

 

 


あの頃の私に、今の私ならこう言うだろう。

 

 

「安心して一つ選びなさい。

そして、それをエネルギー全開で創造しなさい。

選択が正しいのか間違っているのかを探すのは時間の無駄だよ。

結局、正しい証拠も、間違っている証拠も作ってしまうからね。

 

決断するから、それが最高の体験になる。
そして、一つをやりきれば、

次ももっと簡単に現実化できるようになる。

 

それが、本当の省エネだからね!」